【リザルト】モン・ガンフー Guangfu Meng とスンマヤ・ブッダ Sunmaya Budha が勝利、ワールドトレイルメジャーズ開幕戦の Hong Kong 100

グラン・カナリア・ワールドトレイルメジャーズ Gran Canaria World Trail Majorsの今シーズン開幕戦となる「Anta Guanjun Hong Kong 100」は1月18日土曜日に距離103kmのレースが開催されました。結果は男子ではモン・グァンフー Guangfu MENG 蒙光富 (CHN) が9時間43分で優勝。中国の26歳がこの大会で昨年に続いて連覇を果たし、大会記録を更新しました。女子はスンマヤ・ブッダ Sunmaya Budha (NEP) が11時間11分で初参加のHK100を制しました。ブッダのタイムも女子の大会記録を更新しました。前日には56kmの「The Half」で妹のラム・マヤ・ブッダ Ram Maya Budha が優勝しており、姉妹で揃って香港で栄冠を手にしました。

(写真・2025年Hong Kong 100で優勝したモン・グァンフー Guangfu MENG 蒙光富。Photo by World Trail Majors / Hong Kong 100)

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HK100のスタート

HK100のスタート

女子のレースは序盤から事前に注目された少数の選手が終始リードという展開が少なくありませんが、今回は中盤まで上位グループが形成されてレースは進みました。レースのスタートから51kmのCP4でスンマヤ・ブッダと香港在住のベロニカ・レン Veronika Leng (SVK) がほぼ並んでリードして7分差でハウ・ハーティ Hau Ha Thi (VNM) が追う展開が始まりました。70kmのCP6を出てからはブッダがレンに対するリードを広げ始めます。その後は着実にリードを広げて、スンマヤ・ブッダ Sunmaya Budhaが11時間11分47秒で優勝。今回とほぼ同じコースでの2020年のシャン・フージャオ Fuzhao Xiang による11時間28分21秒を約17分上回る大会新記録となりました。スンマヤは昨年のTransvulcania 73kでの3位、SwissPeaks 44kでの優勝と欧州で活躍し、秋の中国のビッグレースであるNinghai by UTMB 60kとその2週後のTsaigu Trail 105kと中国のビッグレースを相次いで制しており、2025年も香港での勝利でシーズンをスタートさせました。会場では前日にHalfで優勝のランマヤ・ブッダと姉妹での活躍も話題になりました。ベロニカ・レン Veronika Lengは13分半の差で2位でフィニッシュ。ベロニカ・レンにとっては2020年に準優勝して、結婚と出産を経て再び参戦したこの大会での準優勝となり、前回の自身のタイムを22分上回りました。3位にはトップから58分差でハウ・ハーティ Hau Ha Thiが続きました。2023年、2024年のCCCで4位となり、アジアの国際的なトレイルランニング選手として知られるハウが、香港でもその存在感を示すことになりました。

スンマヤ・ブッダ Sunmaya Budha(手前)とハウ・ハーティ Hau Ha Thi

スンマヤ・ブッダ Sunmaya Budha(手前)とハウ・ハーティ Hau Ha Thi

4位には昨年に続いてタン・ジンヤン Jingyan TANG 唐景燕 (CHN)が続きました。5位にチー・リンジエ Lingjie CHI 迟令杰 (CHN) 、6位にニルマラ・ライ NIRMALA Rai (NEP) が続きました。

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日本の清宮由香里 Yukari SEIMIYAは86kmのCP8を出てからコースをロストした模様で、その後レースをリタイアすることになりました。

男子のレースでは序盤の比較的起伏が緩やかなセクションで上位集団による高速レースが繰り広げられました。11kmのチェックポイントは上位12人が1分半の間に通過します。この時、12人目を走っていたのが昨年のチャンピオン、モン・ガンフーでした。コースを進むにつれて上位集団から選手がこぼれ落ちる中でメン・ガンフーは43kmのCP3に、ジョン・レイ「スティングレイ」オニファ John Ray “Stingray” ONIFA (PHI)と並んでトップで到着。しかし程なく単独リードとなったモン・ガンフーはその後は後続を寄せ付けずに9時間43分という好記録で連覇を成し遂げました。こちらも大会記録の10時間0分17秒(2020年、ユウ・ペイチャン Peiquan YOU)を上回る新記録です。今後、国際的なレースでのモン・ガンフーの活躍が期待されます。

2位争いは激しい展開となりました。モン・ガンフーと並んでいたスティングレイを捉えて70km付近で2位となったのはシェン・ジアシェンでした。シェンと2分半の差で続いたのは昨年のMt. Fuji 100で準優勝のチン・グイドゥ Guidu QIN 覃桂都でしたレース前半ではスティングレイやシェンに6分も後ろを走って上位10位圏内を進んでいたチン・グイドゥは中盤以降に前にいる選手を追い抜きはじめ、86kmのCP8でついに2番手に浮上。その後のタイモーシャンへの登りと下りでも、後続との差を広げただけでなく優勝したモン・ガンフーとの差を縮める快走を見せて準優勝を勝ち取りました。チン・グイドゥの9時間51分11秒も大会記録を上回りました。3位には前半からトップ3圏内を走っていた昨年のMt. FUJI 100 100マイルのチャンピオン、デン・グオミン Guomin DENG 邓国敏が入りました。

チン・グイドゥ Guidu QIN 覃桂都

チン・グイドゥ Guidu QIN 覃桂都

4位は昨年のTransgrancanariaで3位のイオネル・マノレ Ionel Cristian MANOLE (ROU) 。5位には2019年のこの大会で優勝のシェン・ジアシェン Jiasheng SHEN 申加升 (CHN)。中盤に果敢に攻めたジョン・レイ・オニファ John Ray “Stingray” ONIFA (PHI)は6位でのフィニッシュとなりました。

シェン・ジアシェン Jiasheng SHEN 申加升

シェン・ジアシェン Jiasheng SHEN 申加升

日本の大瀬和文 Kazufumi OSEは12時間41分でフィニッシュ。27位でこの大会で8年ぶり5回目の完走を果たしました。

Hong Kong 100はアジア有数の国際都市であり、トレイルランニングの人気も高い香港で15年前にウルトラディスタンスの大会として誕生しました。近年は国際的な競技へのデビューの場を求める中国のエリート選手たちが、中国本土でのオフシーズンに集結するようになり、世界トップクラスのコンペティティブなレースとして目が離せない大会となっています。

加えて、世界各地、とりわけアジア各地のトレイルランニングコミュニティをつなぐ交流の場としても、Hong Kong 100はこれからもアジアのトレイルランニングのプレミアイベントとして成長していくでしょう。

リザルトはこちら

HK100 女子 リザルト

  1. スンマヤ・ブダ SUNMAYA Budha (NEP) 11:11:47
  2. ベロニカ・レン VERONIKA Leng (SVK) 11:25:22
  3. ハウ・ハ・ティ HA Thi Hau (VIE) 12:09:37
  4. タン・ジンイェン TANG Jingyan (CHN) 12:19:20
  5. チー・リンジエ CHI Lingjie (CHN) 12:31:47
  6. ニルマラ・ライ NIRMALA Rai (NEP) 13:06:38
  7. マー・ティン MA Ting (CHN) 13:10:02
  8. イ・アンナ LI Anna (CHN) 13:15:23
  9. マン・イー・チュン MAN Yee Cheung (HKG) 13:20:06
  10. ヤン・フェイフェイ YANG Feifei (CHN) 13:27:54
  11. シルビア・プイガルナウ・コマ SÍLVIA Puigarnau Coma (ESP) 13:30:13
  12. ウー・ユエンユエン WU Yuanyuan (CHN) 13:43:11
  13. エリザベス・ダンガダン ELIZABETH Dangadang (PHI) 13:51:24
  14. チン・ルー QIN Lu (CHN) 13:52:04
  15. サンドラ・セビリャーノ SANDRA Sevillano (ESP) 14:11:16
  16. ワン・リーピン WANG Liping (CHN) 14:27:47
  17. デン・ロンホア DENG Ronghua (CHN) 14:30:22
  18. ウン・チンナム CHIN Nam Ng (HKG) 14:31:19
  19. ディル・リンブ DILU Limbu (IND) 14:41:30
  20. アリソン・シュー ALLISON Xu (CHN) 14:49:21
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HK100 男子 リザルト

  1. モン・グァンフー MENG Guangfu (CHN) 09:43:10
  2. チン・グイドゥ QIN Guidu (CHN) 09:51:11
  3. デン・グオミン DENG Guomin (CHN) 10:07:52
  4. イオネル・クリスティアン・マノレ Ionel Cristian MANOLE (ROU, スペイン在住) 10:16:58
  5. シェン・ジアシェン SHEN Jiasheng (CHN) 10:29:52
  6. ジョン・レイ・オニファ John Ray “Stingray” ONIFA (PHI) 10:36:07
  7. マン・クマール・ロカ・マガル Man Kumar ROKA MAGAR (NEP) 10:58:04
  8. チョウ・カオ KAO Zhou (CHN) 11:00:22
  9. ロデヴァイク・アドリアーン・フリエンス Lodewijk Adriaan VRIENS (NED) 11:03:09
  10. チャン・ジエ ZHANG Jie (CHN) 11:06:54
  11. ウォン・ホーチュン HO Chung WONG (HKG) 11:11:20
  12. ラウル・ブタチ Raul BUTACI (ROU) 11:11:28
  13. アレクサンドル・ネイリンク Alexandre NEYRINCK (GBR) 11:15:18
  14. ダニエル・ユング Daniel JUNG (ITA) 11:22:20
  15. ウォン・ワイフン WAIHUNG Wong (HKG) 11:42:09
  16. ウー・ヨンボー WU Yongbo (CHN) 12:00:57
  17. ファン・ジェンロン HUANG Zhenglong (CHN) 12:09:54
  18. リー・ソン LI Song (CHN) 12:10:09
  19. リウ・ヤン LIU Yang (CHN) 12:13:16
  20. ユー・ジェ YU Zhe (CHN) 12:13:54
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27 大瀬和文 Kazufumi OSE (JPN) 12:41:52

Grand Sam 女子

  1. チャオ・フェン ZHAO Fen (CHN) 25:30:31
  2. シエ・ウェンフェイ XIE Wenfei (CHN) 26:29:10
  3. リー・チャンメイ LI Changmei (CHN) 29:48:30
  4. ワン・リーシェン WANG Lixian (CHN) 30:41:12
  5. ユアン・フイフイ YUAN Huihui (CHN) 30:50:47
  6. ジョウ・スーラン ZHOU Sulan (CHN) 30:57:01

Grand Sam 男子

  1. ウー・ヨンボー WU Yongbo (CHN) 20:30:16
  2. ライアン・ウェラン WHELAN Ryan (GBR) 21:08:42
  3. リュウ・ヤン LIU Yang (CHN) 21:14:44
  4. チャン・ウェイチャン ZHANG Weiqiang (CHN) 21:32:43
  5. ファン・ジェンロン HUANG Zhenglong (CHN) 21:35:50
  6. サロモン・ウェットシュタイン WETTSTEIN Salomon (SUI) 23:19:35
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