【追記】オンラインストア開店・ワンアクション、ゆるまない、強い耐久性。トレイルランニング用シューレースの「SPLC」【PR】

横須賀リサーチパーク(YRP)にあるニフコさんに行ってきました。


【編者より・「SPLC」はMakuakeのクラウドファンディングで目標額の1000%を達成する成功をおさめたのに続き、オンラインストアをオープンしました。これにあわせて記事の一部を修正しました。2018.11.10】最近はトレイルランニングシューズのシューレース(靴ひも)について考える機会の多い、当サイト・DogsorCaravanの中の人こと岩佐です。今年のハセツネCUPのライブ速報にご協賛いただいた株式会社ニフコさんから「新しいシューレースのキット『SPLC』ができたので見に来ませんか」というお誘いをいただいたので、早速行ってきました。一見シンプルなパーツなのですが、そこに至るまでの積み重ねがすごくてびっくり。製品はSPLCのオンラインストアで購入可能です。

ワンアクションでロック&リリース、でもゆるまない

今回お誘いいただいたのは株式会社ニフコの渡邉さんと佐藤さん。指定されたのは横須賀市の横須賀リサーチパーク(YRP)にある本社。緑に囲まれた静かな場所に立つ大きな建物です。

株式会社ニフコの渡邉さん(左)と佐藤さんにお話を聞きました。

「SPLC」は直径2ミリの細いコードとワンアクションで締めたり緩めたりできるコードロックからなるシューレース・キット。ランニングシューズなどに使われている普通の靴ひもの代わりに簡単に自分で取り付けができるのが特徴です。

岩佐
今日はよろしくお願いします!SPLCは「Makuake」でも人気でどんどん支援者が増えていますね。でも、こういう靴ひもってどこかでみたことがある気がするんですが。。
渡邉さん
ニフコはバックパックのバックルとかアウトドアウェアのフードとか袖口を締めるのに使われるコードロックのメーカーで、皆さんがご存知のアウトドア、スポーツブランドに製品を提供しています。当社のコードロックが、おっしゃるような靴ひもを結ぶ代わりに使われていることもあるんですよ。当社がこれまでの積み重ねてきた経験から、トレイルランニングのような激しいスポーツにも適したシューレースを作ろうとして生まれたのが「SPLC」なんです。

シューレースキット「SPLC」を装着したシューズの例。「SPLC」は全6色とコードロックに蓄光素材を用いた蓄光タイプの全7種類を展開予定。

岩佐
じゃあ、私がみたことあるものも実はニフコさんのコードロックが使われていたのかもしれないですね。
渡邉さん
そうなんです。でも、SPLCのコードロックはスポーツで使うために考え抜かれたものなんです。トレイルランニングであれば、シューズの脱ぎ履きはもちろん、走っている途中でシューズに入ったゴミを取り出したり、長時間走って足がむくんだりと、シューレースを締めたりゆるめたりすることが多いと思います。そんな場合に、SPLCなら締める時はコードロックの上下をつまんで引く、緩める時は側面をつまんで引くだけです。ワンアクションでロックもリリースもできます。

側面をつまんで引っ張れば、そのままゆるむ。

上下をつまんで手前に引けば、そのまま締まる。

岩佐
普通の靴ひもならほどいて締め直すことになるし、靴ひも自体に太さがあるからシューズ全体の締め具合を調整するのはかなり面倒ですよね。
佐藤さん
このコードロックの中には、実は小さなギアが入っているんですよ。こうした細いシューレースであっても引っ張る力が働くとこのギアがシューレースに食い込んでしっかりロックします。このギア構造によって10kgの重みにも耐えられるロック力を実現しています(ニフコ調べ)。

コードロックの内部にはギアが入っていて引っ張られると食い込むようになっている。

渡邉さん
あと、最も大事なのはシューレースに最適なロック力と開け閉めのしやすさのバランスなんです。弊社ではアウトドアだけでなく様々な用途のためのプラスチック製のファスナーを開発しています。その結果、ロック力と開け締めのしやすさ、耐久性をどのように両立させるかのノウハウが蓄積されていて、それがこの「SPLC」にも生きているんです。
岩佐
なるほど、小さくて控えめなコードロックにそんな機能があったんですね。

いつものシューズにすぐに「SPLC」を取り付けられる!

まずは試してみようということで、この日私が履いていたSalomonのCross Amphibian Swiftの靴ひもを「SPLC」に替えてみることにしました。

まずはシューレースとなるコードとコードロックのカラーを選びます。ブラック、グレー、グリーン、ピンク、ブルー、オレンジの6色に加え、コードロックに蓄光素材のパーツを使った「蓄光タイプ」もあります。今回はブラックのシューズに目立つオレンジを選びました。

もとの靴ひもを外して「SPLC」の特製コードを通していきます。シューズ側のアイレット(ひも通し穴)によって通しやすさ、調整しやすさ、耐久性が異なりますが、ランニングシューズであればほとんどの場合快適に使えそうです(詳しくはSPLCのオンラインストアをご覧ください)。

側面のツマミを前に押し出して後ろからコードをコードロックに通す。向きを間違えないように!

アイレットに通したら、今度は側面のツマミを前に押し出して後ろからコードをコードロックに通します。

二本のコードをコードロックに通したら適当な長さでハサミで切ります(切り落とした先をライターで軽くあぶっておけばほつれ止めになります)。エンドパーツを通してからコードを二本まとめて固結びにして、結び目にエンドパーツを被せたら出来上がり。エンドパーツはコードの下をくぐらせて固定します。

コードの長さの目安としては、シューレースを締めた時につま先の辺りまで。

エンドパーツはシューレースにくぐらせたりして挟み込む。

実際に「SPLC」をつけたシューズを使ってみたところ、やはり脱ぎ履きがしやすくなりました。さらに長く走った後の移動中に足を締め付けないようにシューレースをゆるめるのも簡単。トレイルランニング中にトレイルを下る前にシューズをしっかり締めるのにも便利。通常のランニングよりもトレイルランニングでは「SPLC」は有効だと感じました。

あえて難点をいえば、軽量な薄手のシューズの場合には、シューズを強めに締めた場合に「SPLC」のシューレースが足の甲に食い込むような感覚があるかもしれません。今回試したSalomonのCross Amphibian Swiftは水場にも適したマルチパーパスシューズでアッパーはやや薄手のため、そんな印象を受けました。しかし、大半のトレイルランニングシューズはアッパーやシュータンにクッション性があるでしょうから問題なさそうです。

ニフコが初めてエンドユーザー向けに作ったのが「SPLC」

「SPLC」を試したあと、この製品が生まれた背景について、渡邉さんと佐藤さんに聞きました。

岩佐
今年に入ってから、ウルトラトレイル・マウントフジや上田バーティカルレース、白馬国際トレイルランの会場で出展されているのをお見かけしました。

トレイルランニングの大会でも、ランナーの「SPLC」への関心は高かった。

渡邉さん
ありがとうございます。実は弊社がエンドユーザーの皆さんに向けて直接製品を発売するのは、この「SPLC」が初めてなんです。
岩佐
初めてなんですか!
渡邉さん
はい。ニフコは1967年に創業されて以来、自動車向けのプラスチックファスナーという部品のメーカーとして成長してきました。わかりやすいところだとガソリンを入れる時のリッド(ふた)は押し込むと閉まりますよね。あれは当社のプッシュリフターという部品が使われています。現在、世界中で走っている車のほとんどには弊社の製品が何らかの形で使われています。

ニフコのショールームの展示より。一台の自動車に使われるニフコのプラスチックファスナー製品が示されている。

自動車に使われているニフコのパーツの例。手前の内装のほか、奥にはエンジンや燃料タンクで使われている部品が並ぶ。

手前はラップトップPCで使われるフリーストップヒンジ。下はプリンタなどに使われるダンパー。ギアが逆方向に回転しない仕組みが組み込まれている。

佐藤さん
ニフコのプラスチックファスナーの技術を使った製品は自動車以外にも幅広く使われているんですよ。例えば、ラップトップPCのディスプレイを開くと自由な角度で固定できるのも、住宅の引き戸やシステムキッチンの引き出しが音を立てずにゆっくり閉まるのも、ニフコが作るパーツによって実現しているんです。
岩佐
なるほど、そこからさらに世界中のアウトドアやスポーツ、ファッションのブランドにバックルやコードロックを供給されているんですね。でもなぜ今回、ニフコとして「SPLC」を消費者向けに発売しようということになったんですか?

アウトドア、スポーツ関連ではバックパックやスポーツバッグに使われるバックルやストラップ、ジャケットのフードを締めるためのコードを固定するコードロックなどの多くはニフコの製品だ。

バックルやコードロックの製品が並ぶ。様々な大きさや形が揃っている。

渡邉さん
弊社は国内外の拠点を通じて、欧州やアメリカのスポーツブランドのお客様のニーズに接していますが、最終的な製品のユーザーとなる皆さんの好みや要望に触れることは大事なことだと考えています。そうした取り組みの一環として、今回「SPLC」をニフコの製品として発売しようということになりました。製品そのものはもちろんですが、「SPLC」を通じてニフコという会社をもっと知ってもらえたらいいな、とも考えています。

白馬国際トレイルランの会場で。

岩佐
「SPLC」は一見シンプルなシューレースのキットですが、ニフコのグローバルな事業から得られた知見が詰まった製品なんですね。私も活用させていただきますね!

「Makuake」での支援受け付けは10月30日まで→目標額の1000%を達成して締め切りました

トレイルランニング用シューレースの「SPLC」は現在、クラウドファンディングの「Makuake」で10月30日まで支援を受付中。1セットあたり1,020円(税込)のコースのほか、蓄光タイプや10セットのまとめ割りのコースなどに申し込み可能で、11月初には製品が発送される予定です。「Makuake」でのプロジェクト締め切り後は「反響をみて一般に販売するかどうか検討したい」(渡邉さん)とのことです。いち早く「SPLC」を試してみたいという方はこの機会をお見逃しなく!

【追記・その後、「SPLC」はMakuakeで目標額の1000%を達成して受付を終了。成功を受けてオンラインストアがオープンしました。】

シューレースキット「SPLC」のオンラインストアはこちら