【リザルト】2025年 Black Canyon 100k・セス・ルーリング Seth Ruhling とライリー・ブレイディ Riley Brady がコース新記録で優勝 #WorldTrailMajors

米国アリゾナ州で2025年2月8日に開催されたBlack Canyon 100kは、今年もアメリカのトレイルランニングのシーズン初めの人気イベントとして注目を集めました。昨年に続いてグラン・カナリア・ワールドトレイルメジャーズ Gran Canaria World Trail Majorsのシリーズ戦となっています。

この大会は、北米で最もハイレベルな100kmレースの1つであり、男女それぞれ上位3選手がウェスタンステイツへの出場権を得られる「ゴールデンチケットレース」であることから多くのトップランナーが集結しました。

男子はセス・ルーリングが後半で逆転しコース記録を更新

男子レースは非常に速いペースでスタートしました。最初の8マイル地点では、30人以上のランナーが1分以内に通過する接戦となり、その後もエイドステーションごとに順位争いが激化しました。序盤からイーライ・ヘミング Eli Hemming (USA) とウィリアム・マレー Will Murray (USA)が先頭を引っ張り、セス・ルーリングは慎重に後方グループで様子を伺う展開でした。

男子優勝のセス・ルーリング Seth Ruhling。Photo ©Howie Stern – Gran Canaria World Trail Majors

序盤をリードするイーライ・ヘミング Eli Hemming Photo © Howie Stern – Gran Canaria World Trail Majors

コース後半に入ると、ヘミングとマレー、そしてルーリングの3人が他のランナーを引き離し始めました。37マイル地点（約60km）ではヘミングが単独でリードを広げ、一時は2分以上の差をつけました。しかし、この地点からルーリングが猛烈に追い上げ始めます。彼は着実にペースを上げてヘミングとの差を縮め、第8エイドステーション（51マイル地点）でついにトップに立ちました。

その後は持ち前の安定した走りで他を寄せ付けず、最終的には7時間24分55秒というタイムでフィニッシュ。前年にヘイデン・ホークス Hayden Hawks (USA)が記録したコース記録（7時間30分18秒）を5分以上短縮する快挙を達成しました。ルーリングは2022年のこのレースで6位の他、2023年にはCCCで6位、JFK50で優勝しています。2位にはウィリアム・マレーが7時間26分53秒で続き、3位にはジョー・マコノーヒー Joe McConaughy (USA)が7時間31分37秒で入りました。トップ3の三選手がウェスタンステイツ100への出場権を獲得しました。

男子トップ10結果

セス・ルーリング Seth Ruhling (USA) – 7:24:55
ウィリアム・マレー Will Murray (USA) – 7:26:53
ジョー・マコノーヒー Joe McConaughy (USA) – 7:31:37
イーライ・ヘミング Eli Hemming (USA) – 7:32:41
カンファ・ロウ Can-Hua Luo (CHN) – 7:36:38
エリオット・カルダン Elliot Cardin (CAN) – 7:48:21
ギャビン・プライアー Gavin Prior (USA) – 7:53:11
キャニオン・ウッドワード Canyon Woodward (USA) – 7:54:16
ブレイク・スラッテンゲレン Blake Slattengren (USA) – 7:54:18
フェルディナンド・エロールト Ferdinand Airault (FRA) – 7:54:27

男子トップ3 Photo ©Howie Stern – Gran Canaria World Trail Majors

ライリー・ブレイディが圧巻の走りで女子のレースで優勝、新記録達成

女子では、ライリー・ブレイディが序盤から安定したペースでレースを進めました。8マイル地点ではメアリー・デンホルム Mary Denholm (USA)がリードしていましたが、第4エイド（24マイル地点）でブレイディが先頭に立ち、そのまま他のランナーとの差を広げていきました。

女子のレースを終始リードしたライリー・ブレイディ Riley Brady Photo © Scott Rokis – Gran Canaria World Trail Majors

準優勝となったタラ・ダウアー Tara Dower Photo © Howie Stern – Gran Canaria World Trail Majors

37マイル地点（約60km）では2番手のタラ・ダウアー Tara Dower (USA)との間に2分の差でしたが、その後も力強い走りでリードを拡大しました。ブレイディは終盤まで疲れを見せることなく、最後は8時間16分18秒というタイムでフィニッシュ。2023年にキーリー・ヘニンガー Keely Henninger (USA)が記録した8時間45分30秒を約30分短縮する大記録となりました。ブレイディは昨年のこのレースで9位となっていましたが、今回ついに頂点に立ちました。昨年11月のJavelina Jundred 100で優勝しており、ここでゴールデンチケットを獲得しています。

女子のレースを制したライリー・ブレイディ Riley Brady Photo © Howie Stern - Gran Canaria World Trail Majors

2位には9分差でタラ・ダウアーが8時間25分08秒で続き、3位にはエムケイ・サリバン EmKay Sullivan (USA)が8時間48分50秒で入りました。ウェスタンステイツ100への出場権は2位のダウアー、3位のサリバンに加え、4位のチェン・リン Lin Chen (CHN)が獲得しました。

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