[ #UTMB 2012] 文字に起こしました・動画・横山峰弘選手レース後インタビュー

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2012年のUltra-Trail du Mont-Blancで、足の故障や体調不良に苦しみながらも24時間10分で完走された横山峰弘選手に、レース中の状況、苦しみながらも棄権することなく進み続けた理由、来年以降のUTMBへの関わり方、などについて伺いました。横山選手のフィニッシュの模様に続いてインタビューのビデオが続きます。11分弱と少し長いので、時間のあるときにご覧ください。

(追記:インタビューを文字に起こしました。2012.09.06 20:00)

【ウルトラトレイル・デュ・モンブラン 横山峰弘選手 レース後インタビュー】

DogsorCaravan.com: DogsorCaravan.comの岩佐幸一です。今日はウルトラトレイル・デュ・モンブランを完走された横山峰弘選手をお迎えしてお話を伺いたいと思います。今回で5回目のモンブランですね。

横山峰弘選手:そうです、5回目です。

DC:今回は先ほど確認したところ、24時間10分で完走されました。夜7時のフィニッシュでした。横山さんにとってそこまで時間をかけて−我々ファンにとっては驚き、感動を与えてくれた訳ですが−どのようなことが起こったのでしょうか。横山さんにとってはこれほどの時間がかかることは普通であれば考えにくいことだと思うのですが。

横山:そうですね、うーん、100キロで24時間もかかってしまって。

DC:まず、体調が優れなかったと伺っています。

横山:そうですか、スタートの前日に風邪をひいてしまって、発熱とのどの痛みがあって。スタート当日の朝に病院に連れて行ってもらって薬を処方してもらったんですけれども。どうにかスタート直前まで寝て熱を下げたんです。それでもスタートしたら2キロくらいでもう体が動かなくなってしまって。スタートからロードがありますよね。そこで「ああもう、動かない」と思ってですね。

DC:始まって30分も経たないうちですよね。そこで諦めないという気持ちになったんでしょうか。

横山:最初はもしかしたら汗をかけばだるさとかが抜けるかなと思っていたんですけれども、進むにつれてだんだんひどくなってきてしまって。スタート直前までは寝ていたので、準備体操やストレッチ、そうしたものを何もせずに出てしまったんですね。ふくらはぎを傷めてしまいまして。もうこれは本当にダメかな、と思ったんですけれども、日本で応援してくださる方がたくさんいらっしゃいます。あと、2009年以降(UTMBを)完走していないんですね。今回は(2009年の足の手術後に)何が何でも完走したかったんですね。なのでやめる訳にはいかないなと思って。風邪をひいてしまったのも自分の責任なので、これは自分でけじめをつけるしかないのでとりあえずいけるところまで前に進もうと、そう決めました。

DC:昨日、横山さんがレースで走っておられるのを(撮影した)ビデオを拝見する機会があったのですが、本当に一歩一歩進むのが辛そうだったんですね。そのときは−例えば後半のあと10キロ、20キロというところで−どんなことを考えて前に進んでいらっしゃったんでしょうか。

横山:まず前半の30キロ地点のコンタミンで皆さんから止めた方がいいといわれて。まあその通りだったんですが、止めた方が絶対よかったんですが、止めるわけにはいかなかったのでとりあえずバルムまでいったんです。いったらあまりの寒さに自分でも後悔して。考えたんですけれども、濡れた服をたき火で乾かしました。次のところまでで倒れたりしたらかなりの方に迷惑をかけてしまうので、それは絶対に避けないといけない。その区間だけでもまずは進もうと決めて−ただ前に進んだだけなんですけれども−エイドステーションごとに毎回止めよう、止めようというか正直自分でもぶっ倒れるんじゃないかと思ったことが何度もありました。後で他の方に聞いて記憶がないこともありました、ぼけっとしていてですね。後半はアシスタントの方々がお湯を用意してくれたり、タオルを貸してくれたりして、体を温めてくれたんですね。それで、「ああ、もう止める訳にはいかないな」と思いましたね。次(のエイドステーション)までいったら、アシスタントの方に会える、ただそれだけで前に進んだだけですね。

DC:私の個人的な思いかもしれませんけれど、お話に伺ったまさに横山さんらしい−周囲の期待に応えるとか、自分のこだわっていることを達成しようとか−真摯な姿勢が(魅力で)ファンの方が日本にもたくさんおられますよね。命に関わるような(事態)だった訳ですけれども、感動を与えていただきました。一方で今後についてですが、モンブランは今回こんな天候で、考えてみれば2010年から12年まで天候に恵まれなかったですよね。横山さんにとっては中心に据えて取り組んでこられたレースかと思います。やはり来年も、あるいは再来年も、将来にわたって挑戦したいレースでしょうか。

横山:うん、そうですね。他に挑戦したいレースもあるけれど、今回は完走はしたけれど(160キロの)ウルトラトレイル・デュ・モンブランではないというのは事実です。ぜひ一周して(160キロのコースを走って)、結果を出して納得したいなと思うんですね。また(モンブランには)来ると思います。ちゃんと勝負をしたいですね。

DC:ベストの状態でどこまで自分が追い込めるか、と。

横山:2009年(6位入賞)の時より上に行きたくて足の手術もしたし、もっともっと上に行きたいと思いますね。

横山:あと、講習会で諦めなければ(完走)できるといっているんですけれども、今回、これは簡単にいえることじゃないな、と身にしみましたね。自分がいった手前、熱を出したくらいで止める訳にはいかないなと思いました。ただ、だんだん思考能力がなくなってきて、状況判断もできなくなってきて、難しい状況でしたね、今回は。アシスタントの方々のケアがあったので前に進めました。今回は自分の力ではないな、と思いました。周りの方々に本当に感謝しています。

DC:今、つけておられるバイザーにも「パパがんばって」と書いてあって、ご家族の方の力も大きかったんでしょうか。

横山:他のキャップにも書いてもらったんですけれども、最後のアルジェンティエール(93キロ地点)まではずっと(書いてもらったのを)みながらだったんですね。そうじゃなければもういけないな、と思って。

DC:ご家族の方の気持ちを感じながらだったわけですね。お話を伺って、横山さんらしいウルトラソウル、不屈の精神を感じました。皆さんにご覧いただけるかどうか分かりませんが、横山さんがUTMBを走る姿をとらえたビデオをみていただければ、ここまでしてでも(完走しよう)という気持ちがきっと伝わります。そんな機会があるといいなと思います。まだ体調が十分戻っていらっしゃらないようですが、どうぞ大事にしていただきたいと思います。また秋以降、そして来シーズンに向けて、がんばってください。

横山:まだまだがんばります。絶対止めないで続けます。

DC:今日は横山峰弘さんにお越しいただきました。ありがとうございました。

横山:ありがとうございました。

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