DC Weekly | Lavaredo、Mont Blanc Marathon、Western Statesなどビッグイベントのリザルト・2016年6月27日

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weekly。このDC Weeklyへ皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。2016年の国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーもぜひご利用ください。

(写真・80km du Mont Blancをリードするディエゴ・パゾス / Diego Pazos。© Pierre Raphoz / Marathon du Mont Blanc)

先週末のイベント

6月23日木曜日 – 26日日曜日:The North Face Lavaredo Ultra Trail

  • UTWT-Ultra Trail World Tour logoThe North Face Lavaredo Ultra Trail(119k、47k、20k):イタリア北東部のドロミーティ山地・コルティーナ / Cortina d’Ampezzoで開催、Ultra-Trail World Tourの第7戦となった119kmのレースでは、アンディ・サイモンズ / Andy Symonds(イギリス、フランス在住)が12:15:06で勝利。長くケガでレースから遠ざかっていたサイモンズは昨年の80km du Mont Blancで3位になるなど復活の兆しを見せていましたが、今シーズンはTransgrancanariaで5位、Transvulcaniaで4位となっており、今回、見事に優勝。2位には8分差でゲディミナス・グリニウス / Gediminas Grinius(リトアニア)、3位はハビエ・ドミンゲス / Javier Dominguez (スペイン)。女子ではスイスのアンドレア・ヒューザー / Andrea Huserが14:32:39で優勝。2位は昨年のUTMFで優勝、UTMBで2位のウシュエ・フライエ / Uxue Fraile Azpeitia(スペイン)でトップから41分差。3位はフェルナンダ・マシェール / Fernanda Maciel (ブラジル)。香港在住のマリー・マクノートン / Marie Mcnaughtonは16:38で女子5位でした。アメリカのマイク・フート / Mike Footeローリー・ボジオ / Rory Bosio、そしてリジー・ホーカー / Lizzy Hawker(イギリス)は序盤から体調を崩し、それぞれ男子103位、女子14位、女子9位。日本から参加の小林慶太は17:56で98位、渡邊千春は18:40で125位、香港のストン・ツァン / Siu Keung, Stone Tsang(香港)は14:26で18位、ワン・チョウ / Wyan Chowは18:58で女子20位でした。リザルトはこちら
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【追記あり】DC Weekly 2022年7月18日 Hardrock 100、Badwater 135、Eiger、野沢温泉

6月24日金曜日 – 26日日曜日:Marathon du Mont Blancなど

  • mbmarathon-logo-2.pngモンブラン・マラソン / Marathon du Mont Blanc(80k, 42k, 23k, 10k, VK):シャモニーを舞台に開催されるトレイルランニングのレースで、UTMBと同様に人気の大会です。リザルトはこちら
    • 80kmは金曜日の早朝午前4時にシャモニーを1076人のランナーがスタート、快晴で気温が上がる中で開催されました。この日の男子のレースは、中盤以降ディエゴ・パゾス / Diego Pazos(スイス)がリードを守って10:52:45で優勝。昨年のCCC4位、今年Transgrancanariaで3位など欧州では最近上位に入ることの多いパゾスでしたが、大きなレースで勝利を手にしました。2位は17分差でギヨーム・ボージス / Guillaume Beauxis(フランス)、さらに11分でレミ・ベルシェ /  Remi Berchet(フランス)が3位に続きました。女子は2013年のこの大会で優勝しているカロリーヌ・シャヴェロ / Caroline Chaverot(フランス)が男女総合で6位となる11:40:59で優勝。今年はMIUT(マデイラ)でも優勝しており今シーズンの活躍が期待されます。女子2位は54分差でマイリス・デボン / Maïlys Drevon(フランス)、3位はさらに42分でドン・リー / Li Dongでした。日本のファンにはおなじみのセバスチャン・シェニョー / Sebastien Chaigneauは10位、日本からは参加の大瀬和文 / Kazufumi Ooseは12位でした。
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80kmで優勝したディエゴ・パゾス / Diego Pazos(左)、カロリーヌ・シャヴェロ / Calorine Chaverot。© Pierre Raphoz / Marathon du Mont Blanc

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80km du Mont Blancで男子12位となる12時間31分でフィニッシュした大瀬和文 / Kazufumi Ose。 Photo courtesy of Fred Bousseau

  • 42kmは日曜日の午前7時、398人の女性を含む2217人がスタート。金曜や土曜に比べると厚い雲がかかるものの穏やかな天候でした。昨年のこの大会で6位のセドリック・フルールトン / Cédric Fleureton(フランス)がレースを終始リードして優勝を勝ち取りました。トライアスリートとして欧州のトップ選手として活躍したのちにトレイルを走るようになり、フランス選手権で優勝した経験も持ちます。今回は4時間4分23秒で国際的なレースを制しました。2位、3位に入ったのはそれぞれグザビエ・テベナール / Xavier Thévenardマシュー・ブリノン / Matthieu Brignon。二人とも前半は20位前後を走っていましたが、後半の大きな登りのセクションで一気に順位を上げてフィニッシュ。トップからテベナールは+3分半、ブリノンは+4分。2013年、2015年のUTMBチャンピオンのテベナールは7月にアメリカで行われるHardrock 100に向けて手ごたえをつかみました。女子はスウェーデンのイーダ・ネルソン / Ida Nelssonが4時間46分28秒で優勝しました。レミ・ボネ / Remi Bonnet(スイス)はリタイア、マックス・キング / Max Kingヤン・ロンフェイ / Longfei YanはDNSでした。
  • 金曜日の暑い午後に開催されたVK(バーティカルキロメーター)には673人が参加。優勝は35分51秒でノルウェーのスティアン・アンゲルマンドヴィク / Stian Angermund-Vik。2位は37分39秒でアメリカのアンディ・ワッカー / Andy Wacker。女子優勝はこちらもノルウェーのヒルデ・アデルス / Hilde Adersで43分40秒でした。
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快晴の中で行われたヴァーティカル・キロメーター。©Leslie Delamarre / Marathon du Mont Blanc

  • SKYRUNNER_WORLD_SERIES_2016-squareLivigno Skymarathon (34k):マルコ・デ・ガスペリ / Marco De Gasperiのプロデュースでイタリア北部・リヴィーニョで開催。スカイランナー・世界シリーズ / Skyrunner World Seriesのレースでした。34km / 2,700mD+のSkymarathonでは、パスカル・エグリ / Pascal Egli(スイス)とヤン・メルガリト / Jan Margarit(スペイン)の二人がリードしましたが、コース最高地点となる3,047mのピークを過ぎてからの下りで、タデイ・ピヴィク / Tadei Pivik(イタリア)が先行する若い二人を圧倒。昨年の世界シリーズチャンピオンの貫禄を見せつけて3時間55分27秒で優勝しました。2位のメルガリトは2分半差で続きました。3位はエグリでした。女子ではエリサ・デスコ / Elisa Descoが中盤以降にリードを保ち、4時間48分54秒で優勝。リザルトはこちら。あわせて開催されたSanta Caterina Vertical Kilometerでは男子でフィリップ・ゲッツ / Philip Goetsch(イタリア)33分52秒で優勝。女子ではクリステル・デワル / Christel Dewalle(フランス)が40分31秒。それぞれ、バーティカル・キロメーターのそれまでの世界記録を更新することになりました。リザルトはこちら。スカイランナー・世界シリーズは7月8-10日にフランス・バルディゼールのHigh Trail Vanoise(ULTRAカテゴリー)とVK Face de Belle Varde、7月15-17日にイタリアのDolomites Skyrace(SKYカテゴリー)とDolomites VKと続きます。
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最終盤の下りで勝負を決めたタデイ・ピヴィク / Tadei Pivik(手前)。2位のヤン・メルガリト / Jan Mergaritは19歳。© Alessandro Tomiello

6月25日土曜日:Geoje Trail Run

  • Geoje Jimaek Trail Run(70k, 39k, 13k):韓国南部の巨済島(コジェド)で開催。当サイトの得た情報では70km / 5,200mD+で、日本から参加の平田明寛が男子7位、岩楯志帆が女子優勝となった模様です。
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DC Weekly 2023年5月29日 たかやしろ、いながわ里山猪道、Tokyo Grand Trail、OSJ奥久慈、秋吉台、MUT by UTMB、MaXi Race

6月25日土曜日 – 26日日曜日:Western States

  • UTWT-Ultra Trail World Tour logoWestern States(100マイル):アメリカ・カリフォルニア州で開催の伝統の一戦、、Ultra-Trail World Tourの第8戦でした。例年と比べると前年までの優勝者や上位入賞者が少なめとなった今年でしたが、非常にドラマティックな1日となりました。リザルトはこちら。次のUltra-Trail World Tourのイベントは第9戦となるアイガー・ウルトラトレイル / Eiger Ultra Trail(7月16-17日)となります。
    • 男子で序盤をリードしたのはジム・ウォルムズレイ / Jim Walmsley。最近アメリカのローカルレースで上位となって、今年はLake Sonoma 50で大会記録を更新した26歳のウォルムズレイは今回が初めての100マイルへの挑戦でした。このウォルムズレイが2位に1時間以上の差、2012年のティム・オルソン / Tim Olsonの大会記録のペースを30分上回るという驚異的なペースで観衆を驚かせます。ところが残り6マイル半となったところでコースを数マイルにわたってロスト。結局ここからは歩いたり休んだりでのフィニッシュとなり、驚愕のドラマは終わりました。とはいうものの、あまりのハイペースでペーサーが置いて行かれたままとなったり、名所のRucky Chuckの川渡りではロープにつかまらずに泳いだために急流に流されそうになるなど、これからも語り草となりそうなエピソードを残しました。そして観衆を驚かせたのはこの日、優勝したアンドリュー・ミラー / Andrew Millerもでした。その表情に幼さの残る20歳ですが14歳の頃から100kや100マイルを走り始めたミラーは、序盤は20位前後と慎重なスタート。徐々に順位を上げて78マイル地点の川渡りでは2位に浮上していて、最後にはウォルムズレイの失点もあって15時間39分36秒で優勝。後半に向けて脚を温存するスマートな走りでした。2位のディドリク・ヘルマンセン / Didrik Hermansenは昨年のLavaredoで優勝したほか、UTMFでも序盤に快走をみせていたランナー。3位にはこちらもUTMFで3位となっていたジェフ・ブラウニング / Jeff Browning。44歳のブラウニングは100マイルでの粘り強い走りがいつも印象的ですが、今回も後半に向けて着実に先行するランナーを捉えていきました。今回の優勝候補だったセイジ・カナディ / Sage Canadayは17時間16分で11位にとどまり、フランソワ・デンヌ / François D’haeneはケガからのリカバリーのため出場を見送りました。
    • 女子は昨年のチャンピオン、マグダレナ・ブーレ / Magdalena Bouletが序盤にリタイア。レースをリードして優勝したのは昨年の2位だったケイシー・リックタイ / Kaci Lickteigでした。今回の優勝タイムである17時間57分59秒は女子の記録としては歴代4位で、男女総合14位という好記録を残しました。女子の2位には57分差で日本でもおなじみのエイミー・スプロストン / Amy Sproston、3位にはデボン・ヤンコ / Devon Yankoが入りました。

6月26日日曜日:サロマ湖100k、スパトレイル

  • サロマ湖100kmウルトラマラソン(100k / 50k):北海道の人気のロード100kmウルトラマラソン。男子優勝は板垣辰矢 / Tatsuya Itagakiで6時間37分5秒。2位は山内英昭 / Hideaki Yamauchiで2分19秒差でした。3位は高田由基 / Yoshiki Takada。昨年優勝の原良和 / Yoshikazu Haraは6時間45分で6位でした。女子は藤澤舞 / Mai Fujisawaが7時間42分48秒で優勝しました。
  • スパトレイル〔四万to草津〕(72.7k / 38.1k):群馬県四万温泉から野反湖などを経て草津温泉に至る72kmでは宗石和久が6時間56分14秒で優勝。宗石は今年の青梅高水山30kで4位となっていました。2位には18分差で森本幸司、3位は土屋克則、4位に鬼塚智徳、5位が西原隆之でした。女子では8時間41分50秒で宮崎喜美乃が優勝16分差で鈴木美沙都が2位、3位は大庭知子でした。38kは貝瀬淳桑原絵理がそれぞれ男女優勝でした。リザルト速報はこちらから。
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シャン・フージャオ Fuzhao XIANG 向付召 ウルトラトレイルマウントフジ 2023 直前インタビュー

今週末のイベント

7月2日土曜日 – 3日日曜日:びわ湖バレイ、Kilian’s Classikなど

7月2日土曜日:美ヶ原

7月3日日曜日:北丹沢

  • 北丹沢12時間山岳耐久レース(44k):今年が18回目となる日本のトレイルランニングのクラシックイベント。神奈川県の青根緑の休暇村を会場に開催されます。有力選手としてはスカイランニングのレースで今季活躍している秋元佑介のほか、加藤昌文門出康孝吉田賢治名取将大柳澤隼人市川竜太郎石川朋奈後藤豊栗原孝浩がエントリー。女子は大石由美子星野緑大庭知子松井一葉に注目です。
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