伊藤勇矢さん・日本から大会公式メディカルトレーナーとして3回目のUTMBへ・私とUTMB®︎ 第三回【PR by Columbia】

今年は日本から例年より多い300人以上が参加するUTMB®︎。そのUTMB®︎の大会受付会場やエイドステーションで大会スタッフの一人として選手の身体のコンディショニングやケアに当たるのが伊藤勇矢 Yuya Itoさんです。神戸でいとう鍼灸整骨院の院長として日々の治療にたずさわる伊藤さんが、UTMB®︎のスタッフの中で日本から参加する唯一のメディカルトレーナーとして大会を支えるようになったのは2年前の2017年から。今年も3回目のUTMB®︎のためにまもなくシャモニーへ向かう伊藤さんにお話を聞きました。

日本からただ一人の大会公式メディカルトレーナーとして今回で3回目に

伊藤勇矢さん:いとう鍼灸整骨院院長。柔道の名門・報徳学園高で稽古中の大ケガから整骨院での治療で復活した経験を持つ。自身の整骨院の他にもスポーツトレーナーやセミナー講師としても活躍。柔道やサイクリングのほか、週末にはキャンプやトレイルランニングを楽しむアウトドア派。

DogsorCaravan(以下DC):UTMB®︎に選手として参加する日本人はたくさんいますが、大会スタッフとして参加する方は少ないと思います。UTMB®︎ではどんなお仕事をされるんですか?

伊藤勇矢さん:私は柔道整復師、はり師、きゅう師の国家資格を持っていて神戸で整骨院を開業しています。そうした知識と経験からUTMB®︎には大会メディカルトレーナーとして参加します。レース中はエイドステーションのメディカルサポートとしてプドゥロゲ(podoxygene、足裏の裂傷など足のトラブルを専門とする足病医)の方と協力しあいながら、フィジオセラピストとして完走を目指す選手の皆さんをサポートします。今年は170kmのUTMB®︎がスタートした翌日の土曜日は朝から深夜までぶっ続けでサポートする予定です。選手の皆さんは私を見かけたらぜひ気軽に相談していただけたら、と思います。

UTMB®︎のエイドステーションで選手のケアに当たる伊藤勇矢さん。

UTMB®︎のエイドステーションで選手のケアに当たる伊藤勇矢さん。

レース前やフィニッシュ後の会場にもフィジカルケアのブースが設けられていて、選手の皆さんはその場でコンディショニングを受けることができます。このほか、レース前や終わってからのオフの時間にも、予約していただければ日本で行なっているのと同様の施術を個別に行います。UTMB®︎の各レースに向けたコンディション作りやレース後の体のケアに効果的なので、遠慮なくご連絡いただけたらと思います。

選手の皆さんはせっかくの走力を生かせるように十分な準備を

DC:UTMB®︎で選手が経験するトラブルにはさまざまなものがあると思います。伊藤さんがメディカルトレーナーとしてサポートされる場合はどんな症状が多いですか?

伊藤さん:100kmを過ぎたあたりから、身体が思うように動かない、というランナーが相談に来られることが多いですね。走り続けて疲労がたまってきたところへ、降り続く雨や夜になって気温が下がることで身体が冷えてしまうんです。ひどくなると呼吸がしづらくなることもあります。そうした場合でもケアを受けることで筋肉の緊張がほぐれれば、復活して走れるようになることが少なくありません。

選手として出場される皆さんはリタイアするしかない、と思った場合でも一度、エイドステーションのメディカルトレーナーに相談することをお勧めします。十分な走力があるのに完走するチャンスを逃すのはもったいないですからね。

DC:一昨年、昨年とUTMB®︎のメディカルトレーナーを経験された中で、印象に残るランナーさんはいますか?

伊藤さん:初めて参加した2017年のUTMB®︎でシャンペ(約120km地点)にいらっしゃったスペインの選手のことは今も忘れられないですね。濡れた足で走り続けたことで両足の全面が水ぶくれ、それが破れてしまって歩くだけで激痛が走るという状態でした。それでも完走したいからと足の処置を受け、私が身体のケアをしてエイドから送り出しました。シャンペでの仕事を終えてシャモニーに戻って選手の皆さんのゴールを見守っていたら、そのスペインのランナーが見事にフィニッシュするところを観ることができました。強い気持ちを持った選手をメディカルトレーナーとして支えることができたのがうれしくて、感激しましたね。

DC:メディカルトレーナーの目から見て、UTMB®︎で自分の力を発揮するために大事なことは何だと思いますか?

伊藤さん:大会当日に目の前でたくさんの選手を見てきた経験からは、レース中に起こる自分の身体のトラブルに予め備えておけばもっと力を発揮できる選手が多いはず、と感じています。足のマメ、身体の冷え、運動中のエネルギー不足、などなどUTMB®︎のように過酷なレースではいろんなことが起こる可能性があります。そうしたトラブルが起こった時、さらには起こりそうな予兆を感じた時に自分自身でできることがいろいろあります。選手の皆さんには大会当日を想定してしっかり準備していただけたら、と思います。

大会当日のアドバイスとしては、今までのレースで失敗したことを思い出してエイドステーションでやることを予め決めておくことをお勧めします。エイドを出る前にストレッチをする、テーピングを貼り直す、エナジージェルを一個食べる、とか。レースのエイドでは考えたり、悩んだりして無駄なエネルギーを使わずに身体と脳を休めましょう。準備を一連の流れにしておけば、オンとオフの切り替えができてレースにより集中できる。そうすればトラブルを防げるし、実力を発揮できるようになると思います。

身体を酷使するトレイルランニングの頂点であるUTMBで信頼されるトレーナーに

DC:伊藤さんは学生時代は柔道で活躍されたと聞いています。そうした伊藤さんがUTMB®︎でメディカルトレーナーをすることになったきっかけは何ですか?

伊藤さん:私自身、高校生の時に柔道の稽古で膝の内側側副靭帯と後十字靭帯の断裂という大きなケガをして、柔道がいつできるかわからず不安で落ち込んだ日々を経験しました。その経験から、スポーツでケガをした選手の力になりたい、ケガをしないでスポーツに打ち込めるように選手を支えたい、と思うようになりました。

トレイルランニングを知ったのは国家資格を取得してトレーナーとなってからですが、これほど身体に長時間にわたって高い負荷がかかるスポーツはないのでは、と思います。私自身もトレイルランニングをやりますが、特に山を駆け下りる時に足にかかる衝撃は大きいと思います。

そのトレイルランニングで世界最高峰といわれるUTMB®︎のことを知って、ぜひそこでスタッフとして選手をサポートしたいという思いからメディカルトレーナーの一人として参加しています。最初は言葉の壁もありましたが、施術を通じて選手やトレーナー仲間から信頼されるようになりました。UTMB®︎で極限まで身体を追い込む選手の皆さんに接する経験は、日本での仕事にも活きています。

UTMB®︎で一緒にスポーツトレーナーを務めた仲間の皆さんと。

UTMB®︎で一緒にスポーツトレーナーを務めた仲間の皆さんと。

DC:いつかは選手としてUTMB®︎に出てみたいと思われますか?

伊藤さん:いいえ、私は大きな目標に挑戦する選手の皆さんをケアするのが自分の使命だと思っています。だからUTMB®︎ではこれからもメディカルトレーナーとしてサポートしていくつもりです。

伊藤勇矢さんには昨年のUTMBTVにも出演していただきました。

伊藤勇矢さんには昨年のUTMBTVにも出演していただきました。

(協力:コロンビアスポーツウェアジャパン