iPhoneのアプリとしてHPの関数電卓が発表されたと聞いて、app storeをみてみると12Cのアプリがあった。1,700円とやや高価なアプリだが買ってみた。このように正確に12Cのレイアウトを再現しており、独特のプチプチしたキーの感触こそないが、クリック音はある。
HP12Cといえば非常に有名な金融向けの関数電卓で、現在価値、内部収益率の計算等々非常に高機能な電卓。私と12Cの接点は、社会人になって4年目にニューヨークに2週間のセミナー出席のため出張したときに、講師がこれを使って説明をしているのを聞いたときに遡る。
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その後、アメリカに留学した際に一応のたしなみとしてハードウェアとしての12Cも購入した。しかし、当時のビジネススクールの授業でも12Cをポチポチ押してあれこれ計算するという場面は少なく、様々な計算は既にPCのエクセルを使って行っていた。
ソリッドな質感、機能的で打鍵感のあるキーボード。そして詰め込まれた高度な機能。武士の刀のような道具の美が宿っている。例え道具としての機能は使わなくなっても、いやむしろ機能を用いなくなったからこそ、うちに潜む美しさが全面に表れてくる。
正直にいえば、私自身はRPNという独特の入力方法や各種の高度な金融計算の手法などを十分習得していないため、普通の電卓ほども使うことができない。しかし手元には英語のマニュアルもあるので、今回のアプリ化を機に使い方を復習してみようかと思っている。
*先日日経新聞朝刊で連載されていた山口晃氏の「美のよりしろ」。とてもおもしろかったので、マネをしてみるテスト。「よりしろ」とは神霊が現世に現れるときに乗り移るもので、「美のよりしろ」とは特に美を宿らせようとは意図されていないのに、見る人がそこに自由に美を見いだせる対象、というくらいの意味かと思います。