当サイトでは昨年初めて現地からレポートしたエフンミラク・ウルトラトレイル Ehunmilak Ultra-Trail。標高の高い高山帯でもなく、世界のトップ選手が勢ぞろいするわけでもない大会なのですが、地元を挙げて盛り上がるのはバスクの文化や地域柄のせいなのかもしれません。そんなことを考えていたら、なんと今年も現地に行ってレポートできることになりました。今回はレースの模様を現地からお伝えするのはもちろん、レース以外に訪ねた場所のことなども何度かに分けてご紹介したいと思います。レースのスタートは7月13日金曜日の午後6時(日本時間14日土曜日午前1時)です。
(写真・昨年のエフンミラク・ウルトラトレイル / Ehunmilak Ultra-Trailのコースから。Photo by Koichi Iwasa)
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エフンミラク・ウルトラトレイル Ehunmilak Ultra-Trailはバスク自治州の内陸部、ゴイエリ Goierriで開催されるトレイルランニングの大会で、今年は9回目の開催。ゴイエリはバスク語で「高原」という意味で、その名のとおり、標高1500m以下の山の合間に町が点在するエリア。フランスからマドリードへ向かう街道が通り、古くから交易で栄えた地です。
100マイルのレースは中心となる町・ベアサイン Beasainをスタート。前半はベアサインの北側の里山のトレイルを進み、途中でアスペイティア Azpeitia(53km地点)、トロサ Tolosa(77km地点)といった町を通過し、本格的な山岳コースとなる後半へ。鋭く切り立った山の形容から「バスクのマッターホルン」の異名を持つチンドキ山 Txindoki(1,346m、105km地点)、エツェガラテ Etzegarate(130km地点)の村を経てコースの最高地点となるアイスコリ山 Aizkorri(1,528m、143km地点)へと向かいます。ここからはベアサインへと長い下りでフィニッシュ。累積獲得高度は11,020mD+で制限時間は48時間。コースレコードは男子が22時間22分3秒(ハビエ・ドミンゲス Javier Dominguez Ledo、2017年)、女子が28時間0分56秒(ネレア・マルチネス Nerea Martinez Urruzola、2011年)となっています。
この100マイルのエフンミラク Ehunmilakに並行して、88km 6000mD+のゴリエリ・ハウンディアク g2haundiak Goierri Trail、42km 2300mD+のマリムルメンディ Marimurumendi Marathonと三つのレースが行われます。
日本のトレイルランニング・ファンの間ではほとんど知られていないこの大会ですが、昨年は山本健一さんが出場したのを当サイトがレポートしたせいもあってか、今年は日本から6人がエントリーされていて大会主催者もびっくり。100マイルに88kmと42kmのレースを合わせて出場者数は1,253人という大会を支えるボランティアは選手の数を上回る1,600人。メディカルスタッフとして赤十字から医師22人を含む140人が各地に待機。コース上のポイントを移動するためのシャトルバスが運行され、選手やサポートの人は無料で、そのほかの人も1ユーロのチケットで利用できます。
このゴイエリで開催される山岳レースとしてはゼガマ・マラソンが知られ、特にコース上での熱狂的な応援ぶりが有名です。このエフンミラクでもゼガママラソンと同じく、大会開催中は多くの人が応援に駆けつけます。
当サイトではこの後日本時間14日土曜日午前1時から始まる100マイルのエフンミラクのスタートからTwitterを中心にして大会の模様をお伝えします。さらに後日、大会の前後も含めた取材日記をお送りする予定です。