東北の蔵王連峰は御釜と呼ばれる火山湖や噴気孔がある活火山で、その麓には多数の名湯があることで知られています。今週末の9月3日土曜日・4日日曜日に、蔵王温泉(山形市)を拠点に開催されるZao Skyrunningは土曜日のバーティカル・キロメーター、日曜日の22kmのスカイレースが今年のスカイランニング日本選手権となっています。
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当サイトでは蔵王温泉から今週末のZao Skyrunningの模様をライブでお届けする予定です。速報はTwitterアカウント / @DogsorCaravanでリアルタイムにお届けするほか、Facebookページでも主なニュースやレースの結果をお伝えします。いつものように、当サイトの記事でリザルトを詳しくご紹介するほか主な上位選手のインタビューもお届けします。
Zao Skyrunning 主なスケジュール
9月3日土曜日
- Zaoバーティカルレース:蔵王温泉の温泉街(870m)から地蔵岳(1736m)まで、4.6kmで標高差900mを駆け上がるレース。スカイランニング日本選手権・VKカテゴリーのレースともなっています。午後1時から、一人ずつ時間差でスタートする形式で、最も速いタイムが見込まれるランナーが最後にスタートすることになります。コース概要はこちら。
- ZAOアドベンチャーゲーム:数人のチームで指示書に記載された3ー7つのチェックポイントを地図上で探し、移動して実際に見つけ出すというレースで、チェックポイントにはゲームやクイズが用意されています。午後2時半からスタートです。
9月4日日曜日
- Zaoスカイレース:蔵王温泉の温泉街(870m)を一周してから、一旦ゲレンデを登り、蔵王ロープウェイの蔵王山麓駅(約2.3km地点)から長い上りがスタート。地蔵山頂駅(約7.7km地点)から御釜を左手にみて、カルデラの縁となる馬の背を住んで刈田岳(11km地点)へ。ここで折り返し、地蔵山頂駅までは一部登りと違うルートをたどりながら下り、その後上りと同じルートでフィニッシュへ。標高の最高地点は往路の熊野岳(1840m)となります。レースは午前9時半に一斉スタート、距離22kmで累積獲得高度1,450mD+。こちらはスカイランニング日本選手権・SKYカテゴリーのレースともなっています。コース概要はこちら。
- ユーススカイレース:中学生、高校生を対象にしたレースで、Zaoスカイレースのコースの5.7km地点となる樹氷高原駅(1355m)までの往復。スタートはZaoスカイレースと同じ午前9時半です。コース概要はこちら。
- ジュニアスカイレース:小学生を対象とした3km、200mDで、Zaoスカイレースのコースの一部を使ったレースです。スタートは10時。コース概要はこちら。
- ファンレース:Zaoスカイレースのコースの後半部分に当たる蔵王山頂駅から刈田岳への往復後、蔵王温泉へと下る12km / 300mD+、1200mD-のコースで行われます。Zaoスカイレースのうち、きつい登りが除かれたコースなので、多くの人が楽しめるレースとなりそうです。午前11時半スタート。コース概要はこちら。
スカイランニング日本選手権、チャンピオンは今年12月に香港で開催のアジア選手権へ
今回のZao Skyrunningのバーティカルレース、スカイレースはそれぞれ2016年のスカイランニング日本選手権(VKカテゴリー、SKYカテゴリー)として開催されます。ULTRAカテゴリーの日本選手権として開催される志賀高原エクストリームトレイル(10月22日開催)とあわせて、各カテゴリーの日本チャンピオンが誕生します。
また、これらの日本選手権は今年12月2日〜4日に香港で開催されるスカイランニングアジア選手権・MSIG Lantau VK, 50の日本代表選考レースともなっており、各カテゴリーの男女優勝者が日本代表に選ばれることとなっています。
さらにこのZao Skyrunningが来年2017年のスカイランニングアジア選手権に立候補しており、誘致が実現すれば来年は蔵王温泉にアジアをはじめ世界各国から有力なスカイランナーが集まり、世界の注目が集まるハイレベルなレースが展開されることになるでしょう。
スカイランニング日本選手権・Zao Skyrunningの有力選手紹介
バーティカルレース(日本選手権VKカテゴリー)
男子では、バーティカルキロメーター(VK)の帝王・宮原徹 / Toru Miyaharaが登場。昨年の日本選手権・上田VKのチャンピオンであり、その後も昨年の尾瀬岩鞍VK、今年の上田VK、Mt. Awaと日本のVKのレースでは未だ宮原を破るランナーは現れていません。今回も優勝候補の筆頭です。先月のPikes Peak Ascentでは体調が整わず2連覇を逃しています。渡辺良治 / Ryoji Watanabeもバーティカルキロメーターに集中して取り組んでいて、今季は上田VKで4位、Mt. Awaで2位、びわ湖で優勝。7月に行われた世界選手権・Buff Epic VKでも14位と好成績を残しています。さらに、昨年、今年(5合目打ち切り)の富士登山競走で連覇の松本翔 / Sho Matsumotoがどんな記録を今回出すかにも注目したいところ。松本は今年の上田VKでは10位でした。さらに次の皆さんにも注目。
- 和田優一 / Yuichi Wada:今年の上田VKで7位、びわ湖で6位。
- 鈴木龍弥 / Ryuya Suzuki:Mt. Awaで6位。
- 柳澤隼人 / Hayato Yanagisawa:Mt. Awaで4位
このほか、藤飛翔、牛田美樹、小出徹、小山真一、新牛込崇史、竹原直矢、名取将大、星野和昭も上位を狙います。
女子ではやはり、今年の上田VKで圧倒的なタイムで優勝した吉住友里 / Yuri Yoshizumiが優勝候補の筆頭でしょう。上田VKで吉住についで2位の高村貴子 / Takako Takamuraがどこまで近づくか。高村はMt. Awaで優勝しています。このほか、岩楯志帆、須藤吉仕子、池田華子も出場します。
スカイレース(日本選手権SKYカテゴリー)
スカイレースでは、シリーズ戦の経ケ岳、菅平を制している上田瑠偉が今回は出場しないため、混戦が見込まれます。その中でも経ケ岳、菅平でともに2位となっている秋元佑介 / Yusuke Akimotoは今回、日本選手権チャンピオンに最も近いところにいます。さらに松本翔 / Sho Matsumotoは今季はSKYカテゴリーのレースには出ていませんが、その実力からすれば優勝候補の一人だといえます。経ケ岳、菅平でともに3位の牛田美樹 / Miki Ushidaも優勝を狙います。さらに次の皆さんにも注目。
- 藤飛翔 / Tsubasa Fuji:今年の菅平で4位、びわ湖3位。
- 小山真一 / Shinichi Koyama:今年の経ケ岳で4位、菅平6位。
- 渡辺良治 / Ryoji Watanabe:今年のびわ湖2位。
- 和田優一 / Yuichi Wada:今年のびわ湖4位。
- 名取将大 / Masahiro Natori:今年の上田Vkで9位。
このほか、小出徹、鈴木龍弥、竹原直矢、星野和昭、眞舩孝道、山本大賀も出場。さらに、今回のZao Skyrunningには韓国からも有力選手が出場しており、日本の各選手とどんなレースをするか、注目されます。韓国の有力選手としてはJinwan Kim、Kihyun Kim、Heesung Noh、Sangkuk Yeといった名前が挙げられます。
女子のレースでは長谷川香奈子 / Kanako Hasegawaと高村貴子 / Takako Takamuraの対決に注目が集まりそうです。長谷川は昨年の日本シリーズ年間チャンピオンで、とりわけ今回のZaoスカイレースのような22kmといった距離は得意とするところ。これに対して大学生の高村は昨年のハセツネカップで3位となって注目されたほか、今年7月にはユース世界選手権・Gran Sasso Skyraceで2位となっています。勢いのある高村が日本選手権チャンピオンを勝ち取るか、それとも長谷川が昨年に続いてタイトルを守るか。このほか、女子では岩楯志帆、大松知恵、須藤吉仕子、池田華子が出場、韓国からはSooji Park、Boyoung Jang、Yoonjoo Leeに注目です。