もう一つUltra Trail Mt. Fujiで使ったギアの話。
ランニングで誰もが気になるギアといえばシューズだろう。トレイルランニングといえども、どんなシューズを履いても実際にはそれほどパフォーマンスに差がないものなのだが、履いた感触や接地の感覚は様々で好みの一足ならば長いレースも楽しんで走れるだろう。
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当方は最近お気に入りのソールが薄くて足の前後の高さの差が小さい、ミニマリストと呼ばれる系統のランニングシューズ、New Balance/MT110(リンク)でUTMFの100マイルにチャレンジした。今年の春に発売されたシューズだが、New BalanceのMinimusに似て、特にフォアフットで走るとダイレクトな接地感が楽しい。Minimusに突き上げ防止のプレートが入り、グリップを高めるための突起がついたようなシューズで、Minimusのレース用バージョンといった雰囲気のシューズだ。
100マイルをこのシューズで走るのは無謀な気もするが、昨年春からMinimusを履くようになり、ふくらはぎを傷めたりしながらも少しずつ長い距離を走るようになり、このMT110でも最近は40キロ、50キロのレースやトレーニングをするようになっていた。ならばこれでいけるところまでいってみよう、と考え、ストックしておいた新品のMT110を投入した次第。
その結果は以下のとおり。
アッパーがぼろぼろ(笑)。MT110のアッパーは小さな穴の開いたやわらかい合成皮革でできているため、通常のメッシュでできたアッパーに比べるとカギ裂きに弱い。トレイルであっても普通に走っている分には特に問題はないが、枯れ枝やとがった石ころなどがごろごろしているところに踏み込んだり、つま先を段差に引っ掛けて強い引っ張りの力がかかったりするとアッパーが破れてしまう。
とはいえ、合成皮革のアッパーの内側には直接足に接する化繊の薄手で丈夫なメッシュが2枚張られているので、合成皮革のアッパーが破れても足がむき出しになることはなく、普通に走り続けることはできる。とはいえ、上の写真ほどにぼろぼろに破れてしまったら、さすがにそのまま走り続けるのは控えたほうがいいだろう。
ちなみに、シューズの裏側、アウトソールはさほど減っておらず、まだまだ走れる。
肝心の身体へのダメージだが、いつもの左脚のIT bandに強い張りが残ったほか、右のすね外側に今まであまりなかった腫れ。一方いつも強い張りを感じることが多かったハムストリングスや大腿部には筋肉痛もなし。ランニングフォームを少し変えてきているので、痛む箇所も少し変わってきたのだろうか。ただ、右のすね外側の腫れはその後引いてきたもののかなりひどかったので、まだ100マイルをフォアフットで走りきるには必要な筋肉ができていなかったのかもしれない。地面の変化が足に直に伝わってくるミニマリストシューズでトレイルを走るのは自然と一体になる感覚が爽快だが、長距離・長時間楽しむには少しずつ慣らしながら、それまで使っていなかった筋肉を相当鍛える必要がありそうだ
来月の100マイルレース、Western Statesでもミニマリスト・シューズで走るか?無難にクッション性のあるMontrail/Bajada、アッパーが丈夫なALTRA/Lone Peak、ミニマリストなNB/MT110、そしてそれ以外の魅力的なミニマリストシューズの間でしばらく悩むことになりそうだ。