柴古唐斯 Tsaigu Trail 105K、男子はチャン・フオフア張火話が優勝、上田瑠偉が３位に、女子はハウ・ハーティHau Ha Thiが勝利

中国浙江省・臨海で開催中の「柴古唐斯 Tsaigu Trail」は11月1日、レースのハイライトとなる105kmカテゴリーが行われ、男子はチャン・フオフア張火話 Zhang Huohua (CHN）が激しい競り合いを制して優勝し、女子はベトナムのハウ・ハーティ侯孝慈 Hau Ha Thi (VNM）がタイトルを手にしました。

レース距離は実測で106.3km、累積獲得標高は6,583mに達する過酷なコースでした。気温や湿度の変化に加え、テクニカルな登下降が続く、柴古唐斯特有の難関コースが舞台となりました。

男子はチャン・フオフアが後半の追い上げで戴冠

レース序盤は中国の ツォン・ウェンボー曾文波（Zeng Wenbo・CHN）が先頭を引っ張る展開となりました。上田瑠偉（Ueda Ruy・JPN）、モン・ガンフー蒙光富（Meng Guangfu・CHN）、ポルトガルのミゲル・アルセニオ（Miguel Arsenio・PRT）、ルーマニアのラウル・ブタチ（Raul Butaci・ROU）など、国際的な強豪が続きました。

その後、上田瑠偉が得意の登りでレース前半に一時首位に立ちました。しかしレース半ばの急登を過ぎた後、チャン・フオフア張火話が見事なペースアップを見せ、51.7km地点のA6でトップに浮上しました。その勢いを維持し、中盤の大きな登りと続く下りのセクションでチャン・フオフアはリードを広げました。

終盤は膝を負傷しながらも粘り強い走りを見せた上田はその後も懸命に追いますが、チャン・フオフアが振り切り、11時間19分49秒でフィニッシュ。2024年のCCCで5位となった経験を持ち、この大会では2023年の115kmで優勝した経験を持つものの、今シーズンは苦しいレースが続いていたチャン・フオフアが再びTsaigu Trailで頂点に立ちました。優勝後、チャン・フオフアは歓喜の涙を流し、「この勝利は苦しい時期を乗り越えた証です」と語りました。

2位争いは上田と、コース後半にペースを上げてきたモン・ガンフー蒙光富との間のバトルとなりました。昨年のこの大会の50Kで優勝の上田と準優勝のモン・ガンフーの間で再び争うこととなりましたが、今回はモン・ガンフーが最後に上田を引き離しました。

モン・ガンフー蒙光富が11時間29分35秒で2位、上田瑠偉は11時間35分24秒で3位となりました。モン・ガンフーは今年のマウントフジ100のASUMI40Kで優勝したことで日本でも知られます。上田は中国で最もハイレベルな争いが繰り広げられるトレイルランニング大会として知られるTsaigu Trailで、昨年の50kmでの優勝に続き、今年は105Kでトップ3入りを果たし、中国のトレイルランニングコミュニティの間で改めて日本の第一人者として存在感を示しました。

女子はハウ・ハーティが独走で優勝、総合11位の快走

女子のレースは序盤からベトナムのハウ・ハーティ侯孝慈（Hau Ha Thi・VNM）が主導権を握りました。フランスのオーロール・ダシエ（Aurore Dacier・FRA）選手と中国のチェン・リン陳霖（Chen Lin・CHN）選手が続きましたが、チェン・リンは中盤でリタイアを選びます。後半はハウ・ハーティが得意の登りでリードを広げ、最終盤には10分以上の差をつけてフィニッシュしました。

ハウ・ハーティは13時間27分36秒で女子優勝、男女総合でも11位に入る快走を見せました。2位はオーロール・ダシエ Aurore Dacier（13時間55分55秒）、3位にはチー・リンジェ遅令杰（Chi Lingjie・CHN）が14時間08分08秒で続きました。チー・リンジェはこの大会と同じ浙江省で二週間前に行われたUltra-Trail Ninghai by UTMBの105Kで優勝したばかりで、現地では「中国女子の“大魔王”」とあだ名されるに相応しい安定感を示しました。