訃報・西田由香里 Yukari Nishida さん

山と雪を愛し、いつも明るい笑顔の美しい人でした。三連休中の2月10日日曜日、2014年のトランスジャパン・アルプスレース(TJAR)完走をはじめ、トレイルランニングの第一人者として活躍してきた西田由香里 Yukari Nishidaさんが中央アルプスでの登山中に滑落して亡くなりました。

(写真・2018年のウルトラトレイル・マウントフジのスタート直前の西田由香里さん。Photo by Koichi Iwasa)

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報道によれば、西田さんは5人のグループで前日から一泊二日の予定で中央アルプスへ入り、この日の朝8時過ぎに仙涯嶺(標高2,734m、南駒ケ岳の南にある岩尾根のピーク)で足を踏み外して岩場に滑落した、とのこと。登山道には雪が残っていた、といいます。

西田由香里さんは1974年生まれ。山に囲まれた松本市出身ながら山に親しむようになったのは社会人となってスノーボードを始めたのがきっかけ。以後、薬剤師として仕事をしながら山に通うようになりスキーやトレイルランニングに熱中し、レースでも頭角を現すようになります。トレイルランニングでは2012年にUTMFで4位、美ヶ原トレイルラン80kで優勝、ハセツネCUPで3位となり注目を集めました。翌年の2013年夏には海外レースへのデビューとなったSwiss Irontrail T201(201km)で2位に。そして2014年のTJARでは7日と22時間12分で完走。大会史上3人目の女性完走者となって話題となりました。

2014年のTJARを完走した西田由香里さん。Photo by Koichi Iwasa

その後は二人目のお子さんの出産のため2016年のシーズンはレースから離れますが、2017年には復帰して上州武尊山スカイビュートレイル70kで5位に。昨年2018年は2014年に7位となって以来、久々にUTMFに参戦。UTMFではDNFとなったものの秋には上州武尊山の128kを12位で完走していました。

Yukari Nishida 2015 Utsukushi80k

2015年の美ヶ原トレイルランを走る西田由香里さん。この時は3位に。Photo by Koichi Iwasa

もっとも、西田さん自身からみればトレイルランニングは愛する山岳スポーツの一部に過ぎなかったかもしれません。スキーマウンテニアリング(山岳スキー、スキーモー)やクライミングにも熱中し、西田さんのSNSアカウントへの投稿をみると精力的な活動ぶりをみてとることができました。前週の2月3日には山形県で開催されたスキーモーのレースで優勝しています。

山岳スポーツの競技で日本のトップ選手として活躍した西田さんは、TJARやUTMFなど山の厳しい環境の中で長時間行動し続ける持久力、耐久力、リスクへの対応力に秀でた山岳アスリートです。しかし取材でふれた西田さんは山にいるときはどんな時もはつらつとした笑顔が美しい女性でした。そんな西田さんと出会ったことがきっかけとなって山に行くようになった人、トレイルを走るようになった人もたくさんいるに違いありません。

西田さんに話を聞くと、山に行くことは競技のためのトレーニングというよりも楽しみにしている毎日の日課のようでした。ただ、西田さんをそこまで山に通うように衝き動かすのは何だったのか?私はそれを解き明かすことができないまま今日の訃報を聞くことになりました。

西田由香里さんのご家族にお悔やみ申し上げるとともに、故人の御冥福をお祈りいたします。

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