かつて、2010年のハセツネで優勝したフランスの選手が履いていて、その極端な厚底と平たくて大きいソールが注目を集めたHoka One Oneのランニングシューズ。日本でも販売されたラギッドなトレイル用のMafateに加え、Hokaはロード用のBondi、よりスムースなトレイル用のStinsonなどのラインナップを加え、それぞれをマイナーチェンジしたシューズも発表している。
当サイト岩佐も、今年春に入手したStinson Evo Bでキタタン、八ヶ岳100などのレースを走った。薄底でプロテクションの少ないミニマリストシューズを愛好するのに逆行するようだが、クッションが効いて上質なソファに座っているかのような履き心地は文句なしに気持ちがよい。またHokaのシューズはいずれもドロップ(つま先とかかとの高さの差)が4mm前後と小さく、この点はミニマリストシューズと共通している。
そんなHoka One Oneから今年夏にアメリカでは発売されているロード用シューズ、Bondi Speedを入手したのでそのレビューをご紹介したい。
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見かけによらず軽快、ロード用とされているが、濡れた岩の上を長く走るというのでもなければ、これでトレイルを走るのことも全く問題ないと思えた。
Hoka One One/MEN/ROAD RUNNING/BONDI SPEED
(補足)
最近、ランニングシューズの細かいスペックやミニマリストと厚底の違いを議論することの意味はあまり感じない。結局のところ、ランニングシューズとランニングのパフォーマンスにはあまり関係がない。どんなシューズでも速く走る人は速く走れる。
結局のところ、シューズの議論はその履き心地についての主観的な好みの差に行き着くように思う。どんな特徴を持ったシューズなら気持ちよく走れるか。長い距離を安心して任せられるか。この主観的な好みの差にはいわゆるプラシーボ効果も含まれる。
そんな視点でこのBondi Speedをみると、やはりランニングの一歩一歩の心地よさからくる安心感、柔らかいミッドソールがトレイルの木の根や石の突き上げを吸収してくれる安定感、が最大のメリットとなるランナーは少なくないだろう。100マイルレースに出るとき、トレーニング不足やケガからの回復途中で脚にかかる負担を軽減したいとき、このシューズを履けば安心感が得られるに違いない。
しかしながら、Hokaを履いていても長い距離を走ればレース中に脚は疲れ、もう一歩も歩きたくなくなることはある。一方、レース後のリカバリーは少し早められるかもしれない。毎回100マイルレースの後は足首や膝が腫れ上がるが、八ヶ岳100の時はそうした症状はなかった(無論八ヶ岳は110キロ地点でリタイアしたから脚を痛めたなかったのだろうが)。シューズの違いがフィジカルに影響を与えるとすれば、パフォーマンスではなくプロテクション(ケガをしにくいか)とリカバリー(ランニング後の疲労回復を遅らせないか)ではないかというのが、当方の今のところの暫定的な結論だ。
あと、このBondi Speed、ソールの耐久性はこれから確認したい。軽量化のために柔らかいミッドソールが直接接地する面が大きくなっている。アウトソールも非常に薄い。アウトソールが剥がれたり、突起が欠けたりしないか、気になるところだ。
Hoka One Oneのシューズのトライアルイベント
日本でもいよいよ本格的な販売体制、Hokaのシューズの魅力を広く知らせる体制が整いつつあるようで、年内にもいくつかのショップでHokaのシューズを試せるイベントが開催されるようだ。お近くにお住まいの方はこのシューズに一度足を入れてみてはどうだろうか。
・静岡県・富士宮のATC Storeでは今週末の11月18日(日)に開催
「HOKA ONE ONE」シューズトライアル(試足会) | ATC Store -Trail Hikers & Runner’s place to go!-Official Blog
・兵庫県・芦屋川のSky High Mountain Worksでは12月1日(土)に開催
ロングトレイルランナー&ウルトラランナーにぜひトライしていただきたい! SHMW+SUNWEST presents Try HOKA ONE ONE :Sky High Mountain Works