DC Weekly 2019年4月16日 – Lake Sonoma、MDS、Penyagolosa、Patagonia Run、Istria、FunTrails名栗など

海外ではサハラマラソン Marathon des Sablesが閉幕。アメリカでウェスタンステイツへの出場権をかけたLake Sonoma 50が行われたほか、Ultra-Trail World Tourは3つの大会が今週末に開催。国内でも名栗、善光寺、最上稲荷などが開催されました。今週末はミグラン・スカイランナー・ワールドシリーズの開幕戦として日本で開催される粟ヶ岳バーティカルキロメーター、粟ヶ岳スカイレースが新潟県三条市で行われます。世界のスカイランニング・ファンが注目するこの大会を、DogsorCaravanは現地からレポートします。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーも2019年中の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

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(写真・FunTrails Round 名栗トレイルランレース in飯能のスタート。Photo by (c) 計測工房)

先週末のイベント

4月5日金曜日 – 15日月曜日:MDS

  • Marathon des Sables (250km/5days):モロッコ南部のサハラ砂漠で開催される6つのステージからなるステージレースで今年の累計距離は226km。コースは毎年少しずつ異なりますが、フォーマットは今年も例年に倣う形でした。すなわち、日曜日の第1ステージは比較的平坦で走りやすい32km。月曜日の第2ステージは砂と岩の山を越える32km、火曜日の37kmの第3ステージと続きます。続く第4ステージは水曜日から木曜日の一昼夜にまたがるロングステージの76km。そして金曜日の第5ステージの42kmでタイムを計るレースは終了。翌土曜日の第6ステージの6kmはチャリティステージ。参加選手は第6ステージを終えると大会が提供する食事のあと、バスでワルザザートの街へ移動し、ホテルで疲れを癒すことになり、月曜日にパリなどに戻る飛行機に乗ります。レースの結果は今年もラシッド・エルモラビティ Rachid El Morabityが男子のレースを計18時間31分で優勝。ラシッドは7回目の優勝。近年、兄のラシッドに続いて2位となっているモハメド・エルモラビティ Mohamed El Morabityは計18時間39分で今回が3回目の2位。兄弟はほぼ並んで先頭を走り、最終盤で弟が譲るかのようにして兄がトップでフィニッシュという展開でした。3位はこちらもモロッコのアブデルアジズ・バグハーザ Abdelaziz Baghazzaで計19時間21分。女子はラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ、スペイン在住)が全てのステージで女子のレースをリードして計22時間22分、男女総合12位で優勝。モロッコのアジザ・ラジ Aziza Rajiが25時間17分、イギリスのジェンマ・ゲーム Gemma Gameが26時間4分でそれぞれ2位、3位でした。日本から参加した皆さんも25人が完走しています。リザルトはLiveTrailのウェブサイトから。
今年のMDSより。Photo by Cimbaly / V. Campagnie

今年のMDSより。Photo by Cimbaly / V. Campagnie

4月12日金曜日 – 14日日曜日:Penyagolosa, Istria, Patagonia, Buffalo, Zion

  • Penyagolosa Trails (115k, 63k): スペインのカステリョー・デ・ラ・プラーナ Castelló de la Planaで開催、115kmのCSPがUltra-Trail World Tourのシリーズ戦でした。男子はエルネスト・オーシロ Ernest Ausiroが11時間56分で優勝。クリストファー・クレメンテ Cristofer Clementeが12時間0分で2位、ラモン・ラカタラ Ramon Recatalaが12時間20分で3位となり、上位はスペイン勢が独占でした。女子ではこの大会で優勝経験のあるヘマ・アレナス Gemma Arenas(スペイン)が14時間13分で優勝。2位のテッサ・チェサー Tessa Chesser(アメリカ)は15時間36分、3位のアンヘルス・センテレス Angels Centelles(スペイン)は15時間43分とアレナスからは1時間以上の差となりました。リザルトはこちら
Penyagolosa Trails CSPで優勝のエルネスト・オーシロ Ernest Ausiro。Photo by Penyagolosa Trails

Penyagolosa Trails CSPで優勝のエルネスト・オーシロ Ernest Ausiro。Photo by Penyagolosa Trails

  • 100 Miles of Istria Ultra-Trail (100m / 110k / 69k / 42k): クロアチア東部の町、ウマグを拠点に開催。100マイルのコースは+7,120mD+。冷たい雨や雪というコンディションの中で、男子のレースを制したのは大瀬和文 Kazufumi Oseで18時間38分。2位には17分差の18時間55分でグレゴワール・キュルメール Gregoire Curmer(フランス)、3位はルカ・ネグリ Luca Manfredi Negri(イタリア)で19時間30分。スタートラインに立った選手の中に有力選手は少なく、そのうちのアントワーヌ・ギュイヨン Antoine Guillon(フランス)が終盤に順位を落とすという中で、大瀬は手堅くリードを守ってUltra-Trail World Tourシリーズ戦での初優勝となりました。2月の9 Dragons 50/50ではジュリアン・ショリエ 、3月のTranslantau 100kではギュイヨンをそれぞれ制して優勝している大瀬はいい勢いに乗って今シーズンをスタートしています。女子は昨年のこの大会で2位のKatja Kegl Vencelj (スロベニア)が23時間16分で優勝。フェデリカ・ボイファバ Federica Boifava(イタリア)が24時間25分、ダリーア・ボドナル Dariia Bodnar(ウクライナ)が24時間46分で3位でした。リザルトはこちら
  • Patagonia Run (100m, 100k, 70k, 42k, 21k, 10k): パタゴニア、アンデス山脈で開催。Ultra-Trail World Tourのシリーズ戦となった100マイルはパウ・カペル Pau Capell(スペイン)が19時間8分で後続との差は3時間という大差でした。2位のセルジオ・ペレイラ Sergio Pereyra(アルゼンチン)は22時間20分、3位のクリスティアン・オグリー Krystian Ogly(ポーランド)は23時間20分でした。女子はカロリーヌ・セベール Caroline Sebert(フランス)が25時間48分で優勝。アルゼンチンのタニア・ディアス Tania Diazが2位、ベロニカ・ラミレス Veronica Ramirezが3位でともに26時間25分。リザルトはこちら
  • Buffalo Stampede (75k, 42k, 20k, Grand Slam): オーストラリア・ビクトリア州のマウントバッファロー国立公園で開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
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4月12日金曜日 – 13日土曜日:Zion

  • Zion Ultra (100m, 100k, 50k, 21k): アメリカのユタ州、ザイオン国立公園で開催。リザルトはこちら

4月12日金曜日 – 13日土曜日:Mt. Apo

  • Asia_Trail_Master Mt Apo Sky Race (100k, 50k, 25k): フィリピン・ダバオの郊外にそびえるアポ山(2,954m)で開催、Asia Trail Masterのシリーズ戦でした。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

4月13日土曜日:Lake Sonoma, Bull Run Run, 善光寺

  • Lake Sonoma 50m: アメリカ、カリフォルニア州のソノマ湖周辺のトレイルで開催される50マイル。男子は23歳のジャレド・ヘイゼン Jared Hazenがレースをリード、6時間8分で優勝。このレースで歴代3位の好タイムでした。2位にフランスのセバスチャン・スペーラー Sebastien Spehlerが6時間15分、3位にイギリスのトム・エバンス Thomas Evansが6時間16分。女子はアンナ・ミー・フリン Anna Mae Flynnとこの大会で2度優勝しているイオウ・ワン YiOu Wangが競り合う形ですすみますが、最後にフリンがリードしてわずか17秒差でこの大会を制しました。タイムは7時間25分。女子三位はアディー・ブレイシー Addie Bracyで7時間28分。リザルトはこちらGolden Ticket Raceの第4戦でウェスタンステイツへの出場権を得たのは男子優勝のヘイゼンと男子4位のステファン・ケルシュ Stephen Kersh(2位のスペーラーは辞退、3位のエバンスは既に出場権獲得済み)、女子優勝のフリンと3位のブレイシー(2位のワンは既に獲得済み)でした。Golden Ticket Raceは4月27日のThe Canyons 100k(カリフォルニア)が最終戦です。
  • Bull Run Run 50: アメリカ、ワシントンDC郊外のバージニア州クリフトンで開催。今回が27回目となる大会。リザルトはこちら
  • 善光寺ラウンドトレイル (18K): 長野市。18kmのレースを制したのは城武雅 Masashi Shirotakeで1時間33分。2位に尾田賢典 Yoshinori Odaが続いて1時間24分。3位は横内佑太朗 Yutaro Yokouchiで1時間36分でした。女子はクイーン2人の対決となり、高村貴子 Takako Takamuraが1時間47分で優勝。5分差で吉住友里 Yuri Yoshizumiが1時間52分で2位でした。3位は中園真理亜 Maria Nakazonoで2時間5分。リザルトはこちら
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4月14日日曜日:白馬八方尾根、FunTrails名栗、希望が丘、ダイトレ、最上稲荷、多良の森

  • 白馬八方尾根大バーティカルレース(スキーマウンテニアリング): 長野県の白馬・八方尾根で開催されるスキーマウンテニアリングの大会です。今回出場者を集めたのは本格的なスキーモーのスタイルである、登って下るインディビデュアルだったようです。インディビデュアルの優勝は星野和昭、2位に小寺教夫、3位に遠藤健太。女子は星野緑が優勝で、滝澤空良渡邉ゆかりが2位、3位に続きました。リザルトは大会のフェイスブックページから。
  • FunTrails Round 名栗トレイルランレース in飯能(25.9k, 7.6k): 埼玉県飯能市。名栗湖畔や棒ノ嶺などを通る周回ルートがコースですが、25.9kmの大回りコースは残雪と凍結のためコースを変更して、7.6kmの小回りコースを2周することとなりました。短くなった「大回り」コースの男子優勝は加藤晟人で1時間26分17秒。2位は26秒差で田中聖土、3位はその4秒後にフィニッシュした鈴木龍弥。4位には町田知宏(1時間28分)、5位は小林彰人(1時間28分)、6位に服部一輝(1時間29分)と上位はタイトなレースでした。リザルトはこちら
  • 希望が丘トレイルランニングレース(21km): 滋賀県野洲市の希望が丘文化公園で開催。リザルトはこちら(掲載され次第リンクします)
  • 大阪府チャレンジ登山大会: 大阪、奈良の府県境となるダイヤモンドトレイルの36kmで行われる大会。男子では来週のUTMFを控えた土井陵が3時間24分で優勝。2位に小寺晃弘(3時間32分)、3位に中根孝太(3時間32分)。小寺と中根の差はわずかに5秒でした。女子は錦織美智子が4時間36分で優勝、2位に山本可奈子(4時間40分)、3位が三浦直美(4時間43分)でした。リザルトはこちら
  • 最上稲荷トレイルランレース(20k, 11k): 岡山市の最上稲荷(さいじょういなり)を会場として周囲の里山をつなぐコースで開催。ロングコースでは富岡純平(1:42)、川村明子(2:03)、ショートコースでは二川浩司(0:59)、川井幹子(1:16)がそれぞれ男女のレースで優勝しています。リザルトはこちら
  • 多良の森トレイルランニング(40k, 19k): 長崎県大村市。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

今週末のイベント

4月19日金曜日 – 21日日曜日:Iznik

  • Iznik Ultra (162k, 88k, 56k, 35k, 20k):・ブルサ県の湖畔の町、イズニックを拠点に開催。今年はついに一番長いレースが100マイルになりました。イズニック湖の周囲のオリーブ畑やトルコの小さな街をめぐって一周するコースです。

4月20日土曜日 – 21日日曜日:粟ヶ岳、Tsaigu、TNF100 Taiwan

  • 粟ヶ岳レース Mt. Awa Race (VK, 33km): 新潟県三条市。土曜日のバーティカルキロメーターはバーティカルキロメーター・ワールドサーキット Vertical Kilometer World Circuit、日曜日のスカイレースはミグラン・スカイランナー・ワールドシリーズ MIGU RUN Skyrunner World Seriesのそれぞれ開幕戦となっており、欧州のトップ選手が揃って来日する注目のイベントとなります。当サイトのプレビューはこちら。DogsorCaravanでは現地から会場の模様や結果をライブでお伝えする予定です。
  • Asia_Trail_Master Ultimate Tsaigu(110k、80k、50k):中国・浙江省の臨海市で開催。110kmの累積獲得高度は約7,000mD+というタフなコース。Asia Trail Masterの大会です。今年で5回目とまだ比較的新しい大会ながら、中国のトップ選手が集まるハイレベルな大会となっています。80kmのレースにはチー・ミン Min Qi、ドー・ジー Ji Duo、デン・ゴーミン Guomin Deng、50kmにはジア・エレンジャ Erenjia Jia、シェン・ジャーシェン Jiasheng Shen、女子でヤオ・ミャオ Miao Yao、シャン・フージャオ Xiang Fuzhao、110kmにはロー・カンファ Canhua Luo、リャン・ジン Jing Liangなど。翌週のUTMFにエントリーしている選手もいるので、DNSとせずに出場すれば翌週のレースには当然影響するでしょう。アメリカからはヘイデン・ホークス Hayden Hawksが80kに、日本からは長田豪史 Goshi Osadaが110kにエントリーしています。
  • The North Face 100 Taiwan (100k, 50k, 20k, 10k, 5k): アジアのトレイルランニングのシリーズ戦、The North Face 100の大会で台湾・新北市で開催されます。今年は100km(102.2km 5750mD+)のレースが復活しました。
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4月20日土曜日:Korea 50K

  • Korea 50k (80k, 50k, 25k, 10k):韓国・ソウル近郊の東豆川(Dongucheon)市で開催。日本からは招待選手として田中”JR”裕康 Hiroyasu Tanaka反中祐介 Yusuke Tannakaが出場します。このほか、韓国からはシン・ジェドク Jaeduk Sim、キム・ジスプ Jisup Kim、香港在住のブライアン・マクフリン Brian McFlynn(アイルランド)、フランスのクリストフ・ルソー Christophe Le Sauxがエントリーしています。

4月21日日曜日:奥武蔵もろやま、東丹沢宮ヶ瀬、富士五湖、さくらおろち湖、平尾台

  • 新緑の奥武蔵もろやまトレイルラン(23.7km/13km):埼玉県毛呂山町で開催。今年もスポーツエイドジャパンが開催する3つの大会からなる「新緑の奥武蔵 トレイルランシリーズ 2019」の開幕戦です。
  • 東丹沢・宮ヶ瀬 トレイルレース(32k):神奈川県・宮ヶ瀬湖畔から東海自然歩道最高点の姫次(ひめつぐ)まで行って帰ってくるコース。東丹沢・宮ケ瀬、道志村、八重山、北丹沢の4大会からなるNESチャンピオンシップの開幕戦です。注目の有力選手では谷允弥、名取将大、小林彰人、中川大輔、石川朋奈、町田知宏、岩井竜太、吉田賢治がエントリーしています。
  • チャレンジ富士五湖 ウルトラマラソン(118km、100km、71km):富士五湖をつなぐコースで行われる人気のウルトラマラソンです。なお、 先週に主催者から「富士五湖ウルトラ2019106日に開催決定」との発表がありました。これが毎年4月の「チャレンジ富士五湖」が開催時期を移すことを意味しているのか、新しく秋にも大会が開催されるのかは明らかにされていません。この点が明らかになり次第お伝えします。
  • さくらおろち湖トレイルラン大会:島根県雲南市、奥出雲町。今回が7回目の開催。
  • 北九州・平尾台トレイルランニングレース(40k/17k):福岡県北九州市。北九州国定公園・平尾台のカルスト地形の美しい景観の中のコースを走ります。昨年は荒天のため、コースを短縮して開催されました。

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