「Amazfit(アマズフィット)」を展開するZepp Health Corporationは、3月4日にスマートウォッチの新製品となる「Amazfit Active 2」を国内で発表しました。
アメリカでは1月に発売されており、CES 2025で「Best Smartwatch at CES 2025」を受賞した注目の新製品です。日本国内ではスタンダードバージョンが18,900円(税込)、レザーストラップとサファイアガラスのプレミアムバージョンが21,890円(税込)で販売されます。手頃な価格ながら、「Zepp Flow」による音声操作など上位の価格帯の競合モデルに匹敵する機能を備えていることから、アメリカでは話題の新モデルとなっています。とりわけトレイルランナーやアウトドアスポーツ愛好家にとっては、この価格のスマートウォッチで地図データの無料ダウンロードと地図上でのナビゲーションという機能を備えているのは驚きです。
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「Amazfit Active 2」は3月4日火曜日から販売予約が開始されており、スタンダードバージョンが3月14日金曜日、プレミアムバージョンは4月18日金曜日に販売開始となります。販売情報はこの記事の末尾にまとめています。
レビューのためにメーカーから「アスリートの日常をサポートする」というキャッチフレーズを持つ Amazfit Active 2 を提供していただき、約2週間にわたって試用しました。Amazfitの製品はコストパフォーマンスに優れたものが多いですが、この「Active 2」は1万円台からという価格を考えると破格の機能を備えています。加えて、実際に着用した際の質感や快適さは、この価格帯の製品は思えないレベルの高さです。実際に使うことでスペック以上の満足感が得られる製品です。
洗練されたデザインと高品質な素材
Amazfit Active 2は316Lステンレススチールで作られた洗練された丸型ボディが特徴で厚さは9.9mm。ディスプレイは1.32インチの高解像度AMOLEDで最大輝度は2,000ニットと、スマートウォッチとしては最高レベルの鮮やかさです。屋外でのアクティビティ中の視認性に優れた仕様です。

二つのモデルがラインナップされ、スタンダードバージョン(18,900円<税込>)はディスプレイが強化ガラス製でウォッチバンドがシリコンであるのに対して、プレミアムバージョン(21,890円)はディスプレイにサファイアガラスを使用し、バンドはレザーストラップにシリコンバンドが付属するという仕様の違いがあります。今回はスタンダードバージョンを試用しています。
実際に手に取ってみると、大型のディスプレイにステンレスのベゼルがシンプルで見た目の質感が高いことに気づきます。目につきにくいケースの背面側やバンドとの接続部は繊維強化樹脂となっていて、質感もほどほどです。しかし、見た目の印象ではAmazfitのこれまでの製品や他社の製品と比べても、二万円足らずで買えるスマートウォッチとは思えない高いレベルです。フォーマルな装いにも違和感のない質感があります。
さらに、シリコンバンドで腕に着けてみると、違和感がないというのか軽いというのか、着用感が自然なことに気づきます。ピンを差し込むバックルの仕組みは平凡ではあります。しかし、シリコンバンドの厚みや肉抜きの穴、ウォッチ本体の薄さのせいか、筆者の主観ではありますが、快適な着用感です。

重量はプレミアムバージョンで31.65g、スタンダードバージョンで29.5g。5ATM/50m防水対応となっており、屋外スポーツで使用しても安心です。
スペックをみても最先端の健康・フィットネス機能を搭載
スマートウォッチとしての機能をみると、Active 2 はAmazfitのフラッグシップモデルが搭載している機能を概ねカバーしています。
心拍数のモニタリングを通じて睡眠のトラッキングやメンタルとフィジカルを数値化するレディネススコアのベースとなるセンサーには最新世代の「BioTracker 6.0 PPGバイオセンサー」を搭載します。2LEDと5PD(フォトダイオード)の構成で健康や運動についてのデータの精度はさらに向上したといいます。
ワークアウトモードはHYROXレース(ランニングとワークアウトを交互に行うフィットネスレース)モードを含む160種類以上のアクティビティに対応します。25種類のエクササイズ動作を自動認識し、反復回数、セット数、休憩時間を正確に追跡する筋力トレーニングモードも搭載します。「Zepp Coach」はスマホのZeppアプリからメニューに入ってチャットで質問に答えて目標を設定すると毎週のトレーニングプランを提案してくれるというAIベースのコーチング機能です。
ランニングやハイキングなど屋外のアクティビティの位置情報をトラックしてくれる「5衛星測位システム」はGPS、GLONASS、Galileo、BDS、QZSSに対応し、円偏波アンテナ技術による高精度の測位が可能です。そして無料で地図データをウォッチにダウンロードして、その上にあらかじめ用意したGPSトラックに沿ってターンバイターンのナビゲーションができるオフラインマップ機能も備えます。
こうした機能はAmazfitの各分野のフラッグシップモデル(T-Rex 3、Cheetah、Balance)に搭載されていますが、価格でいえば半分から3分の1の Active 2 でも使えるわけですから、いかにActive 2 のコストパフォーマンスが高いかわかります。
もちろん、上位モデルとの差別化はされており、例えば同じ衛星測位システムであってもフラッグシップモデルでは6衛星のデュアルバンドで精度がさらに高くなっています。オフラインマップ機能ではActive 2 では舗装路が中心の「ベースマップ」とスキーゲレンデ情報を含む「スキーマップ」のみダウンロード可能ですが、T-Rex 3では等高線情報を含む「コンターマップ」も利用できる、といった具合です。
長時間バッテリーと音声で操作する「Zepp Flow」機能
Amazfit Active 2のバッテリー持続時間は、スペック上では「通常使用で最大10日間、ヘビー使用でも5日間、GPSを継続使用モードで最大21時間」となっています。今回はバッテリーをより消費する常時点灯モードをオンにして1時間程度のランニングを週に3、4回というペースで使って、満充電から5日目でバッテリーが10%以下となりました。長時間のランニングやハイキングでも日常生活でもバッテリーの残量はさほど気にせず使えます。

付属の充電器は手持ちUSB-Cケーブルを挿すタイプ。コンパクトで持ち運びやすい。
AmazfitのスマートウォッチをOpen AIのGPT4.oの技術で音声で操作できる「Zepp Flow」もこのActive 2で利用可能です。この機能は昨年7月に公開されたもので、T-Rex 3、Cheetah、Balanceと同じようにActive 2でも使うことができます。
使い方としてはAcitve 2のアプリ一覧から「Zepp Flow」のアプリを起動して使いますが、最初に起動するとウォッチ左側面の物理ボタンの長押しで起動するように促されます。起動するとディスプレイに音声指示待ちのサインが表示されます。
機能としては例えば「3分のタイマーをセットして」といえばタイマーのアプリが起動してカウントダウンが始まります。その他だと「前回、どのくらいの距離を走った?」と聞けば前回のランニングのログを開いてくれます。できることは多岐に渡りますが、基本的にはウォッチの機能を呼び出すためのものです。それ以外のこと、例えば「今日の主なニュースを教えて」と聞くとスマホのニュースアプリで調べるようにと音声で返してきます。

Zepp Flowの使用例。「タイマー3分」とこちらから言うと、ディスプレイで表示してからタイマーのカウントダウンが始まった。

こちらは「三日前のワークアウト」の内容を表示するよう指示したが、実際には三日前にはワークアウトをしていないので、スマホアプリで確認するようにとの返事。

前回のワークアウトの内容についての質問には正しく答えてくれた。

今度は前夜の睡眠のうち、深い睡眠の時間を質問したところ、正しく返答があった。
正直なところ、これまではこの機能で何ができるのかイメージが持てなかったのであまり使っていませんでしたが、改めて試してみると音声認識もスムーズで便利な機能です。ウォッチやZeppアプリを開けばわかる情報を音声で質問するだけで取り出せる、と考えれば良さそうです。
スマホのメッセージアプリからの通知を開いてウォッチで音声入力して返信する機能もあるのですが、Androidスマホのみに対応で、iPhoneは対応していません(残念)。
ちょっと気になったのは「Zepp Flow」でウォッチが答えてくれる時の音声の音量です。結構大きめの音でわかりやすいのですが、ちょっと大きすぎるかなとも感じます。音量の調整ができませんが、回答中にボタンを押したりディスプレイをスワイプすると読み上げ音声は止まります。
トレイルランニングでも便利
ランナーのためのウォッチとして Active 2 を使ってみると、非常に良い感じです。
T-Rex 3と同等の精度を誇るという新しい心拍数アルゴリズムを採用する心拍計は、一緒に腕に着けていたApple Watchとほぼ同じ数字を示していました。長時間のトレイルランニングで、心拍数に上限を設定してペースをコントロールするのにも安心して使えるでしょう。もちろん、インターバルトレーニングなどの高強度トレーニングでも信頼性の高い心拍数データが得られるのは安心です。
バッテリー持続時間についても、スタート前に満充電なら100kmクラスのウルトラトレイルは途中の充電なしで完走できる場合も多いでしょう。
オフラインマップを使ったナビゲーションも試しましたが、Amazfitの他のフラッグシップモデルと同じように使うことができました。等高線付きマップにこそ対応していませんが、山やトレイルであっても事前に読み込んだルートに沿ったナビゲーションができるので、道迷いのリスクを避けるには十分な機能です。

Zeppアプリの「ワークアウト」→「マイルート」から選んだコースをウォッチに転送する(左)。オフラインマップはZeppアプリの「デバイス」→「マップ」から範囲を選択してウォッチにダウンロードする。Bluetoothによる転送なので7、8分ほどかかる。

コースとして読み込んだ赤色のルートに従って走る。左はコースを逸脱し始めたことがわかる。右は公園内の里山で、マップに登山道や等高線のデータはないものの、ナビゲーションには有効だろう。

コースを逸脱すると、アラームが表示される(左)。引き返してコースに戻るとコースに戻ったことが表示される(右)。
特にオフラインマップ機能は、同価格帯の他社製品には見られない機能であり、トレイルランニングやハイキングなどのアウトドアアクティビティで安全に行動するのに役立ちます。
まとめ・アクティブなライフスタイルにはベストなパートナー、ナビゲーション機能を備えてこの価格は全てのランナーにとって朗報
Amazfit Active 2は「Active Now」というコンセプトのもと、アクティブなライフスタイルを送るユーザーをサポートするために設計されたスマートウォッチです。運動や睡眠のデータを記録するだけでなく、日々の心身の準備状態=レディネスやリカバリー状況を把握し、最適なコンディションでアクティビティに取り組めるようサポートしてくれます。
2万円を切る価格帯で、オフラインマップ機能、5衛星測位システム、10日間のバッテリー持続といった上位モデルだけが備えていた機能を備えたスマートウォッチは、他社製品を見渡しても他に見当たりません。コストパフォーマンスを重視するアスリートにとって、Amazfit Active 2は間違いなく最良の選択肢の一つといえるでしょう。
特にトレイルランニングやアウトドアスポーツを楽しむ方には、大きなアウトドア向けの上位モデルを身につけなくても、普段から使えるデザインのハイコスパモデルでオフラインマップ機能が使えるActive 2は画期的な製品です。この春からのトレイルランニングシーズンに向けて、検討してみる価値のある製品です。
Amazfit Active 2 はAmazon、楽天、Yahoo!ショッピングやヨドバシ、ビック、ヤマダなど各地の家電量販店で販売されます。
Amazon公式店舗
Amazfit公式楽天市場店
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Amazfit公式Yahoo!店
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