日本でようやく販売されるようになったゼロドロップのトレイルランニングシューズ、Altra/Lone Peak。当方の手元にもサンタさんが届けてくれたので、クリスマスの12月25日の鏑木さんによるOSJロングトレイルセミナーで早速試してみた。
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42.5キロほどの三浦半島のトレイルおよびロードを ゆっくり走ったが、よい感じ。前足部から着地するミッドフットの走法を強いられるが、それなりにミッドソールと突き上げ防止のプレートが入っているので、安心して着地できる。これにより無理なフォアフットでふくらはぎを傷めるリスクを小さくできる。100キロ、100マイルのレースでも使えそうだ。
ただし、履き口でくるぶしを囲むクッションがほとんどなく、いわゆるヒールカップはどこか不安定な感じ。これはねらった設計とのことだが、このようなランニングシューズはこれまでほとんどないので、慣れるまでは違和感があるかもしれない。
また、どのようなベアフット、前足部とかかとの高さの差が小さいシューズにも共通だが、従来の普通のシューズから慣れるまでは、頻度や距離は抑えて少しずつ慣れていくべきだ。
具体的な機能などは、現在このシューズを販売している数少ないショップである三鷹・Hiker’s Depot、芦屋川・Skyhigh Mountain Worksの両店の紹介記事をご参照。いつもながらこういう気合の入った記事が参考になる。Altra社の公式サイトもご参照。
Hiker’s Depot – ヒールストライクを最小限に抑えるシューズ「ALTRA」入荷
以下、追加の印象。
・最初の着用感。どうも不思議な感じ。前足部とかかとの高さの差がゼロのゼロドロップがこのシューズの最大の特徴。ちなみに現行のNB/Minimus Trail MT10はこの高さの差が4mm。通常のランニングシューズは10mmから12mm程度。履いて立ってみると、重心がいつもよりは後ろにきている。
・幅広のオブリークトゥ。つま先は足指の形に扇型に広がっている。いわゆるトゥボックスが広い。この形状ゆえか購入した三鷹・Hiker’s Depotの長谷川さんからはいつも履いているランニングシューズからはワンサイズ下げることをすすめられ、このアドバイスは正解だった。
・独特の緩いヒールカップ。ほとんどのランニングシューズは履き口にクッションがめぐらされていて、くるぶしにピッタリとフィットしている。下のような感じ。
ところがLone Peakはそのようなクッションがない。履いて動いてみると、くるぶしの辺りがスカスカした感じだ。
このスカスカした感じも意図した設計とのこと。足首を固定しないことで重心移動を意識しやすくしているのだろう。
最近流行りのベアフットランニングシューズ、ミニマリストシューズの中では、ゼロドロップでありながらクッションがある点が特徴。慣れればこれで50キロや100キロ、100マイルのレースを走るというのは、当方の感触ではありだと思った。これから春にかけてこれを履いてトレイルに入ることが増えそうだ。
最近流行りのベアフットランニングあるいはロードロップのミニマリストシューズを履いてのランニングについては、基本的に得るものが大きいと思う。ふくらはぎやすねの筋肉が鍛えられ、長距離を走っても脚や膝の負荷を抑えられるミッドフットの走法の練習になる。Minimus Trail/MT10のようにソールが薄いシューズなら着地のポイント選びににシビアになり、小さいステップと高回転の走法を身につけることになる。
ただこれらはミニマリストシューズを身につけることで即時に得られるわけでなく、足にいつもはかからない負荷をかけて少しずつ得ていくものだ。無理に急がず、少しずつ馴らしていく必要がある。また、一旦鍛えた足や走法を身につけたなら、必ずしもミニマリストシューズに固執することもないはずだ。
この辺りの加減が難しいが、当方も薄底あるいはゼロドロップまたはロードロップのシューズとうまく付き合って行きたい。