[DC] 受賞者発表・2014年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー Trail Runner of the Year in Japan, 2014 #TROYJ14

当サイトの独自企画・2014年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー(Trail Runner of the Year in Japan, 2014)の選考を行い、受賞者を決定しました。

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受賞者と選考の結果、有識者のコメント、投票の結果については以下の記事のほか、2014年のトレイルランニングについて振り返る当サイトの番組・Trailblazer TV – 2014年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー でもご覧いただけます。

Trailblazer TV LIVE – Trail Runner of the Year in Japan, 2014 受賞者発表、今年のトレイルランニング・シーンを振り返る! – YouTube

本賞は稲葉実記念賞に

今回の日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーは、当サイトのご意見番としてご協力いただいていた稲葉実さん(今年9月に 逝去)を記念して、本賞の名称を稲葉実記念賞(Minoru Inaba Memorial Award、通称・稲葉賞)といたします。

2014年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー(Trail Runner of the Year in Japan, 2014)受賞者

稲葉実記念賞(Minoru Inaba Memorial Award)《本賞》

  • 大石由美子

    大石由美子

    Ruy Ueda Finish Line

    上田瑠偉

    大石由美子 / Yumiko Ohishi:2014年は道志村、北丹沢、スリーピークス八ヶ岳などで優勝したほか、フランスのニボレ・リバードで2位。日本を代表するトレイルランナーとして安定した実力を示しました。昨年に続いて2回目の日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー本賞受賞となりました。

  • 上田瑠偉 / Ruy Ueda:ハセツネ・カップを7時間1分で優勝、大会新記録を大幅に更新して、7時間の壁に迫りました。トレイルランニングの新世代をリードする存在となることを印象付ける活躍でした。

特別賞(TROYJ Honorable Mention)、順不同

    • 西田由香里 / Yukari Nishida:TJARに初挑戦で今年唯一の女子完走者。常人の想像を超える大きな挑戦に明るく挑む姿が幅広く共感を呼びました。
西田由香里が8月15日午後に三伏峠に到着。Photo by Koichi Miyagami

西田由香里。Photo by Koichi Miyagami

    • 福田由香理 / Yukari Fukuda:スリーピークスで2位、ハセツネで2位。出場するレースでは安定した成績を挙げ、ハセツネではエイミー・スプロストンの優勝タイムに4分と迫りました。
福田由香里

福田由香理

    • 松本大 / Dai Matsumoto:富士登山競走、八ヶ岳スリーピークス、おんたけスカイレース、キナバル山国際クライマソンで優勝。日本の山岳レースの第一人者としてトレイルランニングの魅力をより広く伝える活躍でした。
Dai Matsumoto Three Peaks

松本大

    • 望月将悟 / Shogo Mochizuki:TJARで3回連続の優勝。広くその存在が知られることとなったTJARでの活躍を通して、トレイルランニングの魅力を広く社会に伝えました。
Shogo-preTdG

望月将悟

貢献に対する特別賞(TROYJ Award for outstanding contribution)

  • 相馬剛さんおよびFuji Trailhead / Tsuyoshi Soma and Fuji Trailhead:アスリートとしてトレイルランニングにおいて数々の成果を挙げたことに加え、Fuji Trailheadというサービスを通じてアウトドアスポーツの魅力や厳しさを伝えました。
2013年のUTMFに出場、西富士中学校のエイドステーションで補給する相馬剛 / Tsuyoshi Somaさん。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

相馬剛

選考結果について

2014年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーの選考はお伝えしている通り、有識者の皆様へのアンケートを踏まえて候補者をノミネートし、広く投票を実施しました。それらの結果をもとに、当サイトの選考委員会で受賞者を決定しました。

本賞となる稲葉賞のうち、女性の部については昨年に続いて今年も様々なレースで優勝をさらった大石由美子さんに決定しました。アンケート、投票、選考の過程ではTJARで注目を集めた西田由香里さんを推す声も大きく、選考委員の間でも意見は分かれました。議論の結果、西田さんは特別賞受賞となり、同じく特別賞に今年の飛躍が目覚しかった福田由香理さんを選びました。このほかにもノミネートされた高島由佳子さんについては、信越五岳での大会新記録は国内の女性トレイルランナーに大きな刺激となったとの評価がありました。ノミネートされたランナー以外では、丹羽薫さん、野間陽子さん、長谷川香奈子さんについても活躍に言及がありました。

TROY2014-Ohishi

2014年稲葉賞を受賞した大石由美子 / Yumiko Ohishiさん。写真はニボレ・リバードにて。Photo by Koichi Iwasa of DogsorCaravan.com

男性の部については、21歳の若さで日本を代表するレースの一つであるハセツネ・カップの大会記録を鮮やかに更新した上田瑠偉さんに決定しました。しかし、選考の過程では上田さんに加えて、望月将悟さん、松本大さんについても稲葉賞にふさわしいとの意見があり、議論は紛糾しました。検討の結果、ハセツネでの活躍に加え、有識者や一般投票でもひときわ大きい支持を集めたことを考慮して上田さんを稲葉賞に選び、望月さん、松本さんを特別賞としました。ノミネートされたなかでは荒木宏太さん、小野雅弘さん、小林慶太さん、宮原徹さん、山本健一さんについて特に注目しました。ノミネートされたランナー以外では、大瀬和文さん、小川壮太さん、菊嶋啓さんの活躍に言及がありました。

TROYJ2014-Ueda

2014年稲葉賞を受賞した上田瑠偉 / Ruy Uedaさん。写真はハセツネ30kにて。Photo by Koichi Iwasa of DogsorCaravan.com

トレイルランニングの振興やコミュニティへの特段の貢献があった個人や団体を讃える「貢献に対する特別賞」(TROYJ Award for outstanding contribution)には相馬剛さんおよびFuji Trailheadを選びました。有識者および一般投票でも推薦が目立ち、選考においても意見が一致しました。

受賞された皆様へ

受賞された皆様には当サイトから記念の盾をお贈りいたします。

受賞者にお送りする盾のイメージ。

受賞者にお送りする盾のイメージ。

有識者の皆様からのコメント

大石由美子 / Yumiko Ohishiさん(稲葉賞受賞)について

  • 「大石さんは走れば勝つ、という1年だったように思います。」(鈴木充さん)
  • 「ニボレ・リバード2位の大石さんを推薦します。女性のトレイルランナーも海外でもっともっと活躍出来る実力があると思います。」(野中勉さん)
  • 「素晴らしい選手が凌ぎを削る中、大石さんの安定感と強さは、抜けていると思います」(匿名)

上田瑠偉 / Ruy Uedaさん(稲葉賞受賞)について

  • 「世界から後れをとりつつある印象の日本の競技トレイルランニングシーンにおいて、ひさびさに未来への明るい材料となったハセツネでのパフォーマンス。」(匿名)
  • 「ノミネートされた方は、ジャンルも違えば、出ている大会も違い、一概に比較し、評価するのは困難ですが、あえてそんな中、誰もがこれまでトップ選手ならでたことがある、ハセツネで驚異的な記録を打ち出した上田さんを選びました。」(匿名)
  • 「上田氏、山ノ内氏いずれも「若い」ということ。これまでベテラン勢が引っ張ってきたトレランシーンにおいて、ようやく若手と言える人たちが表彰台の中心に上がるようになってきた。両氏はこれからのトレランシーンを象徴する若手だと思う。」(窪田尚己さん)
  • 「『トップがもうすぐ来ます』というフィニッシュでのアナウンス直後、近くにいた応援&観客の方々から驚嘆の声が響いたのを忘れられません。という衝撃の大きさから上田選手を選びました。」(鈴木充さん)
  • 「今年の男子は何と言ってもハセツネCUPで驚異的なレコードを出した上田瑠偉くんに尽きるでしょう。驚きと賞賛という点でも彼がイチバン。」(トレラン王国)
  • 「ハセツネ大会記録優勝をはじめ、国内レースシーンでの今年一番注目された選手。来年は世界レベルへのチャレンジに期待。」(匿名)
  • 「ハセツネでのあのタイムは圧巻でした。」(匿名)

西田由香里 / Yukari Nishidaさん(特別賞受賞)について

  • 「(TJARに関連して)女性でただ1人、このレースを完走して西田選手もまた、この賞(本賞)にふさわしい女性である。」(樋口幸也さん<ランニングマガジン・クリール編集長/トレイルランニング2014編集責任者>)
  • 「TJAR2014、女性唯一のフィニッシャー。目の当たりにしたその強さは男性にも負けないものでした。」(芦川雅哉さん)
  • 「女子はTJARを完走した西田由香里さん。女性で3人目となりますが、あの日程であのコースを完走した女性は全てオブ・ザ・イヤーだと思います。」(トレラン王国)
  • 「UTMF日本人1位とTJAR完走されたことが印象に残ります。」(山門祐三さん<熊野古道トレイルランニングレース>)

福田由香理 / Yukari Fukudaさん(特別賞受賞)について

  • 「優勝こそなかったものの、成長著しく、参加の各大会で毎回鮮烈な印象を残したイメージがあります。」(桑原慶さん<Run boys! Run Girls!>)

松本大 / Dai Matsumotoさん(特別賞受賞)について

  • 「キナバルをはじめとする複数のレース優勝、また、スカイランニングの普及への尽力と競技、普及の両面で活躍が目立った松本大さんに一票。」(桑原慶さん<Run boys! Run Girls!>)
  • 「日本でのスカイランニングというカテゴリー確立のため情報発信し、自らの結果で日本のスカイランナー達を牽引している」(松井裕美さん<スリーピークス八ヶ岳トレイル>)
  • 「JSAジャパンシリーズ完全制覇、富士登山競走2連覇、キナバル優勝。日本のスカイランニングの牽引車。JSA代表としても活動も評価。」(匿名)
  • 「トレイルランニングの将来像も見据え、「スカイランニング」の普及に精力的に行動している松本さんを推薦」(野中勉さん)
  • 「日本にスカイランニングというジャンルを定着させた功労者だと思います。」(山門祐三さん<熊野古道トレイルランニングレース>)

望月将悟 / Shogo Mochizukiさん(特別賞受賞)について

  • 「トレイルランニングは、単に速さを争う競走ではなく、自然への畏敬の念を胸に抱きつつ、過酷な状況を克服する能力を競うレースであると定義することができる。その意味から、TJARは、トレイルランニングの頂点に君臨するレースであるという認識を持っている。今年、台風の襲来により過酷さを増したそのレースに堂々の3連覇を果たした望月選手をおいてほかに、この賞を受ける資格を有する選手はいない。」(樋口幸也さん<ランニングマガジン・クリール編集長/トレイルランニング2014編集責任者>)
  • 「前人未到のTJAR3連覇の偉業を讃えて。」(芦川雅哉さん)
  • 「多くの注目が集まるレースTJARで3連覇は特筆に値すると考え望月さんを推薦。」(匿名)
  • 「TJAR3連覇で走力だけでない山の力を見せてもらいました」(匿名)

相馬剛さんおよびFuji Trailhead / Tsuyoshi Soma and Fuji Trailhead(貢献に対する特別賞受賞)について

  • 「ツアーを主軸に、走る喜び、楽しさを多くのひとたちに伝え、さらにはより成熟したトレイルランナーへのステップアップに結びつく活動を行い、トレイルランニングに新たなシーンを提供。多くのトレイルランナーの共感を得て、今後の発展が期待されるも、わずか半年で活動休止となってしまったことが悔やまれる。」(芦川雅哉さん)
  • 「昨年、Fuji Trailhead を立ち上げてからは、それまでの寡黙なイメージを覆すかのような、時には熱い思いを、時には冷静な分析を、また、仲間への秘めた気持ちを、Facebook等を通して発信して、多くの共感を得ていたと思います。『トレイルランナー』を食べて行ける『職業』にしたいとの思いがあったと思います。その志が半ばにして断たれてしまったのが本当に残念でなりません。」(野中勉さん)

上宮逸子 / Itsuko Uemiyaさんについて

  • 「調子が悪い中、きちんと結果を残したところに強さを感じました。(特に信越、修行走の際は、レースに出られないのでは?と思うほどの調子の悪さでした。)」(松井裕美さん<スリーピークス八ヶ岳トレイル>)

吉田広美 / Hiromi Yoshidaさんについて

  • 「STY日本人一位、えびの高原エクストリームを2連覇。そして驚くべきは九州の草レース、九州脊梁山脈トレイルラン35kmを7連覇今年されました。とにかく安定したスピードと、リラックスした走りが特徴の吉田さんは、少しずつ距離をのばし、ウルトラの距離でも十分闘える、いや逆に長い方が力を発揮するのではないかと見ています。 」(匿名)

高島由佳子 / Yukako Takashimaさんについて

  • 「女子は今後の期待も込め高島選手を推薦。個人的には世界の舞台で活躍できような選手が出てくることを期待したい。」(鏑木毅さん)

宮原徹 / Toru Miyaharaさんについて

  • 「宮原徹選手のスカイランニング世界選手権のKM Verticalで5位は世界の大舞台での日本人の存在感を大きく示した一大事。」(鏑木毅さん)
  • 「現在、世界レベルで戦える唯一の日本人選手。」(匿名)

奥宮俊祐 / Shunsuke Okunomiyaさんについて

  • 「海外レースでの実績はもちろんのこと、ハセツネでの上位入賞など、国内外でのトレイルレースにおける安定した成績を評価」(芦川雅哉さん)
  • 「情報の少ない海外レースへ積極的に参加し、Ultra Trail World Tour日本人最高位を獲得した実績を評価したい。国内レースでもハセツネ3位と年間を通じて好成績をキープした。」(匿名)

滝川次郎さんについて

  • 「鎌倉トレイル協議会の立ち上げから活動、噴火被害にあった王滝村への支援など、同じ業界に携わる者として頭が下がります。」(桑原慶さん<Run boys! Run girls!>)

稲葉実さんについて

  • 「あんなにかっこいい姿でスリーピークスのコースを走る人は、後にも先にもこの方しかいません」(松井裕美さん<スリーピークス八ヶ岳トレイル>)

丹羽薫 / Kaori Niwaさんについて

  • 「関西の女性トレイルランナーを引っ張るトップランナー。関西でのトレイルランニングの普及は彼女の功績が大きいと思います。」(匿名)

鎌倉トレイル協議会について

  • 「今後の里山でトレイルランを楽しむうえで、改めてマナー&ルールの確認、地域との係わり合いの指針の先駆け的役割を果たした。」(匿名)

Japan Skyrunning Association (JSA)および松本大さんについて

  • 「スカイランニングはトレイルランニングとは違う!と掲げてこの競技を広めようとしている姿勢が積極的でよい。競技者が自助努力で団体を作って世界へ挑戦している点も拍手したい。」(匿名)
  • 「スカイランニングの世界において、その積極的な普及活動や大会参戦姿勢、大会結果などから選ばせていただきました。」(鈴木充さん)

AKITA Trail Run Festival 実行委員会について

  • 「秋田で初めてのトレイルランニングレースを開催。地元のトレイルランニング愛好家が、自分たちのエリアでトレイルレースを開催したいという純粋な思いで、紆余曲折を経て、開催までこぎつけた。スリーピークス八ケ岳トレイルへのボランティア参加など、スリーピークスのノウハウを吸収するなどの努力を評価した。」(樋口幸也さん<ランニングマガジン・クリール編集長/トレイルランニング2014編集責任者>)

福島トレイルランニング振興会について

  • 「未だ震災の余波が残る福島の地にて郷土の山々の魅力を県内外に知って貰おうと精力的な活動を繰り広げる本会の活動を是非ともバックしたいとの思いもあり推薦。」(鏑木毅さん)

当サイトをご覧の皆様からの投票の結果

稲葉実記念賞・女性の部(Minoru Inaba Memorial Award, female)《本賞》

  1. 西田由香里 / Yukari Nishida 32.9% / 228
  2. 大石由美子 / Yumiko Ohishi 21.4% / 148
  3. 福田由香理 / Yukari Fukuda 12.4% / 86
  4. 上宮逸子 / Itsuko Uemiya 10.5% / 73
  5. 高島由佳子 / Yukako Takashima 9.4% / 65
  6. 吉田広美 / Hiromi Yoshida 6.9% / 48
    (総投票数 692件)

稲葉実記念賞・男性の部(Minoru Inaba Memorial Award, male)《本賞》

  1. 上田瑠偉 / Ruy Ueda 24.9% / 243
  2. 望月将悟 / Shogo Mochizuki 13.1% / 128
  3. 山本健一 / Kenichi Yamamoto 11.3% / 110
  4. 松本大 / Dai Matsumoto 9.6% / 94
  5. 荒木宏太 / Kota Araki 9.0% / 88
  6. 小林慶太 / Keita Kobayashi 7.2% / 70
  7. 鏑木毅 / Tsuyoshi Kaburaki 6.4% / 62
  8. 奥宮俊祐 / Shunsuke Okunomiya 5.1% / 50
    (総投票数 975件)

貢献に対する特別賞(TROYJ Award for outstanding contribution)

  • 相馬剛/Fuji Trailhead 43件
  • 稲葉実 6件
  • 鎌倉トレイル協議会 5件
  • 松本大 4件
  • 石川弘樹 2件
  • OMM Japan Race 2件
  • JSA 2件
  • スポーツエイド・ジャパン 2件
  • TJAR実行委員会 2件
  • 以下各一件:鏑木毅、新名健太郎、松永紘明、福田六花、奥宮俊祐、前橋トレラン部、九州爆走女、有限会社パワースポーツ/OSJ湘南クラブハウス、野外活動事業団、小江戸大江戸トレニックワールド、群馬県山岳連盟、上州武尊山スカイビュー・ウルトラトレイル実行委員会、日本山岳スポーツ協会、日本山岳救助、ユニバーサルフィールド、KTF 北信濃トレイルフリークス、石岡トレイルランクラブ、MOUNTAIN CIRCUS、富士山ネットワーク / 富士山エコレンジャー、スカイトレイル、Sky High Mountain Works、Run boys! Run girls!
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