エルハウジン・エラザウイとジョイス・ニェルが2025年Broken Arrow Skyraceで優勝、晴天の下での激戦を制す【GTWS 第5戦】

米国のカリフォルニア州オリンピック・バレーで6月22日日曜日に開催されたGTWS（ゴールデントレイルワールドシリーズ）の第5戦、ブロークン・アロー・スカイレース Broken Arrow Skyrace は、前日の雪模様から一転、完璧な晴天の下でスリリングなレースが繰り広げられました。男子はエルハウジン・エラザウイ Elhousine Elazzaoui (MAR)、女子はジョイス・ニェル Joyce Njeru (KEN)が優勝を飾りました。

この距離23km、累積標高差1,533mD+のレースは、GTWSとWMRA（世界マウンテンランニング協会）によるマウンテンランニングW杯の二つのシリーズのレースを兼ねていました。

女子はニェルが連覇、大会新記録で今季初勝利

女子のレースは、序盤からジョイス・ニェル Joyce Njeru (KEN)とマダリナ・フロレア Madalina Florea (ROU)の二人がレースをリードして始まり、その後もコースの大部分で並走する展開となりました。その後方では、アナ・ギブソン Anna Gibson (USA)とローレン・グレゴリー Lauren Gregory (USA)が1分差で追走します。

最後のピークを越えて得意の下りに入るとンジェルがニェルがスパートをかけ、フロレアを引き離しました。最終的にンジェルは2時間1分6秒でフィニッシュラインを通過し、フロレアに45秒以上の差をつけて勝利。昨年のこのレースに続いて連覇を達成するとともに、今シーズンのGTWSで初勝利を手にしました。さらにこの日の完走タイムは、昨年の自身の優勝タイムを10分以上短縮し、2022年にソフィア・ラウクリ Sophia Laukli (USA)が樹立した大会記録（2時間6分18秒）を上回る快挙でした。

優勝したニェルは「昨年、すべてはここブロークン・アローから始まりました。金曜日のバーティカルでの2位に続き、今日の勝利で私のシーズンが新たに始まったように感じます。素晴らしい週末になりましたし、これからの戦いに向けて準備は万端です。」とコメントしています。

Broken Arrow Skyrace 女子のトップ5。Photo © Anthony Dx / GTWS

男子は三つ巴の激戦に、最後にエラザウイがスプリントで制す

男子レースは、今シーズンのGTWSを象徴する三つ巴の戦いとなりました。エルハウジン・エラザウイ Elhousine Elazzaoui (MAR)、パトリック・キプンゲノ Patrick Kipngeno (KEN)、そしてフィレモン・キリアゴ Philemon Kiriago (KEN)の3人が、今シーズン初めて直接対決しました。

男子のレースは三選手が揃ってレースをリードした。 Photo © Colin Olivero / GTWS

スタート直後から3人の間で先頭争いとなり、クリス・アレン Christian Allen (USA)とルーカス・エアル Lukas Ehrle (GER)が追う展開になります。コース最高地点の12km地点では、先頭の3人は後続集団との差を30秒に広げました。登りに強いキプンゲノに対し、下りを得意とするエラザウイとキリアゴという構図の中、レースは最終盤まで3人が集団で進みます。

勝負は最終盤までもつれ込み、最後はエラザウイが力強いスパートで抜け出し、1時間43分53秒で優勝のベルを鳴らしました。この勝利により、エラザウイは2025年のGTWS年間ランキングで首位の座を奪還しました。