UTMBワールドシリーズは、2025年10月17日から19日にかけ、インドネシアで初となるイベント「トレイル・オブ・キングス – レイク・トバ by UTMB (Trail of Kings – Lake Toba by UTMB)」を開催すると発表しました。この新イベントは、スマトラ島北部の世界最大のカルデラ湖であるトバ湖に位置する広大な火山島、サモシール島 Samosir Islandを舞台に、UTMBの経験をインドネシアのトレイルランニングコミュニティにもたらします。
バタック族の遺産をめぐる
大会名称である「トレイル・オブ・キングス」は、バタック族 Batakneseの豊かな遺産に敬意を表しています。かつて、この地域の祖先の王たちは、深いジャングルや山岳地帯に道を開き、コミュニティを築き上げました。ランナーは、その王たちの足跡を辿り、5km、10km、28km、60km、100kmの5つの距離で聖なる土地を駆け抜けます。
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トバ湖の自然の美しさは唯一無二であり、険しい地形や密林から世界最大の火山湖に至るまで、多様な景観が広がっています。コース全体では、地元のボランティアがエイドステーションでランナーを迎える予定で、コミュニティとの一体感が特徴となるでしょう。

アジアにおけるトレイルランニングの成長
アジア地域ではトレイルランニングの勢いが増しており、人気が拡大しています。2024年には、およそ17万人のアジア人、そして6,500人以上のインドネシア人がトレイルランニングを経験しています(UTMBインデックスの保持者数)。また、2024年にアジアで開催されたUTMBワールドシリーズのイベントには、合計で2万3,500人ものランナーが参加しており、地域におけるトレイルランニングへの強い関心が示されています。インドネシアではランニングが最も人気のあるスポーツの一つとして挙げられています。
今回、UTMBワールドシリーズイベントとして正式に開催される運びとなった「トレイル・オブ・キングス」は、昨年2024年5月に「トレイル・オブ・ザ・キングス ゼロエディション (Trail of The Kings Zero Edition)」として開催され、12カ国から736人のランナーが参加し、UTMBワールドライセンス獲得が期待されていました。このイベントの成功が、今回のUTMBワールドシリーズへの加入へと繋がりました。

関係者コメント
UTMBワールドシリーズのエグゼクティブ・ディレクターであるフローリアン・ランブリン Florian Lamblinは、「『Trail of Kings – Lake Toba by UTMB』は、我々にとって重要な節目となります。インドネシアで初めてのイベントであり、アジアで最も壮大な地域の一つで開催されることは、大きな意味を持ちます」と述べています。
北スマトラ州知事 ムハンマド・ボビー・アフィフ・ナスーション Muhammad Bobby Afif Nasutionは、「このイベントは単なる競技会ではなく、北スマトラの豊かさを世界に発信する重要な機会です。これにより、より多くの外国人観光客を誘致し、地域経済の活性化、特にトバ湖地域の経済成長を促し、インドネシアのスポーツツーリズムを国際舞台で象徴する存在となることを期待しています」とコメントしました。目標は25カ国から2,200人のランナーを誘致し、さらには5,000人規模のイベントに拡大することを目指しています。
インドネシアのランナーからも期待の声が寄せられています。ルース・テレジア Ruth Theresia (IDN)は、「母国でUTMBイベントが開催されることは、個人だけでなくコミュニティにとってもまさに歴史的な瞬間です。インドネシアがその自然、人々、文化を世界に示し、グローバルなトレイルランニングシーンに存在感を示す機会となります。また、インドネシアのアスリートが夢を追い、世界レベルで競い、スキルを向上させるチャンスでもあります」と語りました。また、ウピ・スプリアトナ Upi Supriatna (IDN)は、「インドネシアには素晴らしい山と自然の景観、ユニークで魅力的なコースを持つ山々があり、どのレースでも天候に恵まれていますが、トバ湖はまた違った挑戦を提供してくれます」と期待を寄せています。
エントリー受付は7月開始
2025年開催の Trail of Kings – Lake Toba by UTMB のエントリーは、UTMBインデックス保持者を対象とする優先エントリーは7月14日、一般エントリーは7月16日に開始されます。完走者には、UTMBワールドシリーズ・ファイナルの抽選に参加するためのランニングストーンが付与されます。
(Source: UTMB World Series)