ステンレススチールベゼルとゴリラガラス、画面は1.5インチに2,000nitの高輝度。バッテリーはハードな仕様で13日間、高精度なGPSモードで42時間と100マイルのトレイルランニングを充電なしで乗り切れるようになりました。そして、ついに等高線付きマップ上でのターンバイターン形式のナビゲーション機能を搭載しました。
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トレイルランニングや登山、ハイキング向けのGPSスマートウォッチとして充実した機能とスペックを備えながらも希望小売価格は 39,900円(税込)という手頃さです。
Amazfitからは今回の発売を記念して、DogsorCaravanの読者の皆さまのためにアマゾンでの購入時に使えるクーポンコード「TREXPR12」を発行していただきました。出品価格の39,900円から5%オフ(1,995円の割引)となる上に、出品価格の7%相当のポイント(2793ポイント)も付与されるので、実質 35,112円で購入できることになります。このクーポンコードは10月26日土曜日まで有効です。
Amazfitからレビュー用に提供していただいた、発売前のT-Rex3を約1週間使用しました。記事後半ではトレイルランニングファンにとっては目玉となるナビゲーション機能について詳しくご紹介します。ついに競合製品と肩を並べる機能とスペックに到達したT-Rexシリーズ
T-RexシリーズはAmazfitの日本での本格的な展開が始まったばかりの早い時期から登場しています。2020年に初代モデルとなる「T-Rex」が発売され、2021年には標準的なGPSモードでバッテリー持続が40時間という「T-Rex Pro」が登場。2022年には全体的な質感を高めてナビゲーション機能にも対応し、発売価格も4万円台前半に引き上げられた「T-Rex 2」が登場。このT-Rex 2からAmazfitのアウトドアユーザーからの評価は高まっていきます。昨年はケースにステンレスを使って質感がさらに高まった「T-Rex Ultra」と「Falcon」が登場しました。このモデルから無料でマップをダウンロードとしてウォッチに転送してナビゲーション画面に重ねることができるオフラインマップ機能も備えました。しかし発売価格もT-Rex Ultraで約7万円となりました。
今回発売のT-Rex 3ではディスプレイサイズの拡大と輝度がさらに引き上げられました。質感の高いステンレススチールベゼルを採用しつつも、重量は68.3g(ストラップを除く)と前モデルより軽量化されました。ソフトウェアではAmazfitの最新世代となる「Zepp OS 4」が搭載されており、AIによるスポーツコーチングや睡眠モニタリングに基づくアドバイスといった先端機能が利用できます。OpenAIのGPT-4oとの連携により自然な音声会話形式で情報を得たり操作が可能な「Zepp Flow」も搭載しています。そしてなんといっても、アウトドア・ファンがプレミアムGPSウォッチに最も求める機能である等高線付きマップが利用可能になり、事前にGPXファイルでセットしたルートに従って分岐やカーブで指示を出してくれるターンバイターン形式でのナビゲーションが可能になったのが最大のポイントです。
そして発売価格も39,900円と戦略的な価格設定となっています。Amazfitでは今年8月に主力モデルの値下げを行なっており、このT-Rex3もその路線に沿ったものといえます。後述のように、ファームウェアアップデートにより、後発モデルに搭載された新機能が既存のモデルにも追加されており、ユーザーにとってはより安心してT-Rexシリーズを使うことができるようになってきました。
正常進化したデザインと耐久性ながら軽量化も実現
T-Rex 3は48.5mmの大型ケースにCorning Gorilla Glassを採用した1.5インチのAMOLED高輝度ディスプレイを搭載し、その輝度は最大で2,000nitと最新世代のスマートフォン並みの明るさを備えます。アウトドアでの視認性が大幅に向上しています。
ケースの素材には本体に軽量かつ頑丈なポリマー素材を採用しつつ、ステンレススチールベゼルを取り入れています。昨年発売のT-Rex Ultraと比べるとウォッチ裏側のケースの素材をステンレスからポリマーに変更したことで軽量化(88gから68.3g)されました。本気のアウトドアファンにとっては機能とデザインのバランスはよくなったといえます。
T-Rex 3の耐久性能は米国国防総省が定める軍用規格「MIL-STD-810G」に準拠しています。これは極寒の-30℃から酷暑の70℃まで、過酷な環境下でも正常に動作するというものです。10気圧防水に対応しており、スイミングやダイビングにも使用可能で、最大水深45mまでのフリーダイビングにも対応しているといいます。
ストラップは肌に優しいシリコン素材です。専用のレンチと標準サイズのクイックリリース式ピンに対応したアタッチメントが付属していて、自分で好みのウォッチバンドに交換することもできます。
カラーバリエーションはオニキスブラックとラバグレーの2色展開で、いずれもビジネスシーンからアウトドアシーンまでマッチするカラーリングです。
デュアルバンドGPS、ヘルスマネジメント、AI機能を備える
GPSスマートウォッチとして、T-Rex 3はアウトドアアクティビティと日常の健康管理に必要な機能を幅広くカバーします。
GPS機能については6つの衛星測位システムに対応した円偏波デュアルバンドGPSを搭載しており、ビルの谷間のようにGPS信号が届きにくい場所でもより正確で安定したGPS測位が可能です。また、オフラインマップ機能では、後で紹介するように等高線入りの詳細なマップをウォッチ本体にダウンロードでき、携帯電話の電波のない場所でもナビゲーションを利用できます。
健康管理機能では心拍数、血中酸素濃度(SpO2)、ストレスレベル、睡眠の質などを24時間モニタリングします。特に、睡眠トラッキングでは睡眠ステージの詳細な分析に加え、呼吸の質や睡眠中の心拍変動(HRV)のデータも知ることができ、より深い睡眠の理解に役立ちます。
T-Rex 3のバッテリーは通常使用で最大27日間、「ハードな使用」で最大13日間持続します。実際に満充電にしてから毎日1、2時間程度のランニングやウォーキングをしたところ、7日目の夜にバッテリー残量が10%を切りました。トレイルランニングのレースや丸一日行動するような登山で最初から最後までタイムや心拍数、GPSによる距離などの記録を取り続ける場合は、最も高精度なモードで最大42時間のバッテリー稼働となります。これなら100マイルのトレイルランニングレースを走る場合でもバッテリーを気にせずにスタートからフィニッシュまで記録可能です。GPS信号の受信頻度を下げ、画面の常時表示をオフにするなどの耐久モードであれば最大で180時間まで記録することができます。
このほか、T-Rex 3はAmazfitのスマートウォッチとしては最新世代となる「Zepp OS 4」を搭載しています。サードパーティ製アプリとの連携により、AppleのヘルスケアAppやStrava、adidas Running、TrainingPeaks(Terraアプリを経由)といったサービスに健康関係のデータやランニングなどのアクティビティのデータを連携することができます。
加えて最近のZepp OSで力が入るのがAIを利用した先端的な機能です。OpenAIの「GPT-4o」を統合したAIアシスタント「Zepp Flow」は今年7月にAmazfitがリリースした機能で、T-Rex 3でも音声コマンドによりウォッチを操作することができます。「Zeppコーチ」は目標に応じたパーソナルなトレーニングをAIベースで提案する機能です。チャットでAIに、例えば3ヶ月後のフルマラソンでサブ4を達成したいといった目標を相談すると、現在のトレーニングの頻度やペースを質問され、それに答えると目標達成に向けたトレーニングプランが提案されます。休養日も含めた日々のトレーニングが提案され、実際にそのトレーニングをした結果に基づいてその後のトレーニングプランも調整されます。
T-Rex 3 で等高線付きマップ上でのターンバイターン形式のナビゲーションができる
豊富な機能を備えるT-Rex 3ですがDogsorCaravanをご覧の読者の皆さんにとって目玉となる新機能は、等高線付きのマップ上でターンバイターン形式のナビゲーションが可能になったことでしょう。これはトレイルランニングや登山などのアウトドアアクティビティで道迷いを防ぐことができ、行動中のストレスを減らすことができる機能です。Garminのfenixシリーズなど、アウトドア向けのGPSスマートウォッチのプレミアムモデルが備える機能です。それがT-Rex 3にも搭載され、3万円台で買うことができるのは画期的なことです。
T-Rex 3 で等高線付きマップを利用するにはスマホのZeppアプリの「マイデバイス」からT-Rex 3を選び、「デバイスアプリケーション設定」の中の「マップ」を開きます。T-Rex 3では基本的な地図である「ベースマップ」、スキーゲレンデ情報を含む「スキーマップ」と並び、等高線情報を含む「コンターマップ」が選択できるようになりました。必要とするエリアを含む地図のエリアを指定し、「デバイスのダウンロードリストに追加」をタップ。するとT-Rex 3のディスプレイに「ダウンロードしますか」というメッセージが現れてタップするとダウンロードが始まります。地図情報のデータ量が大きいため、実用的に使うにはウォッチ本体をWiFiに接続してダウンロードします。一度ダウンロードしたマップデータは繰り返し使うことができます。
一方、ナビゲーションに利用したいルートのデータを用意します。GPXファイルの場合はスマホの中で開くアプリでZeppアプリを選択するとアプリ内の「ワークアウト」→「その他」の中にある「マイルート」に読み込まれます。この他、Amazfitのウォッチを使ってZeppアプリ内に記録したワークアウトのデータを「マイルート」に読み込むこともできます。「マイルート」の中から使いたいルートを選び、「デバイスに送信」を選択してT-Rex 3にルートのデータを転送します。一旦転送したデータはT-Rex 3の中で繰り返し使えるほか、複数のルートをT-Rex 3に保存することもできます。
以上の準備をしてから、いよいよ実際にアクティビティを開始します。例えば「屋外ランニング」を選択すると「設定」→「ナビゲーション」→「マイルート」と進んで、ナビゲーションに使いたいルートを選択します。
「GO」ボタンをタップして実際にランニングを始めると、走った距離や心拍数が表示されるディスプレイ表示を切り替えることができます。その中に進むべきルートと実際に自分が進んだ軌跡を確認できるマップのページがあります。
走り始めて次に角を曲がるポイントが近づくと、ウォッチが振動と音で知らせてくれます。画面を見ると「34m先で左折してください」というナビゲーションの指示が表示されています。そのまま進んでいくと、いよいよ左折すべきところでもう一度「左折してください」との指示がありました。わざとコースを外れると、設定したルートを外れたことを知らせつ通知が表示されました。コースから外れた距離が概ね0.06kmを超えると通知が出るようです。コースに戻るとその旨の通知も表示されます。
車のナビゲーションのように次に曲がる地点を予告してくれる、ターンバイターン形式のナビゲーションはトレイル上でも機能します。標高10mごとの等高線と標高50mごとの文字付き太線の等高線が表示されているので尾根や谷の地形を把握したり、登り下りの斜度の大小といった情報を知ることができます。マップの縮尺を変えたり、ルートの先の方を表示するためにマップを東西南北に動かしたりすることももちろん可能です。
この他、ランニング中のディスプレイ表示にはルートの標高の高低図上で自分がどこにいるか表示する機能があります。さらに、ナビゲーション中のルートの中で登りの区間を選びだし、その区間の距離や標高差、実際にその区間を進んでいるときに自分がその区間のどこにいるかをリアルタイムで表示することもできます。これは実際のアクティビティ中に力を振り絞るためのモチベーションを与えてくれるでしょう。
まとめ・アウトドアファンが常に身につける製品としても、他の製品と併用してアウトドアの時だけ使う製品としても、現実的な選択肢
Amazfitのアウトドア向けモデルであるT-Rexシリーズがスタートしてから5年目となる今年発売されたT-Rex 3は、ついに先行する他のブランドのアウトドアGPSウォッチのプレミアムモデルに肩を並べるデザインと機能を備えることになりました。3万円台というその発売価格を考えると、機能と価格のバランスがよい、唯一無二のコストパフォーマンスの製品だといえます。
アウトドア愛好家、トレイルランナーであればT-Rex 3があればヘルスケア、ウェルネスケアのトラッキングにも、アウトドアアクティビティにもこの一台で全てを賄うことができます。そしてそのお値段は競合ブランドの数分の一で済みます。
しかし、これだけの高機能ゆえにウォッチとしての大きさや重さはどうしても目立ってしまいます。Amazfitにはライフスタイル向けのフラッグシップモデルである「Balance」というモデルもあり、こちらは薄型で日常生活にも馴染みやすい製品です。あるいはランニングウォッチとしてポップで軽量な「Cheetah」もあります。これらのモデルを併用して、本格的にトレイルを走ったり登山をする時だけ「T-Rex 3」を使うというのもありでしょう。
iPhoneやMacを使うユーザーにとってはApple製品と機能が深く統合されているApple Watchの便利さは離れられないものがあります。ただ、Apple Watch Ultra 2であっても42時間もの間、GPSのログを取り続けたり、1週間以上充電せずに使い続けることはできません。トレイルランナーがApple Watchと併用して、トレイルランニング専用のウォッチとしてT-Rex 3を選ぶという選択肢もありでしょう。
今回、手元にあるAmazfitの先行して発売されているモデルについて確かめたところ、ファームウェアのアップデートでT-Rex 3の機能の一部が使えるようになっていることを確認しました。等高線付きマップ上でのターンバイターンナビゲーションは、昨年発売の「T-Rex Ultra」でも利用できました。「Cheetah」でもウォッチの機能としては利用できるようですが、ウォッチ本体がWiFi機能を備えていないため、マップのダウンロードをスマホから低速のBluetooth経由で行うことになりあまり実用的ではないようです。WiFi機能を持つ「Cheetah Pro」であれば使えるかもしれません。
このようにファームウェアの更新によるバグの修正や機能追加がされるようなら、長く安心してAmazfitの製品が使えるようになります。Amazfitのこれからの製品展開に期待したいところです。
これでSuicaのようなタッチ決済が可能になったらいいですね。
T-Rex 3を購入する際には、アマゾンでの購入時に使えるクーポンコード「TREXPR12」を利用するとお得です。10月26日土曜日まで有効です。