本日深夜12時スタート・期間中のダイジェストはD/Cで。トランスジャパンアルプスレース / Trans Japan Alps Race #TJAR2016

2年に一度、日本アルプスを舞台にした壮大な挑戦に日本中の注目が集まる一週間がやってきました。トレイルランニング・ウルトラマラソンのオンラインメディア・DogsorCaravan.com(ドッグスオアキャラバン)では前回2014年大会に続いて、今回のTJARが行われる8日間、毎日のレースのダイジェストをお届けします。

(写真・前回2014年大会でトップの望月将悟が四日目の8月13日水曜日午後に南アルプス・塩見岳を通過。Photo by Shimpei Koseki)

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TJAR-logo

今回のTJARの毎日のダイジェストはトレイルランニングの写真の第一人者からなるフォトグラファー・チーム(藤巻翔 / Sho Fujimaki後藤武久 / Takehisa Goto小関信平 / Shimpei Koseki、、宮上晃一 / Koichi Miyagami)のご協力によりお送りします。

日本海から太平洋まで、北・中央・南の各アルプス(とそれらをつなぐ舗装路)をつなぐ約415km、累積獲得高度27,000mD+を駆け抜けるトランスジャパンアルプスレース / Trans Japan Alps Race(TJAR)は今日、8月6日土曜日深夜12時にいよいよ富山湾に面した早月川河口のミラージュランドでスタート。2002年に4人のランナーが参加(完走は1人)してスタートし、2年に一度の開催で今回8回目となります。

山岳行の豊富な経験と想像を超えた持久力が求められる夢のイベント

必要な装備を背中に背負って、登山道を走るレース、といっても普通のトレイルランニング・レースとは大きく異なります。TJARを他の大会以上に厳しく、そして魅力的にしている3つのポイントをご紹介しましょう。

1. 壮大・テクニカル・忍耐と多様なコース

朝の宝剣山の鎖場を進む西田由香里。Photo courtesy of Sho Fujimaki.

前回2014年大会で朝の宝剣山の鎖場を進む西田由香里。Photo courtesy of Sho Fujimaki.

日本海と太平洋の海岸をつなぐ415kmに含まれる日本アルプスは日本を代表する山岳エリアです。北アルプスの劒岳、槍ヶ岳。中央アルプスの木曽駒ヶ岳、空木岳。南アルプスは仙丈ヶ岳から聖岳と、標高3000mに達する日本の屋根をつなぐトレイルを縦走することは、日本の登山愛好家なら誰もが憧れる壮大なものです。同時に険しい岩場、転落すれば命はない危険箇所は数多く、十分な経験なしには命が危険にさらされます。一方、それぞれの山岳エリアは長い舗装路や林道でつながれていて、スタートから劒岳の登山口(馬場島)までは約30km。上高地に下りてから木曽駒ヶ岳の登山口までは70km弱。そして南アルプスを下りて畑薙からフィニッシュまでは80km以上。距離でいえば全行程の4割を占める長い舗装路は忍耐強さも求められます。

2. セルフサポートにこだわったルール

山の中で必要になるものは自分で用意して携行するのはトレイルランニングの特徴ですが、TJARではこのセルフサポートの要素に強くこだわったルールが設けられています。エイドステーションは設けられず、225km付近の市野瀬のチェックポイントをのぞいては家族や友人からのサポートも認められません。食料や装備のデポバッグが置けるのも市野瀬のみ。補給について他に認められているのは山小屋や食堂での食事や商店での買い物のみ。さらにレース中の宿泊はテントやツエルトを使った露営のみで、山小屋等での宿泊や仮眠は禁止。このためランナーは露営のための装備(ツエルトやマット、シュラフなど)を携行する必要があります。また、コースのマーキングは一切なされていないため、ランナーは指定されたチェックポイントをつなぐルートを自ら判断して進む必要があります。自然の中での自律と自由を尊重するTJARのスピリットは最近人気を高めているファストパッキングとも通じているといえるでしょう。

3. 参加するまでの長く険しいプロセス

そしてTJARで最も特異なのが、参加者を選ぶプロセスです。参加資格を満たした上で、書類選考、選手選考会、さらに定員を超えた場合は抽選。これほど綿密な選考プロセスがあるトレイルランニングレースは世界に類をみません。TJARを目標とすることで山岳で必要とされる体力や経験、知識を次第に身に付けることになることもこの大会の大きな特徴といえるでしょう。

コース上では南アルプス山中の最後の営業小屋となる横窪沢小屋の木村さんと握手する大原倫。Photo by Sho Fujimaki

前回2014年大会。コース上では南アルプス山中の最後の営業小屋となる横窪沢小屋の木村さんと握手する大原倫。Photo by Sho Fujimaki

今回2016年大会に出場する29人

他にない独自の特徴をもつTJARは、「レース」を超えた存在だといえるでしょう。30人という参加ランナーの数の少なさもあって、TJARの様子を追っていると他のレース以上に先頭から最後まで全てのランナーの存在が際立ちます。

過去の3大会連続で完走、優勝し、この大会での活躍を通じて多くのファンを集めるTJARの顔ともいえる望月将悟が今回四連覇を果たすか。前回出場の15人、女性出場者の二人、初出場の13人など、今回出場する32歳から56歳までの29人は次の通りです(ナンバーカード順)。

3回目のトランスジャパンアルプスレース優勝の望月将悟。Photo by Sho Fujimaki.

前回2014年大会で3回目のトランスジャパンアルプスレース優勝の望月将悟。Photo by Sho Fujimaki.

  1. 斉藤聡之(32歳・男性、東京)
  2. 吉藤剛(33歳・男性、神奈川)
  3. 松浦和弘(33歳・男性、神奈川)2014完走 2012完走
  4. 江口航平(34歳・男性、京都)2014リタイア
  5. 朽見太朗(34歳・男性、東京)2014完走
  6. 佐幸直也(34歳・男性、徳島)2014完走
  7. 米田英昭(35歳・男性、栃木)2014完走
  8. 柏木寛之(35歳・男性、埼玉)2014完走
  9. 渡部祥(36歳・男性、富山)
  10. 大原倫(36歳・男性、神奈川)2014完走
  11. 仙波憲人(37歳・男性、福井)2014リタイア
  12. 船橋智(37歳・男性、神奈川)2014完走 2012完走 2010完走
  13. 望月将悟(38歳・男性、静岡)2014完走 2012完走 2010完走
  14. 雨宮浩樹(38歳・男性、岐阜)2014完走
  15. 栗原葉子(38歳・女性、千葉)
  16. 桑山史朗(39歳・男性、千葉)
  17. 石田賢生(39歳・男性、静岡)2014完走 2012リタイア 2010リタイア
  18. 村上貴洋(39歳・男性、兵庫)
  19. 恵川裕行(40歳・男性、三重)
  20. 田中尚樹(41歳・男性、神奈川)2014リタイア 2012完走 2010リタイア
  21. 紺野裕一(41歳・男性、千葉)2014完走 2010完走 2008完走
  22. 男澤博樹(43歳・男性、宮城)
  23. 玉置千春(43歳・女性、東京)
  24. 内山雄介(45歳・男性、東京)
  25. 新藤衛(48歳・男性、大阪)
  26. 岩崎勉(49歳・男性、大阪)2014リタイア 2012完走 2006完走
  27. 北野聡(49歳・男性、長野)2012完走
  28. 岡田泰三(52歳・男性、神奈川)
  29. 竹内雅昭(56歳・男性、福井)
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TJARのコースと通過予定時刻

TJARのコースの概要は大会ウェブサイトで紹介されています。以下では2012年大会のコースとしてルートラボ / LatLongLabに公開されているマップをご紹介します(2014年大会では初日に台風の影響でコースが一部変更されています)。

上記のルートマップをもとに当サイトが作成した主要な通過ポイントと距離等をまとめた一覧は以下の通りです(地図上での通過ポイントの同定は当サイトが行ったほか、前々回2012年大会のトップ通過タイムは大会ウェブサイトの速報をもとに当サイトがまとめたものです)。
TJAR-Table

大会中の速報・レポートなど

前回大会と同様に、大会期間中は大会サイトの「選手紹介」のページで各ランナーのチェックポイントの通過状況、本人からの状況報告、応援されている方からの各選手の情報がアップデートされる模様です。

中央アルプス・空木岳にて山本寛人。Photo by Takehisa Goto.

前回2014年大会の中央アルプス・空木岳にて山本寛人。Photo by Takehisa Goto.

また同じく大会サイトのTJAR 2016 GPSトラッキングのページでは各ランナーが携帯しているGPS端末から発信される情報をもとに全選手の現在位置がリアルタイムで把握できるマップが掲載される見込みです。
当サイトでも上記の大会サイトの情報をもとに毎日のレースのダイジェストをお届けする予定です。

参考

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