はじめに
当サイトはトレイルランニングとそれに関連するスポーツやアクティビティについてのオンラインメディアとして運営しています。トレイルランニングのスポーツとしての歴史はまだ浅いですが、海外ではドーピングに関する出来事や考え方が時おり話題となっています。
当サイトにおいてのドーピング、およびドーピングに関わった選手やその関係者に関する報道の方針を次のように定めます。この方針は定めた時点での状況をもとに熟慮をして定めたものですが、今後のトレイルランニングをめぐる状況の変化に応じて改める場合があります。
ドーピングについての当サイトの姿勢
他のスポーツと同様に、トレイルランニング(自然な環境の中で行われるランニングを総称し、他の呼び名を持つ場合も含む広義のトレイルランニング。以下同じ)においてもドーピングはフェアプレーの精神に反する行為です。また、選手自身の健康を害する行為でありスポーツの価値観に反します。さらに「やった者勝ち」を許すことによる不公平がスポーツ全体の価値を損なうことから、ドーピング行為の抑止は徹底して行う必要があります。
トレイルランニングは自然環境の中で、時にはその脅威に身をさらすスポーツです。このため全てのトレイルランニングの競技者、愛好者には自らの安全を守る責任が他のスポーツ以上に求められます。また互いを尊重し、必要があれば助け合うことも同じく他のスポーツ以上に求められます。こうしたことからトレイルランニングにおいてドーピング行為は他のスポーツ以上に重大な行為であり、その抑止も他のスポーツ以上に徹底されるべきです。
こうしたことから、スポーツの種類を問わずドーピング行為により「クロ」となった選手あるいは関係者はトレイルランニングの大会において行われる競技に参加すべきでなく、トレイルランニングの各大会はこうした選手や関係者の競技への参加を認めるべきでない、当サイトは考えます。
このことは、当該選手のドーピング行為について各種の競技団体等で決定された処分の期間中はもちろんのこと、その処分が終わった後についても当てはまります。前述の通りトレイルランニングでは他のスポーツ以上にドーピングに対して厳しい態度を取るべき理由があるためです。
また、多くのドーピング行為は長期間にわたってその効果が持続し、効果の持続する期間と処分期間との間に直接の関連はない、という研究結果があるとされています。これが正しければドーピング行為への厳しい態度の理由に加わります。
ドーピングに関わった選手やその関係者に関する当サイトの報道の姿勢
以上の考え方を踏まえ、当サイトではドーピング行為の抑止に資することを目的に、トレイルランニングの競技におけるドーピング行為とそれに対する各種の処分については積極的に報道します。
さらに、スポーツの種類を問わず過去にドーピング行為により「クロ」となった選手あるいは関係者については、処分期間が終わった後であってもそのことを考慮した報道をします。考慮には、当該選手等の競技への参加の事実や記録は報道してもそれ以上の活躍を伝える報道は控えること、当該選手の活動について言及する場合にはドーピング行為を行なった経緯があることもあわせて言及すること、が含まれます。
ただし、スポーツの大会はパフォーマンスを競い合う「競技」だけが目的ではありません。とりわけ、トレイルランニング大会の中には、競技は非常に小さな目的でしかなくトレイルランニングを通じた地域振興、観光開発、自然環境保護のための啓発を主な目的としたものが少なくありません。このように競技が主な目的でないトレイルランニング大会においてまで、当該選手の過去のドーピング行為に言及するのはバランスに欠くと考えます。
このため、当面はこうした競技を主な目的としない大会における当該選手の活動について言及する際には、過去にドーピング行為を行なった経緯があることは言及しないこととします。なお、2017年の現時点では日本のトレイルランニング大会の大半は競技を主な目的とするとはいいがたいと考えます。
最後に
当サイト、DogsorCaravan.comは競技だけがトレイルランニングの魅力ではないと考えており、トレイルランニングの幅広い魅力、トレイルランニングを通じた自然と人間の素晴らしさを伝えます。
ただ、トレイルランニングにおいて競技は大きな意味を持つ要素であると考えており、とりわけ日本のトレイルランニングについては競技を通じることで、より一層魅力を伝えることができることに期待しています。
トレイルランニングがクリーンなスポーツであり続けることを願います。またトレイルランニングはクリーンなスポーツであることで、その魅力がひときわ輝くと考えています。
(2017年3月27日・DogsorCaravan.com編集人 岩佐幸一)