今年も世界最高レベルのテクニカルなコースは健在!Oman by UTMB®︎ 2019 リザルト

今年も世界の界を驚かせるタフな大会となったみたいです。

先週末、中東のオマーンで三日間にわたって行われたOman by UTMB®︎は昨年に続いて2回目の開催。昨年の第一回大会で世界各地から集まった熟練のトレイルランナーたちの間で「今まで経験した中で一番テクニカルなコース」だと評判だった130kmのレースに、今年は170kmと50km、10km・5km・2kmのレースが加わりました。あわせて69カ国から2000人が集まり、6歳から87歳までの参加者がオマーンのトレイルを楽しんだそうです。

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(写真・今年の®︎のコースより。All photos by ©︎ Lloyd Images / Vincent Curutchet)

大会の開幕となったのは木曜日の午後1時にスタートした170kmのレース。オマーン内陸部の古都、ニズワの近郊にあるビルカット・アル・マウズ Birkat Al Mawzの町をスタートして、ワディ(涸れ川)沿いに徐々に標高を上げていき、アクダル山地の山と谷をいつも登ったり下りたり。後半にはオマーン最高峰、標高3,000mのシャムス山にも登るというコースで累積獲得高度は10,388mD+。厳しい出場資格を満たした56人(うち女性は7人)による少数精鋭のレースとなりました。初開催の170kmの最初のフィニッシャーとなったのはアイルランドのイオン・キース Eoin Keithで36時間4分29秒。「今までに経験した中で間違いなく最もテクニカルなレース。標高差1000mの長い下りはいつもなら時間が稼げるところだけれど、すごくゆっくりとしか進めなかった。でも、ずっとコースの状況に意識を集中させていなくてはいけなかったから、結果としてはレースに集中できたかもしれない。オマーンは美しい国で山が素晴らしい」とコメントしていました。

170kmで2位になったハムデン・アル・カートリ Hamden Al Khatri

170kmで2位になったハムデン・アル・カートリ Hamden Al Khatri

この大会ができるまでトレイルランニングはオマーンではほとんど知られていないスポーツでしたが、地元の選手も健闘しました。170kmの男子2位はハムデン・アル・カートリ Hamden Al Khatri(オマーン)でキースに2時間53分差でした。2回目の夜明けが近い午前3時57分にアル・ハムラ Al Hamraにフィニッシュしました。

170kmで優勝のイオン・キース Eoin Keith(右)と2位のハムデン・アル・カートリ Hamden Al Khatri

170kmで優勝のイオン・キース Eoin Keith(右)と2位のハムデン・アル・カートリ Hamden Al Khatri

男子2選手に続いて総合3位、女子優勝は日本のウルトラトレイルの第一人者、丹羽薫 Kaori Niwa。後半に着実に順位を上げていく鮮やかなレース展開で41時間29分13秒でフィニッシュ。走れるレースよりもテクニカルで長いレースに強い丹羽が本領を発揮して世界にその存在をアピールすることになりました。このほか、日本からは Kimino Miyazakiが52時間50分でフィニッシュして女子3位になりました。ちなみに170kmのレースの完走者は31人で完走率は55%でした。

130kmのレースでは昨年2018年の®︎で優勝のフランチェスカ・カネパ (イタリア)が女子のレースをリードして26時間11分43秒で優勝。メレディス・エドワーズ Meredith Edwards(アメリカ)が6分半差の2位でした。男子では他の有力選手を抑える形でロマン・オリビエ Romain Olivier(フランス)がリードを守り、後続に2時間以上の差をつける18時間18分46秒で優勝。今年はTransgrancanaria 127kで8位、MIUT 117kで8位となっていますが、今回のオマーンは大金星です。2位にはジュリアン・ショリエ Julien Chorier(フランス)、3位に (フランス)が続きました。

最終日に行われた50kmのレースではネパール勢が活躍。男子はビム・グルン Bhim Bahadur Gurungが5時間26分22秒、女子はスンマヤ・ブッダ Sunmaya Budhaが6時間12分26秒で優勝。この他、女子では2位にホーリー・ページ Holly Page(イギリス)、3位にミラ・ライ (ネパール)。男子はモリッツ・アウフ・デル・ハイデ Moritz Auf Der Heide(ドイツ)、ジャマル・アル・ハトミ Jamal Al Hatmi(オマーン)が2位、3位でした。

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この他、大会の結果はこちらに掲載されています

今回のOman by UTMB®︎は10km、5km、2kmのレースに参加した537人もあわせると2000人以上が参加。約半分はオマーン国内からの参加だったそうで、トレイルランニングへの関心がオマーンでも広がりつつあるようです。ちなみに日本からの参加は27人。来年はさらに多くのランナーがOman by UTMB®︎に挑戦することになるかもしれません。来年2021年の大会は早くも1月に始まる予定です。

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