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Dreame Technology Japan株式会社は10月17日にコードレススティック掃除機の新製品となる「 Dreame X1 Air」と「Dreame X1 Slim」を発売しました。「X1 Air」は超軽量で日常生活での使用に適しているのに対し、「X1 Slim」はより強力な吸引力とバッテリー容量で犬猫の毛対策に威力を発揮します。
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DogsorCaravanではメーカーからレビューのために「X1 Air」をお借りし、筆者である岩佐が一週間にわたって自宅で使ってみました。
最新の家電製品のレビューとなると、技術やデータが話の中心になりがちです。もちろん「吸引力(AW)」や「バッテリー(分)」といったスペックは重要です。しかし、今回紹介する掃除機は生活に密着した道具です。現実に使ってみて、生活を豊かに、快適にしてくれるかどうか、が大事なはずです。
今回、縁あって夫婦二人の2LDKの我が家にやってきた「Dreame X1 Air」は、掃除という行為に対する長年の心理的ハードルを、見事に打ち破ってくれました。スペックだけではわからない「日常の使いやすさ」こそ、この新製品の真価です。
「大は小を兼ねる」とはいかなかった、今までの我が家の掃除
拙宅は決して広くはなく、夫婦二人暮らしで日常的に何かで汚れては掃除の繰り返しというわけではありません。しかし喉や鼻が敏感な妻は綿ぼこりのようなハウスダストにも敏感で、床や家具の汚れに目を光らせています。筆者も常々、「掃除はきちんとしないといけない」とお説教されています。
しかし、掃除とは「煩わしい」ものでした。
二人で生活を始めた約10年前に購入したのは、パワー重視の日本製キャニスター型掃除機でした。吸引力は強く、ゴミは紙パック式でケアも簡単なはずでした。
しかし、実際は快適な掃除生活とはいきませんでした。掃除を始めようとすると、まずクローゼットから重い本体を引きずり出し、コードを伸ばし、コンセントに挿す。掃除中は、長いホースの先の本体をガラガラと引きずり回すことになります。フローリングの床に傷がつくのではないかと、常にヒヤヒヤします。床にあるクッションをどけるにも、一度本体を置いて、持ち上げて、と動作がとにかく多い。別の部屋に移るたびにコンセントを差し替える必要があります。
しかも、紙パック式はゴミが取れた実感がまったくない。一度の掃除では紙パックを交換するほどゴミが取れるわけではありません。しかし何度も掃除してゴミが溜まるまで置いておくのは不衛生な気もします。長く使っていると紙パックと本体のプラスチックの接合部からホコリが漏れているんじゃないか、と気になってきます。
この煩わしさからに耐えかね、筆者のデスク周り用にハンディ掃除機を導入したのは5年前でした。これはペットボトルほどのサイズで便利でしたが、便利だからと床掃除に使うと、すぐに不織布のフィルターが詰まってしまい、吸引力が落ちてしまいます。こまめなフィルター掃除が必要で、別の「面倒」が発生してしまいました。
進化していたコードレスのハンディ掃除機
これまでの掃除で感じていた不満から、私たちが本当に求めていたのは、 「コードの煩わしさから解放されたい」 「でも、ハンディ型のようにすぐパワーが落ちるのは嫌だ」 「重いのは論外。気づいた時にサッと使いたい」 「ハウスダストのアレルギーの心配をしなくてもいいように、排気はクリーンであってほしい」といったことだとすぐ気づきました。
コードレスのハンディ掃除機がニーズを満たしてくれるのではと思いましたが、当時は吸引力が高くバッテリーが長持ちする製品は高価。小型で安価なものは使い勝手が気になりました。
しかし、今回発売された「X1 Air」について調べてみると、小型のコードレススティック型掃除機についてのこうした懸念も過去のものとなっているようです。

Dreameのプレス発表資料より。
- 本体0.9kgという、圧倒的な軽さ。
- 5万円前後という、納得感のある価格。
- それでいて、暗所を照らす「LEDライト」(CelesTectテクノロジー)と、「スマートセンサー」(吸引力自動調整)まで搭載している。
この価格帯と1kgを切る軽さで、最後の2点(ライトとセンサー)を両立している機種は非常に少ない。これなら筆者と妻の二人が掃除機に求めていることを満たしてくれるかもしれません。

今回レビューする「X1 Air」と同時に発売された「X1 Slim」のスペック。Dreameのプレス発表資料より。
0.9kgが変えた「掃除の景色」
「X1 Air」が届き、箱から出して組み上げた瞬間、思わず「これ軽っ!」と声が出ました。メインのブラシユニットを装着しても約1.4kg(標準重量)。片手で難なく持ち上げられる重さです。

アタッチメントをつけない本体のみで0.9kg、つけた状態で1.4kgと軽量。
そして、付属のスタンドは床面に置くことができ、掃除機本体は自立します。従来のスティック型掃除機に抱いていた「壁に穴を開けて金具を取り付ける」という懸念は不要でした。スタンドに立てるだけで自立するので、壁に傷をつける心配がなく、置き場所を気軽に変えることもできます。

床に置いたスタンドに置くだけで自立する。
この「軽さ」と「設置の手軽さ」は大袈裟かもしれませんが、我が家の掃除風景を一変させたのです。
まず、掃除機をかける場所が床だけでなく、自由自在になりました。 フローリングを掃除しながら、気になるところがあればそのまま本体のハンドルを持ち上げて、壁際の巾木(はばき)の上をなぞる。さらにアタッチメントをコンビネーションツールに切り替えて、テレビ台、カーテンレール、照明のシェードの埃を吸い取る。デスクの上のキーボードやワーキングチェアの細かい隙間も同じ流れで掃除できてしまいます。

本体が軽量なので壁や天井に向けるのも楽だ。

アタッチメントを交換することで細かいところも掃除しやすい。
今までなら年末の大掃除でしか触らなかった場所が、すべて日常のついで掃除のエリアに変わりました。軽い力で持ち上げることができるだけで、掃除の守備範囲は劇的に広がるんですね。

ソフトブラシを使うとデリケートな表面も掃除できる。
X1 Airを部屋の隅に置いてからは、自宅でのデスクワークの間にトイレに行ったり、飲み物を撮りに行ったりする合間の気分転換に掃除をするようになりました。私にとっては「掃除が面倒」なのではなく、「重い道具を引っ張り出し、コードを差し替え、引きずり回すのが面倒」だったのです。
感動レベルの「可視化」と「ストレスフリー」
X1 Airは掃除の「面倒」を「手軽」に変えてくれましたが、標準付属品の「AirLiteイルミネーションソフトローラーブラシ」は掃除の「作業」を「快感」に変えました。特にこのソフトローラーブラシに搭載された3つの機能に驚かされました。
1. CelesTect(セレステクト)テクノロジー
ブラシのヘッドにLEDライトが点灯する。最初は正直、この機能をおまけ程度に考えていました。しかし、それは「X1 Air」の体験における核心ともいえる機能だったのです。
初めて電源を入れた時、ブラシヘッドの「140°広角緑色LEDライト」が、床を斜めから照らし出しました。その瞬間、「こんなに埃があったんだ」とびっくりしてしまったのです。

目で見えなかった埃も丸見えに。
薄暗いフローリングの床、壁と家具が接する角、ソファーの下といったところは、掃除機には死角になりやすいところです。 今までは「たぶんキレイになったはず」と思って掃除を終えていました。
しかしソフトローラーブラシのヘッドライトを点灯させたX1 Airを差し込むと、肉眼では見えなかった綿埃や微細なチリが、ライトに照らされて白く浮かび上がるのです。
見えたらそのままにはして置けません。幸い、ブラシヘッドはギリギリの角にある埃も吸い取ってくれます。この「ホコリを可視化し、仕留める」というプロセスが、驚くほど気持ちいいのです。掃除の達成感が、これまでとは比較にならないほど高まりました。この機能は掃除へのモチベーションを維持してくれる最大の功労者だと言って間違いありません。
2. 絡まり防止コーム
これまでの掃除機で地味に煩わしかったのが、ブラシへの毛絡みでした。床に接するローラーが回転するうちに髪の毛が絡みつき、回転しなくなって埃を巻き上げる力も落ちてしまう。掃除をした後に気がついて、絡まった毛を解きほぐすのですが、汚れたローラーを掴んで力づくで髪の毛を引っ張る作業は煩わしいと言わざるを得ません。
X1 Airのソフトローラーブラシには、「絡まり防止コーム」構造が備わっています。この1週間、フローリングやカーペット、ラグを毎日掃除しましたが、ブラシに髪の毛が絡みつくことはありませんでした。ブラシについてはメンテナンスをあまり気にしなくてよいようです。あのストレスから解放されたのはありがたいことです。

ローラーの表面に密着するように、ギザギザの絡まり防止コームが設けられている。
3. コンパクトで小回りが利くヘッド
そして、このソフトローラーブラシ自体の設計が拙宅の環境に最適でした。ブラシヘッドは非常に高さが低い「ロープロファイル」設計となっており、公式によれば高さ11cmの隙間に対応できるとのこと。幅も250mmとコンパクトです。

AirLiteイルミネーションソフトローラーブラシはコンパクト。
さらにホース部分とは縦方向だけでなく横方向にも柔軟に折れ曲がるため、小回りが利きます。これまで掃除機のヘッドが入らず、見て見ぬふりをしてきたソファーの下、テレビ台と壁の間のわずかな隙間もブラシヘッドを差し込んで前後に動かすことができます。少し腰を落とすだけで、デスクの下の奥まで、あの緑色のライトがホコリを照らし出しながらスルスルと入っていきます。

狭い空間にもソフトローラーブラシを差し込んで掃除ができる。
「軽さ」と「小回りの良さ」が組み合わさることで、掃除できる範囲が物理的に広がり、ストレスはさらに解消されました。
「軽かろう弱かろう」を覆す、賢い基本性能
とはいえ、軽くて快適でも、ゴミや埃を吸引してくれなければ意味がありません。「X1 Air」の最大吸引力は80AW、モーターは毎分12万回転というスペックで、結論から言えば我々の2LDK(フローリング、カーペット、一部はラグ)の掃除には十分すぎるパワーです。
フローリングに落ちた髪の毛、キッチンにこぼしたコーヒーの粉、カーペットの繊維の間に潜む埃をを確実に吸い取ってくれます。
そして、この基本性能をさらに信頼できるものにしているのが「スマートセンサー」です。床面の状態やゴミの量を検知し、瞬時に吸引力を自動で調整してくれます。
フローリングの上を静かに滑っていたかと思うと、ラグマットに乗り上げた瞬間、あるいは部屋の隅のホコリが多い場所にヘッドを入れた瞬間、モーター音が「キュイーン!」という甲高い音に変わり、自動的に吸引力が強くなる。この時、本体のディスプレイも赤いLEDが点灯します。

フローリングからラグマットにヘッドを動かしたら埃を検知した掃除機が自動で吸引力をアップしてくれた。
「お、今、頑張って吸ってるな」と体感できるというわけです。この「機械に任せておける」感覚と、「ちゃんと仕事をしてくれている」という視覚(LED)と聴覚(モーター音)を通じた信頼感が、実に快適です。吸引力を調整することでバッテリーの無駄遣いも防げます。一度の充電で最長35分稼働するので、拙宅をくまなく掃除してもバッテリー切れの心配はありませんでした。
痒い所に手が届く「メンテナンス」と「アタッチメント」
掃除が手軽になって毎日のように掃除をするようになると、掃除機のメンテナンスの頻度も上がりますが、X1 Airはそこもよく考えられています。
まずはゴミ捨て。8連のマルチサイクロンフィルターにより、ごみやホコリはまずダストカップの底に分離・蓄積されます。これにより、後に続くフィルターの汚れは最小限に抑えられる。実際、1週間使っても、最後に控えるHEPAフィルターは目視でホコリが確認できないほどきれいなままです。
普段のお手入れは、ダストカップに溜まったゴミを捨てるだけ。サイクロンユニットも工具不要で取り外せ、軽く叩けば中に溜まった埃を落とすことができます。丸ごと水洗いすることもでき、夜に洗っておけば、翌朝には乾いていました。
メンテナンスがし易くても排気の清潔さは犠牲にしていません。ダストカップから始まってHEPAフィルターまでで構成される「5層ろ過システム」は0.1μmの微細粒子を99.99%捕集するといいます。運転中の排気は驚くほどクリーンで、掃除機特有の嫌な匂いも感じません。
付属するアタッチメントを活用すればさらに痒い所に手が届く使い方ができます。基本の「AirLiteイルミネーションソフトローラーブラシ」で床掃除は完璧ですが、付属するソファーやベッド用の「ミニモーターブラシ」、部屋の隅や窓の桟(さん)に最適な「コンビネーションツール」、デスクやキーボード、デリケートな棚の上を掃除するための「ソフトダスティングブラシ」はすべてスタンドに収まります。
あえて言うなら、ここが惜しい
「X1 Air」を使った掃除の体験はほぼ満点ですが、唯一「惜しい!」と感じたのは「充電のスマートさ」です。
本体のハンドルと一体となったバッテリーを取り外して充電できるのは良いのですが、バッテリーをつけたままスタンドに立てた状態で充電する場合は、「スタンドに立てて、さらにACアダプターから伸びる細い専用端子をバッテリーの充電口に手で挿す」という手間が必要になります。

掃除機を使うたびに毎回充電ケーブルを本体に抜き差しすることになる。
これがスタンドに置くだけで充電が開始されたら、スッキリして気持ち良いだろうな、と思います。ただ、これも恐らくは驚異的な軽さとシンプルさを実現するためのトレードオフなのでしょう。
バッテリーの充電自体は3時間と非常に早いので、実用上は大きな問題ではないと割り切ることもできます。
まとめ:「ちょうど良い」という最強のバランス
「X1 Air」には絶対的な吸引力や、ホースが折り曲がって腰を落Tさずにブラシヘッドが隙間に入っていくというようなギミックはありません。
しかし、「X1 Air」はこの価格帯とバッテリーの持続時間で比べると、他の製品にはない「圧倒的な軽さ」という魅力があります。この軽さを実現しながら、「CelesTectテクノロジー」や「スマートセンサー」、「5層ろ過システム」、「絡まり防止コーム付きブラシ」といった、日常の快適さに直結する機能をしっかり備えています。
そう考えると、私のような普通に暮らす人が、毎日ストレスなく使うためのちょうど良いバランスの頂点に、この「X1 Air」は位置する掃除機なのでしょう。
私のようにキャニスター型の掃除機を持て余している人は今や少数派かもしれませんが、掃除機に何か不満を感じている人が「X1 Air」を使えば、ぴったりのサイズ感、使いやすさ、取り回しやすさ、そして収納のストレスのなさ、に満足できる可能性が高いでしょう。
「掃除が面倒」から「手軽」へ、さらには「掃除が快感」といえる体験をさせてくれたのが「Dreame X1 Air」。掃除を“義務”から“達成感を得るための能動的な楽しみ”へと変えてくれる、そんな力を持った製品です。
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