DC Weekly 2019年5月20日 – Ultra-Trail Australia、Skyrace des Matheysins、TOGA天空、経ヶ岳、野辺山、ひろしま恐羅漢

海外ではフランスで開催されたスカイランナー・ワールドシリーズのレースがドラマティックな展開となりました。国内では各地で大会が開催されています。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーも2019年中の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

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(写真・Ultra-Trail Australiaの50kmのレースで2位のLucy Bartholomew。Photo courtesy of Ultra-Trail Australia)

トレイルランニング関連ニュース

  • 4つ目の「by UTMB®︎」のレースが2020年7月にピレネーで開催:UTMB®︎が世界の大会主催者と提携して開催する「by UTMB®︎」の新たな大会として、「Val d’Aran by UTMB®」がスペインのピレネー山脈において開催されることが発表されました。Val d’Aran(アラン谷)はスペイン・カタルーニャ北西部にあり、Buff Epic Trailの開催されるエリアに隣接します。大会は2020年7月に開催されますが、詳細については今年8月のUTMB®︎の開催される週に発表されます。「by UTMB®」のレースはGaoligong(中国)、Oman、Ushuaia(アルゼンチン)に続いて4つ目。先日はUTMB®のエントリーにおいて「by UTMB®︎」のレースを完走すると大きく優遇されることが発表されています
Photo by UTMB®︎ International

Photo by UTMB®︎ International

先週末のイベント

5月16日木曜日 – 18日土曜日:Ultra-Trail Australia

  • Ultra-Trail® Australia (100k / 50k): オーストラリア・シドニーの郊外にあるブルーマウンテンズ国立公園で開催。Ultra-Trail World Tourの第10戦となっていた100kmを制したのは昨年のTDS®︎優勝のマルチン・スビレク Marcin Swierc(ポーランド)。レース前半はブラド・シャトロフ Vlad Shatrov(オーストラリア)がリードしたものの故障でリタイア。スビレクが9時間31分で勝利を手にしました。2位になったのはこの大会が12年前に始まってから欠かさず完走しているというジョナサン・オラフリン Jono O‘Loughlin(オーストラリア)で9時間42分。3位はモーガン・リンドクビスト Morgan Lindqvist(オーストラリア)で9時間43分でした。女子優勝はエイミー・ランプレヒト Amy Lamprecht(オーストアリア)で11時間3分。2位にアンジェリーク・プレイリー Angelique Plaire(ニューカレドニア)が12時間5分。3位がエンマ・ロカ Emma Roca(スペイン)で12時間14分。4位にフィオナ・ヘイビス Fiona Hayvice(ニュージーランド)で12時間15分でした。リザルトはこちら。UTWTの次のレースは第10戦のmozart 100(オーストリア)の112kmのレースで6月15日開催です。【追記 女子のリザルトを修正しました。2019.05.20】

5月17日金曜日:Bryce Canyon

  • Bryce Canyon Ultra (100/50/50k/21k): アメリカ・ユタ州で開催の100マイルなどのレース。リザルトはこちら

5月18日土曜日:TOGA天空、奥多摩、経ヶ岳、TNF100 Koreaなど

  • RedBull 400:札幌・大倉山ジャンプ競技場で開催されたスキーのジャンプ台の距離400m、最高斜度37度を駆け上がるという大会。男子決勝は上田瑠偉 Ruy Uedaが3分23秒で優勝を手にしました。2位に渡辺良治 Ryoji Watanabeが3分32秒。女子決勝は立石ゆう子 Yuko Tateishiが4分47秒で優勝、準優勝は安ヶ平萌子 Moeko Yasugahiraで4分56秒でした。男女それぞれで優勝した上田、立石は7月13日にカナダ・ウィスラーで開催される世界選手権に招待されます。
  • TOGA天空トレイルラン(40.5k, 31.6k, 13.9k, 8.8k): 富山県南砺市利賀村。急峻な渓谷に位置する利賀村をで開催される大会。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • 奥多摩(日原)トレイルラン大会(37k/10k):東京・青梅市の永山公園を起点に高水三山、棒の峰などを経て日原へと至るコース。NPO野外活動(自然体験)推進事業団が主催する大会です。大会は最小催行人数を満たせなかったことから5月7日に中止と発表されていました。
  • 経ヶ岳バーティカルリミット(21K、12K):長野県南箕輪村。中央アルプスの一角をなす経ヶ岳の山頂まで往復するというシンプルながらハードなレースですが、21kmのロングのレースは山頂エリアの残雪のため、9合目手前分岐から下りへ向かう19kmのコースに変更して開催されました。男子は近藤敬仁 Yoshihito Kondoが2時間4分で優勝、宮川鉄也 Tetsuya Miyagawa(2時間5分)、岩井竜太 Ryuta Iwai(2時間6分)が2位、3位で続きました。女子は高村貴子 Takako Takamuraが2時間18分で優勝、約13分弱の差で吉住友里 Yuri Yoshizumiが2位、3位は田中真紀 Maki Tanaka(2時間40分)でした。リザルトは大会ウェブサイトから。
経ヶ岳バーティカルリミットのスタート(写真 (c)計測工房)

経ヶ岳バーティカルリミットのスタート(写真 (c)計測工房)

  • The North Face 100 – Korea (100k, 50k, 10k):韓国・江陵(カンヌン)の鏡浦湖(キョンポホ)で開催。100km男子は12時間21分でシン・ジェドク Jaeduk Simが優勝、ソン・ジェヨン Jaeyoung Song(12時間46分)、ノ・ヘソン Heeseong Noh(14時間27分)がトップ3に。女子はジョアンナ・クリュク Joanna Kruk(オーストラリア)が16時間1分で優勝、2位に渡辺まゆみ Mayumi Watanabe(16時間22分)、3位にアビバ・ベナメド Habiba Benahmed(フランス)。50kmはキム・ジスブ Jisub Kim(4時間23分)、パク・スージ Sooji Park(5時間31分)がそれぞれ優勝しています。リザルトはLiveTrailから。
  • North Downs Way 50m: イギリス・イングランドのロンドン南郊で開催される50マイルのトレイルランニングレース。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • Transylvania 100k (100k, 50k, 30k, 20k): ルーマニアで開催。「ドラキュラ」に登場する城のモデルとされるブラン城をスタート・フィニッシュとするコース。リザルトはこちら
  • Massanutten 100: アメリカ・バージニア州で開催の100マイルトレイルレース。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
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プロローグ女子はマダリナ・フロレアが勝利、ランキング首位のソフィア・ラウクリが2位に。リザルト・Golden Trail World Series Grand Final 第一日

5月19日日曜日:信夫山、飯能アルプス、野辺山、Kobo、恐羅漢、Matheysins

  • 信夫山パークランニングレース(15k, 5k, 3k): 福島市の中心に位置する信夫山をコースに街とトレイルの両方を楽しめるイベントとして開催されます。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • 飯能アルプス~奥武蔵丸山スーパートレイルラン(37km) : リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • 星の郷八ヶ岳野辺山高原 100kmウルトラマラソン(100k / 71k / 42k):長野県・野辺山を会場に開催されるロードのウルトラマラソン。100kmのコース前半にある南八ヶ岳林道のセクションが昨年の台風の影響で復旧に時間を要することからコースは山麓部を通るコースに変更されました。100km男子は昨年3位だった間宮秀幸が7時間40分で優勝。2位に吉田隆太(7時間56分)、3位にこの大会で2014年、2015年に優勝している原良和が入りました(8時間8分)。女子は2015年にこの大会で優勝の楠瀬祐子が9時間11分で優勝、2位に昨年優勝の林絵里(9時間19分)、3位に昨年4位の丸山有紀(9時間54分)。71kmは坂口享(5時間18分)、山内菜摘(6時間38分)、42kmは赤間比呂志(2時間54分)、太田美紀子(3時間16分)がそれぞれ優勝しています。リザルト(速報)はこちら
  • Kobo Trail(55.7k/43.2k): 奈良県の金峯山寺と金剛峯寺を繋ぐ55.7kmの「弘法大師の道」をコースとして開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • ひろしま恐羅漢トレイル in 安芸太田(65k / 22k) : 広島県安芸太田市。島根、広島の両県にまたがる恐羅漢(おそらかん)山で開催される65km、3,720mD+。スカイランニング地域選手権の西日本選手権でした。男子は城武雅 Masashi Shirotakeが優勝しています。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • Skyrace des Matheysins (27km) : フランス・グルノーブルの南30kmの山岳エリア、メチエジンで開催。MIGU RUN Skyrunner World Seriesに初めてラインナップされて第4戦となったレースに30カ国の450人が集まりました。雪の中の厳しいコンディションで開催された中、女子はロシアのエレナ・ルキアーダ Elena Rukhliadaが終始リードして2時間57分5秒で優勝、後続との差は6分という大差でした。2位にはヒラリー・ジェラルディ Hillary Gerardi(アメリカ)が3時間3分23秒で続き、 3位はケイティ・シード Katie Schide(アメリカ)で3時間5分23秒でした。男子のレースは昨年来シリーズで活躍するオスカー・ミール Oscar Casal Mir(アンドラ)とオリオル・カルドナ Oriol Cardona(スペイン)が出場を見送り。Transvulcaniaで優勝して注目を集めたばかりのティボー・ガリビエ Thibaut Garrivier(フランス)は今回6位という結果に。レースはワールドシリーズに新たに登場した選手たちを中心に争われました。序盤をリードしたのは20歳のテオ・デティエン Theo Detienne(フランス)、ロク・ブラティナ Rok Bratina(スロベニア)、バルトロミ・プレドボジェスキ Bartlomiej Przedwojewski(ポーランド)の3人。しかし、テクニカルな稜線上に上がるとニック・エルソン Nick Elson(カナダ)が3人を抜き去り首位に。しかし、終盤の下りに入るとエルソンはリードを失って結局プレドボジェスキが2時間35分10秒で優勝。わずかに33秒差でデティエンが2位、デティエンに1分足らずで3位にブラティナがフィニッシュ。エルソンは4位でした。次のワールドシリーズの第5戦は6月1日のMadeira Skyraceとなります。
女子優勝のエレナ・ルキアーダ Elena Rukhliada(ロシア) Photo courtesy of ©MRSWS / Roger Salanova

女子優勝のエレナ・ルキアーダ Elena Rukhliada(ロシア) Photo courtesy of ©MRSWS / Roger Salanova

今週末開催のイベント

5月20日月曜日 – 24日金曜日:Dragons Back

  • Dragons Back Race : イギリス・ウェールズで開催の山岳コースのステージレース。五日間、5つのステージからなるコースは2年前に開催された前回大会と同様の合計315kmで累積獲得高度15,500mD+で、ウェールズ北部のコンウェイ Conwyから南部のランデイロ Llandeiloに向かいます。1992年に一度だけ開催された伝説のレースが2012年に復活。その後、2015年と2017年に開催され、今回が復活してから4回目の開催です。レースのライブトラッキングはこちらから。【追記 この項目を加えました。2019.05.20】
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DC Weekly 2023年6月19日 OSJ山中温泉、HOTAKA SKYRUN、三原白竜湖、mozart 100、Broken Arrow

5月24日金曜日 – 26日日曜日:Bhutan

  • Bhutan – The Last Secret (200k, 6 stages): ブータンで開催される200km、6ステージのステージレースで約50人が参加します。

5月24日金曜日 – 25日土曜日:Azores、MaXi Race

  • Azores Trail Run (125k, 65k, 42k, 25k, 10k, VK): 北大西洋のアソーレス諸島(ポルトガル)で開催されるトレイルランニング・イベント。Ultra-Trail World TourのDiscovery Raceともなっています。
  • Salomon Gore-Tex MaXi-Race (110k, 86k, 42k, 15, VK): フランス・アヌシー Annecyをメイン会場に開催されるトレイルランニングのビッグイベント。2011年の第一回大会から続く85kmのレースはアヌシーからアヌシー湖をぐるりと回る形で周囲の山々を走ります。117kと85kのそれぞれについて二日間のステージレースが行われたり、リレーのレースが行われたり、女性のみのレースが行われたりと、この週末には11のレースが行われます。
    • 24日金曜日のショート・16km 950mD+のレースは今年のMountain Running World Cupの開幕戦となっています。男子ではアンディ・ワッカー Andy Wacker(アメリカ、昨年のPikes Peak Marathonで2位)、ロバート・パニンRobert Panin Purum(ケニア、昨年のSierre-Zinalで3位)、ベルナルド・デマテス Bernard Dematteis(イタリア、昨年のW杯年間4位)などが参戦。女子は昨年のW杯チャンピオンのルーシー・ワンブイ Lucy Wambui Murigi(ケニア、昨年のSierre-Zinalで優勝)、サラ・マコーマック Sarah Maccormack(アイルランド、昨年のW杯3位)が注目されます。
    • 同じ金曜日の深夜0時に開催の115km 7000mD+の「ウルトラレース」にはフランソワ・デンヌ François D’haene(フランス)が参戦。4月末にMIUTで優勝したばかりですが、この大会で2017年に続く優勝を狙います。この他、ジェイソン・シュラーブ Jason Schlarb(アメリカ)、ドナルド・キャンベル Donald Campbell(イギリス)、大瀬和文 Kazufumi Ose(日本)もエントリーしています。女子は2017年のこの大会のチャンピオン、カロリーヌ・シャヴェロ Caroline Chaverot(フランス)のほか、イルディコ・ベルミシャー Ildiko Wermescher(ハンガリー)、デニス・ジンマーマン Denise Zimmerman(スイス)。【追記 有力選手について追記しました。】

5月25日土曜日 – 26日日曜日:石井マウンテンマラソン

  • 石井マウンテンマラソン・東伊豆(2days, 5hrs/4hrs, rogaining): 静岡県東伊豆町。二日間のステージレース形式で「OMM」に沿ったスコア、ストレートなどの競技クラスが設けられます。
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DC Weekly 2023年5月1日 Canyons、Calamorro、Korea 50K

5月25日土曜日:比叡山、ベトナム、オスロ

  • Mt.Hiei International Trail Running Race (50k、50mile): 滋賀県大津市の比叡山で開催。比叡山の根本中堂をスタート、フィニッシュするコース。昨年から設けられた50マイル(80km)は制限時間が11時間30分とややタイトな上級者向けレースとなっています。
  • Asia_Trail_Master Vietnam Jungle Marathon (70k, 55k, 42k, 21k): ベトナム・ハノイの南140kmにあるプーロン自然公園で開催。観光客が訪れることのない昔ながらの農村をつなぐコースです。こちらもAsia Trail Masterの大会。
  • Eco Trail Oslo (80k, 50k, 31k, 21k, 10k): ノルウェー・オスロで開催。オスロの中心部をスタートして近郊のトレイルをぐるりと一周して戻ってくるというコースです。

5月26日日曜日:カムイの杜、櫛形、たかやしろ、比婆山、宮崎鏡洲

  • カムイの杜トレイルラン(42k, 23k, 10k, 5k):北海道旭川市神居富沢で開催。
  • Kushigata Wind Trail (31k, 18k):新潟県胎内市。日本一小さな山脈・櫛形山脈で開催、という謳い文句からすると想像以上に厳しいコースと評判の大会です。ゲストランナーには山本健一、三浦裕一、高橋和之。
  • たかやしろトレイルランニングレース(12k):長野県の木島平スキー場で開催。インサイドアウトスキークラブが主催する2007年から続く大会です。
  • 比婆山国際スカイラン(18.5k, 9k):広島県庄原市西城町の県民の森を会場に比婆山連峰をコースとして開催。広島県山岳・スポーツクライミング連盟が主催する今年で26回目の開催。
  • 宮崎鏡洲の森トレイル(20k, 13k, 10k):宮崎市鏡洲の宮崎自然休養林で開催、今回が6回目の開催です。

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