2025年1月発売のDangbei Freedo(ダンベイ フリード)はフルHD画質のポータブルプロジェクターで、正面から天井まで自在に投影角度を変えられる一方、バッテリー内蔵により持ち運びしやすいのが特長です。さらにGoogle TVを搭載しているため、アプリをダウンロードして本体のみで配信サービスを楽しめます。今回、Dangbeiから製品をお借りして2週間ほど使ってみたところ、タブレットのような感覚でコンテンツを楽しめる新しいカテゴリーのデバイスだと感じました。
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コンパクトでシンプルな本体、ポートはUSB-AとHDMIのみ
131×109mmのフットプリントで高さ239mmというコンパクトな本体には、角度調整機構を備えたスタンドが内蔵されています。投影角度は下向きマイナス30度から上向き135度まで可能で、床やテーブルから天井に向けての投影、家具の上部から壁への投影など、さまざまな配置に対応します。底面には1/4インチの三脚穴もあるので、スタンドや天吊りにも対応できます。本体の重さは1.4kgとなっています。

投影角度は下向きマイナス30度から上向き135度まで変えられる。

スタンド台座の裏側には三脚穴がある(注・シリアル番号やバーコードについては画像を加工しています)。
ポートはUSB-AとHDMI ARCが1つずつ。3.5mmイヤホンプラグはありませんが、本体背面が360°サラウンドスピーカーとなっており、実際に試したところ十分な音質が得られました。Dolby Audioとの互換性もあり、Bluetooth接続のスピーカーとして利用することもできます。また、USB-Aポートに手持ちのUSBオーディオデバイス(変換アダプター)を接続し、3.5mmイヤホンで音声を聴くことも可能でした。

ポートはシンプルにUSB-AとHDMIのみ。USB-A端子に3.5mmイヤホン端子との変換アダプタを挿すとヘッドホンで音声を聞けた。

リモコンは直感的で分かりやすい。上から二つ目のボタンで音声入力もできる。右側面には映像の合焦機能を呼び出すボタンがある。
450 ISOルーメンながらDLP方式でくっきりとした映像
明るさは450 ISOルーメンで、ポータブルながら十分な光量といえます。LED光源にDLP方式を採用し、締まりのある黒と動きの速い映像をくっきりと表現します。筆者宅の6畳〜10畳程度の部屋で試したところ、直射日光が当たらない昼間ならカーテンを閉めなくても問題なく視聴できました。
ただし、USB-C端子から給電せずに内蔵バッテリーで動作する場合はECOモードとなって少し光量が落ちます。設定項目から探してみたものの、内蔵バッテリーの持続時間が短くなってもECOモードへ移行させない設定にはできないようです。
バッテリー内蔵、USB-Cで給電可能で持ち運んで使用しやすい
バッテリー容量は60Whで、ECOモードなら約2.5時間投影できるため、電源コードなしでコンテンツを再生したり、プレゼンでスライドを表示したりしやすいのが魅力です。梱包時の箱は持ち手がついており、キャリングケースとして使える点もユニークでした。

Dangbei Freedoの本体と付属品。左上の梱包材は簡易キャリングケースとしても使える。
充電はスタンドの根元にあるUSB-Cポートを使い、付属の65W充電器だけでなく、65W以上出力できるUSB充電器やモバイルバッテリーからも行えます。65W以下の充電器では充電できないので注意が必要ですが、環境さえ整っていれば純正充電器を持ち歩かずに済むのは大きな利点です。充電しながら使用もできます。

スタンドの回転軸の下側のUSB-C端子から給電、充電する。USB充電器でもモバイルバッテリーでも充電できるが、65W以上で入力しないと充電できない。
機動性が高まったことでGoogle TV搭載の便利さがさらに高まる
Google TV搭載により、YouTubeやNetflix、Amazon Prime Videoなどが最初からインストールされているうえ、他のアプリをダウンロードしてApple TV+やTVer、U-NEXTといった日本向けコンテンツも視聴できます。筆者が使っているレコーダーから録画番組をリモート再生する「DiXiM Play」なども問題なく利用できました(有償のライセンス購入が必要です)。

最初の設定時に利用場所を日本とすると、セットアップ中に日本の配信サービスを選択してインストールできる。

セットアップ後にGoogle Playストアにアクセスしてさまざまなアプリをダウンロードして利用することもできる。
Google TVが提供するレコメンド機能や音声入力検索なども意外と便利で、USBやHDMI経由の外部入力が不要という点が「プロジェクターというより自立した視聴デバイス」という印象を強めます。ワイヤレスで持ち運んで投影できるので、画面が大きいタブレットを使うかのような感覚でコンテンツを楽しめます。

Google TVが搭載されている。
多少斜めでもしっかり自動補正してくれるので設置や配置は思いのまま
Dangbeiの「InstanPro AIスマート画像補正技術」でフォーカスや台形補正を自動で行ってくれます。この機能はDangbeiの先行モデルを試した際にも簡単・快適さを実感しましたが、今回のFreedoではさらに精度と速度が向上した印象です。
スクリーンに対し左右にずれていても短時間で補正が終わり、使い勝手は良好です。強い角度で投影するとDLP方式固有の虹色ノイズが目立つ場合があるので、画質を優先するならできるだけ正面から投影するのが理想です。投影サイズは40〜180インチが推奨で、1.6mで約60インチ、2.1mで約80インチという目安です。

写真の通り、壁に対して斜め下から見上げるような角度で投影したが、自動であっという間に補正した。真正面からの投影に比べれば画質に影響があるだろうが、設置場所が限られる場合でも視聴には十分耐える。
まとめ・スクリーンに投影するタブレットの感覚で使えるのが新鮮
Dangbei Freedoを使ってみると、プロジェクターが「外部入力で投影する機器」から「さまざまなコンテンツを自立して楽しむ機器」へと進化したことを実感しました。特にバッテリーを内蔵してコードレスでどこでも視聴できる機動性と、Google TVを活用した豊富なコンテンツアクセスが魅力です。
Dangbeiの上位機種にはより明るいレーザー光源や大画面向けのモデルがありますが、価格もそれなりに高くなります。昨年登場したコンパクトなN2はNetflixなどのアプリを搭載する一方でGoogle TVやバッテリーは非搭載で、価格を抑えています。FreedoはN2より高額ですが、手軽に持ち運べてGoogle TVも使えるという強みを考えると、その差は十分納得できると感じました。大画面を気軽に楽しみたいという人には、タブレット感覚で使える本機は新鮮な選択肢になるはずです。
本稿執筆時点ではAmazon.co.jpで19,800円の割引クーポン、楽天では25%(23,450円相当)のクーポンがついており、いずれもクーポンは2月3日までとなっています。
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