経ヶ岳バーティカルリミット 2016 プレビュー #経ヶ岳VL

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今年が2回目の開催となる経ヶ岳バーティカルリミット(経ヶ岳VL)が今週末の5月21日土曜日に長野県・南箕輪村で開催されます。中央アルプスの北端となる経ヶ岳(2,296m)に一気に登って下りてくる21kmのレースは、今年のスカイランナー・ジャパンシリーズ(SJS)のSKYカテゴリーの開幕戦です。この記事ではこの大会に集まる有力選手をご紹介します。

当サイトでは、大会当日に現地から経ヶ岳VLの結果や上位選手の表情をライブ速報でお伝えする予定です。DogsorCaravanのツイッターアカウント(@DogsorCaravan)をフォローしてお楽しみください。

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(写真・経ヶ岳バーティカルリミット、北信濃トレイルフリークス<KTF>)

21km、累積標高差1,650mの一気登り&下りはシンプルだが、山を走る脚力がはっきりあらわれる

Kyogatake-Vertical-Limit-logo経ヶ岳VLは、南箕輪村の大芝公園をスタートしてまず道路や舗装林道を登ります。第一エイド(大泉所ダム分岐、4.2km地点 / 1,030m)を過ぎ、中尾ルート登山口(5.5km地点 / 1,030m)からが経ヶ岳へのトレイルの登りが始まります。折り返し点となる経ヶ岳山頂はスタートから10kmで標高2,296m地点。ちなみに富士登山競走では21kmで山頂までの標高差約3000mを登るので、この経ヶ岳VLの前半部は富士登山競走を二分の一にしたものに近いといえます(厳密には富士登山競走の方が終盤でより急な登りがあります)。そして経ヶ岳山頂からは第二エイド(仲仙寺、17km地点 / 990m)までトレイルで一気に下り、4kmの舗装路で大芝公園にフィニッシュします。

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経ヶ岳VKのコースマップ(大会ウェブサイトより

ピークを目指して登り、そこから下って戻るというクラシックでシンプルな山岳レースだといえますが、このレースを制するには登りの脚力だけではなく、時にはテクニックが求められる下りのスピードが必要。そこにベースとなるランニングの走力も加わります。海外のスカイランニングのレースでは登りよりも下りで差がつくことが多いので、レースの行方はそれほどシンプルには決まらないかもしれません。昨年第1回大会の優勝タイムは男子が2時間7分15秒(宮原徹)、女子が2時間51分15秒(長谷川香奈子)となっています。

約600人が参加するロング21kmのレースは午前10時30分にスタート。制限時間は7時間となっています。あわせて、第一エイドから4合目分岐に向かってから下りてくるショート12kmのレースも開催され、こちらは約240人が午後1時にスタートします。

有力選手の顔ぶれは?

Skyrunner_Series_Japan_logoスカイランナー・ジャパンシリーズ(SJS)の名にふさわしく、今回も昨年のこの大会で上位に入った皆さんを中心に有力選手が集まります。

女子 / Women

女子では昨年優勝の長谷川香奈子 / Kanako Hasegawaの二連覇となる可能性は高いでしょう。20–30kmくらいの山岳コース、いわゆるスカイレースにおいては日本の女子で長谷川に追いつける選手はまだ現れていないといっていいでしょう。昨年も2位の福田由香理に約9分の大差をつけての優勝でした。長谷川は昨年、日本選手権・菅平42k、経ヶ岳、びわ湖バレイでそれぞれ優勝しています。昨年2位の星野(福田)由香理 / Yukari Hoshino, née Fukudaも今年の経ヶ岳に出場します。昨年の日本選手権・美ヶ原80kで優勝している星野(福田)が長谷川との差をどこまで縮めるかに注目したいところ。昨年3位の岩楯志帆 / Shiho Iwadateは昨年の優勝タイムから11分半の差でした。岩楯は昨年の西米良で優勝、菅平42kで長谷川に次いで2位。今回も上位をねらいます。松岡宏美 / Hiromi Matsuokaは昨年のモントレイル戸隠20k、Rockin’ Bear黒姫36k、信州戸隠45kで優勝、武田の杜2位。今年もハセツネ30k、善光寺ラウンドトレイルで優勝しています。女子有力選手が揃う中でどんなレースとなるか注目です。

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長谷川香奈子 / Kanako Hasegawa。

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星野(福田)由香理 / Yukari Hoshino, née Fukuda

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岩楯志帆 / Shiho Iwadate

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松岡宏美 / Hiromi Matsuoka

このほか次の皆さんも表彰台を目指します。

  • 須藤吉仕子 / Kishiko Suto:昨年のこの大会で6位。昨年はさらに上田VKで3位、スリーピークス八ヶ岳で4位、西米良で2位。レースでは安定した成績を残す大ベテラン。
  • 丹羽なほ子 / Nahoko Niwa:モデルとして活躍しながらトライアスロンでIRONMAN70.3世界選手権に出場(2013、2014年)したアスリート。
  • 弘中志保 / Shiho Hironaka:今年は2月に房総丘陵30kで3位。
  • 渡部春雅 / Kasuga Watabe:スカイランニングのレースで大人に混じって表彰台に上る小学生として話題に(今は中学生)。最近では昨年10月の尾瀬岩鞍VKの中学生の部で男女総合で3位となっています。
  • 早川由香里 / Yukari Hayakawa:昨年のこの大会で7位。このほか昨年はびわ湖バレイで3位など。

男子 / Men

男子では昨年優勝の宮原徹をはじめ、昨年の上位6人の名前がエントリーリストにありません。しかし今年は若手のアスリートがしのぎを削るレースになりそうです。今年の優勝タイムが昨年の皇帝・宮原のタイム(2時間7分15秒)を上回るかどうかにも注目です。

今年の男子は上田瑠偉 / Ruy Ueda松本翔 / Sho Matsumotoの間での優勝争いが繰り広げられるのでは、というのが当サイトの予想です。トレイルランニングファンにはハセツネ・カップの大会記録保持者として有名な上田は今年に入ってアメリカの100kmのトレイルレース(Gorge Waterfalls 100k)で優勝、5月3日の上田VKでは3位に。一方の松本翔は東大出身の市民ランナーとしてマラソンやロードレースなどで活躍しながら昨年からはトレイルのレースでも活躍、富士登山競走で優勝しています。マラソンのPRは2時間13分38秒というスピードの持ち主です。二人の直接対決は昨年の日本選手権・菅平42kで、この時は上田が優勝しています。トレイル、特に下りの経験値では上田に分があるでしょうが、松本のスピードがそれを上回るかもしれません。

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上田瑠偉 / Ruy Ueda

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松本翔 / Sho Matsumoto

昨年7位の牛田美樹 / Miki Ushidaは昨年の西米良で優勝するなどしてスカイランナー・ジャパンシリーズの年間チャンピオンとなっているほか、アジア選手権となったMSIG Sai Kung 50kでは5位。今シーズンも旺盛にレースに出場しており、5月8日のTokyo成木の森25kで優勝。上田と松本に迫る選手がいるとすれば牛田でしょう。そして秋元佑介 / Yusuke Akimotoは富士登山駅伝で上位常連の第一空挺団チーム所属で、2014年ハセツネ・カップで6位(7時間43分)、昨年の志賀高原エクストリームトライアングルで2位。山岳レースの経験は豊富で上位入りが期待されます。このほか、昨年のびわ湖バレイ優勝の小出徹 / Toru Koide、昨年のこの大会15位で西米良5位の山本大賀 / Taiga Yamamotoはそれぞれのスカイレース形式のレース経験を今回の経ヶ岳で活かすことができれば上位に入るでしょう。

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牛田美樹 / Miki Ushida

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小出徹 / Toru Koide

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山本大賀 / Taiga Yamamoto

さらに今回の経ヶ岳にはユース世代からベテランまで注目のランナーが登場します。

  • 名取将大 / Masahiro Natori:2015年峰山トレイルレース 優勝、スリー ピークス八ヶ岳トレイル Attack Line 23k 優勝、2015年上野原秋山トレイルレース 2位、尾瀬岩鞍VKで12位。。先日の上田VKで9位。
  • 吉野大和 / Yamato Yoshino:先日開催の上田VKで8位、昨年の尾瀬岩鞍VKで10位。
  • 鈴木龍弥 / Ryuya Suzuki:昨年のスカイランナー・ジャパンシリーズで13位。
  • 吉原稔 / Minoru Yoshihara:4月の奥三河パワートレイルで2位。
  • 小山真一 / Shinichi Koyama:第一空挺団チーム所属で昨年の尾瀬岩鞍VKで11位。
  • 細山雄一 / Yuichi Hosoyama:昨年の神流50kで優勝、FTR100優勝。
  • 山室忠 / Tadashi Yamamuro:2013年モントレイル戸隠20kで5位。
  • 渡邊千春 / Chiharu Watanabe:’OO年代の日本のトレイルランニング界をリードしたベテランアスリート。
  • 田畑幸司 / Koji Tabata:2012, 13, 14年の白馬国際53kで優勝。
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参考

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