Amazfit GTR 2 / GTS 2 レビュー:「ライフスタイル」がメインだけど「スポーツ」な使い方もできる

もうGPSスマートウォッチは持ってるよ、という人にも新しい選択肢となる製品です。

Amazfit GTR 2 / GTS 2は今年秋にグローバルで発売されたAmazfitのGPSスマートウォッチの最新モデル。当サイトでは先月Amazfitのアウトドア向けモデルのT-Rexをレビューしましたが、こちらはスマートウォッチ市場のメインストリームとなるライフスタイル向けのモデル。高機能でリーズナブルなスマートウォッチとして注目されています。

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Amazfit GTR 2(左)とGTS 2

Amazfit GTR 2(左)とGTS 2

今回、Amazfit GTR 2 / GTS 2をレビューしてみて、鮮明なディスプレイと長いバッテリーライフ(日常的な使用でGTR 2は14日間、GTS 2は7日間)のバランスのよさは魅力的だと感じました。一方で、ランニングなどのアクティビティのログを取って分析する機能については、少々物足りなく感じる点はあるものの十分な実用性があります。一つのスマートウォッチで済ませたいなら、Amazfit GTR 2 / GTS 2は有力な選択肢でしょう。

『「スポーツ」と「ライフスタイル」で両腕にスマートウォッチを着けることになる』問題

筆者の場合、スマートウオッチという言葉が聞かれる前からGarminやSuunto、PolarといったメーカーのGPS付きウオッチでランニングの記録を取ってきました。その延長線で今も防水性能に優れて長時間バッテリーが持つ「スポーツ」向けのスマートウオッチを使っています。一方、最近では心拍数や血中酸素濃度、睡眠などの記録をとり、スマホのアプリとも連動する「ライフスタイル」向けのスマートウォッチ(具体的にはApple Watch)も便利で手放せません。それぞれ一長一短ある二つのタイプのスマートウォッチのいいとこ取りをした製品があれば、両腕にスマートウォッチを着けずに済むのに、と日頃考えています。

Amazfit GTR 2のディスプレイは鮮明で高級感がある。

Amazfit GTR 2のディスプレイは鮮明で高級感がある。

トレイルランニングのためのスポーツウォッチとして、例えば100マイルのレース本番で、Amazfit GTR 2 / GTS 2を選ぶことはないでしょう。しかし日常的なランニングも含めた生活のほとんどの場面で便利に使えるスマートウォッチとしては、かなり有望なのではないか、と考えてレビューに取り組みました。

外観:ディスプレイの鮮明さがすばらしい

円形のGTR 2と四角形のGTS 2はサイズやバッテリー容量が異なるものの、それ以外の機能面はほぼ同じの兄弟モデルです。円形のGTR 2には今回レビューしたアルミニウム合金製ケースにシリコンストラップの「スポーツモデル」と、ステンレス製ケースにレザーストラップの「クラシックモデル」があります。スペックとしては46.4 x 46.4 x 10.7mmというサイズは共通で、重量は前者が31.5g、後者が39g(いずれもストラップは別)。四角形のGTS 2はケースがアルミニウム合金でサイズは42.8 x 35.6 x 9.7mm、重量は24.7g(ストラップは別)。どちらも50mの防水となっています。

左からApple Watch (40mm)、Amazfit GTS 2、GTR 2、Garmin fenix 6X、Suunto 9 baro。

左からApple Watch (40mm)、Amazfit GTS 2、GTR 2、 fenix 6X、 9 baro。

上からApple Watch (40mm)、Amazfit GTS 2、GTR 2、Garmin fenix 6X、Suunto 9 baro。

上からApple Watch (40mm)、Amazfit GTS 2、GTR 2、Garmin fenix 6X、Suunto 9 baro。

デザインはディスプレイのガラスが縁の方で曲面となっている3Dガラスとなっていて優美な感じ。ボタンは円形のGTR 2が二つで四角形のGTS 2は一つ。これらはダイヤルのように回転はしません。ちょっと気になったのはストラップとウォッチ本体に一体感を感じないところ。でもその代わりにストラップをたたんだ時にかさばらないというメリットもあります。

Amazfit GTR 2。右側の二つのボタンとタッチディスプレイで操作する。

Amazfit GTR 2。右側の二つのボタンとタッチディスプレイで操作する。

Amazfit GTS 2。ボタンは一つでタッチディスプレイとあわせて操作できる。

Amazfit GTS 2。ボタンは一つでタッチディスプレイとあわせて操作できる。

本体とバンドの一体感は感じないが、ベルトを折り畳めるのは便利な場面があるだろう。

本体とバンドの一体感は感じないが、ベルトを折り畳めるのは便利な場面があるだろう。

ディスプレイはAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)で、GTR 2は1.39インチの454 x 454ピクセル、GTS 2は1.65インチの348 x 442ピクセル。スポーツ向けのスマートウォッチに迫るバッテリー持続時間をもちながらも、鮮明なディスプレイを備えているのは非常に魅力的です。解像度が高いので、日本語フォントもスマートフォン並みに滑らかでクッキリしています。

スマートフォンに慣れた目には、AMOLEDのディスプレイはやはり鮮やかで見やすい。

スマートフォンに慣れた目には、AMOLEDのディスプレイはやはり鮮やかで見やすい。

ケース裏側はGTR 2(左)はアルミ素材、GTS2は樹脂素材。センサー類は共通のようだ。充電は付属の専用USBケーブルのマグネット付き端子をケースの裏側に取り付けて行う。

ケース裏側はGTR 2(左)はアルミ素材、GTS2は樹脂素材。センサー類は共通のようだ。充電は付属の専用USBケーブルのマグネット付き端子をケースの裏側に取り付けて行う。

バッテリーの持続時間は「日常使用モード」でGTR 2が14日間でGTS 2が7日間。「GPS連続使用モード」はGTR 2がなんと48時間でGTS 2が25時間となっています。「日常使用モード」についてはGPSを使ったアクティビティの記録とかスマートフォンからのBluetoothを使った通知の頻度によって実際のバッテリー持続時間が左右されるのはもちろんですが、明らかにApple Watchよりはバッテリーが長く持つと感じます。フル充電であれば、睡眠中も身につけて睡眠のトラッキングをしたとしても数日は充電の必要がないというのは大きなアドバンテージです。繰り返しになりますが、この大きくて鮮明なディスプレイでバッテリーの持ちがよいというのがすばらしい。

「ライフスタイル」スマートウォッチとして:単体で音楽が聴ける機能は便利

Amazfit GTR 2 / GTS 2のスポーツ、フィットネス関連以外の機能の中で目を引くのは本体に3GBのメモリー領域があり、ここに音楽ファイル(MP3フォーマットで300-600曲)を入れておけること。Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンをウォッチに直接接続できるので、スマートフォンを持たずにランニング中に音楽を聴くことができます。ただ、曲をウォッチに転送するには、Amazfitのスマホ側のアプリ「」からファイルアプリで曲のファイルを選択してから、ウォッチがアドホックに立ち上げるWiFiアクセスポイントにスマホ側から接続する、という流れであまり洗練されていないのが惜しいところです。ちなみにSpotifyなどの音楽アプリとの連携もありません。念のため付け加えると、ペアリングしているスマホで再生している音楽やビデオをウォッチで操作する機能は備えています。

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このほかは天気やアラーム、イベントのリマインダーなどの基本的な機能を備えているほか、電話をウォッチで着信して通話することも可能です。先にレビューしたT-Rexではバラエティが少なかったウォッチフェイスもZeppアプリからアクセスできる「ストア」で豊富なバリエーションからダウンロードできるようになっています。

Zeppアプリからはさまざまなデザインのウォッチフェイスをダウンロードできる。

Zeppアプリからはさまざまなデザインのウォッチフェイスをダウンロードできる。

「スポーツ」スマートウォッチとして:基本的な機能はカバー、血中酸素濃度もトラック可能

スポーツアクティビティとしては、ランニングやサイクリング、トレイルランニングなどの12種類が選択可能ですが、メニューの「その他」を選ぶとダンスや球技、格闘技などさまざまなジャンルのスポーツが選べるようになっていて、数えたところ全部であわせて90種類。デフォルトでメニューに表示するアクティビティを編集することも可能。アクティビティ中のディスプレイ表示やアクティビティ終了後のサマリー表示、スマホの「Zepp」アプリでの表示については先月レビューしたT-Rexと概ね同じなのでレビュー記事をご参照ください。ただ、ディスプレイのピクセル数が多いせいか、GTR 2 / GTS 2のほうが表示される情報が豊富で見やすい印象です。

あらかじめセットしたアクティビティゴールに到達するとウォッチが知らせてくれる。

あらかじめセットしたアクティビティゴールに到達するとウォッチが知らせてくれる。

アクティビティの種類を選択する画面。時計そのものはGTR 2の方が大きいが、ディスプレイは角形のGTS 2の方が情報量が多い場合もある。

アクティビティの種類を選択する画面。時計そのものはGTR 2の方が大きいが、ディスプレイは角形のGTS 2の方が情報量が多い場合もある。

ランニング中にウォッチに表示されるデータも、大きなディスプレイで表示されるとなんだかうれしい。

ランニング中にウォッチに表示されるデータも、大きなディスプレイで表示されるとなんだかうれしい。

【追記・GTR 2 / GTS 2についてもT-REXと同様にGPSとGLONASSに対応していることを確認しました。以下の記述について一部削除いたします。ただ、Zeppアプリ上でのコースの軌跡の見え方に差がある点については理由は確認していないものの事実なので記述を残しています。2020.12.26】あと、GPSについてはアウトドアスポーツ向けのT-RexにはGPSとGLONASSに対応していることが明記してあるのに対して、GTR 2 / GTS 2にはGLONASSについてはスペックに表記がありません。そのせいなのか、走った後のGPSのログを「Zepp」アプリでみると、T-Rexがコースをより細かく正確に記録しているのに対して、GTR 2 / GTS 2はややラフな感じもします。このあたりは各製品の位置付けの差ということかもしれません。なお、センサー類では光学心拍センサーの「BioTracker™️ PPG Bio-Tracking Optical Sensor」のほか、気圧計や三軸加速度計、コンパスをT-Rexと同様に備えています。

左は先行してレビューしたAmazfit T-Rex、右はGTR 2のGPSログ。アウトドアスポーツ向けのT-Rexの方が道路に対してより忠実に記録しているようだ。

左は先行してレビューしたAmazfit T-Rex、右はGTR 2のGPSログ。アウトドアスポーツ向けのT-Rexの方が道路に対してより忠実に記録しているようだ。

スポーツ時以外のライフログ機能については歩数、消費カロリー量、移動距離などのほか、睡眠をトラッキングして睡眠の「質」を数字で示す「睡眠スコア」、Amazfit独自の指標で「心拍数データをベースに、毎日のアクティビティの強度や生理データを合わせて多角的かつ動的に総合的な評価を行う」というPAIについては、こちらも先月レビューしたT-Rexのレビュー記事をご参照

T-RexにはないGTR 2 / GTS 2に搭載された注目の機能としては血中酸素飽和度(SpO2)があります。これはウォッチのケース裏面に心拍センサーとは別に設けたセンサーで測るもので、呼吸機能の健全さの指標になることから新型コロナウィルス感染症が注目された今年は話題になりました。現在のスマートウォッチのトレンドといえる機能だといえます。

血中酸素飽和度を計測した。ウォッチを上に向け、身体も腕も静止して測定する。

血中酸素飽和度を計測した。ウォッチを上に向け、身体も腕も静止して測定する。

このほか、「ストレス」の指標もT-Rexのレビューでは紹介しなかった機能です。これは心拍数の変動などからアルゴリズムによって1日を通じたストレスの度合いを数値化してその推移を記録するという機能。高いストレスを感じているときにそのことを客観的に知ることができれば、ストレスを和らげる工夫ができるかもしれません。

ストレスの推移をウォッチ上で確かめる。スクロールするとその日のストレスの度合いをヒストグラムで表示する。ディスプレイの上側は「1日のストレス」という見出しが横にスクロールしている。

ストレスの推移をウォッチ上で確かめる。スクロールするとその日のストレスの度合いをヒストグラムで表示する。ディスプレイの上側は「1日のストレス」という見出しが横にスクロールしている。

スマホのZeppアプリで1日から週、月、年単位でストレスの度合いの推移を一覧できる。

スマホのZeppアプリで1日から週、月、年単位でストレスの度合いの推移を一覧できる。

機能のバランスはよいが、日本語ではまだ使えない機能も

以上、GTR 2 / GTS 2の機能を紹介しました。一言でいえば、鮮明で見やすいディスプレイとバッテリーの持ちのよさという相反する機能をうまくバランスさせていて、「スポーツ」と「ライフスタイル」というスマートウォッチの二つのニーズをうまく満たしている、といえます。

海外のレビュー記事をみるとGTR 2 / GTS 2についてコストパフォーマンスの高さを魅力として挙げるものもあります。ただ、Amazfitの日本正規代理店であるアースリボーンのオンラインストア・ufufuでの販売価格はアメリカや欧州での価格よりも高めで、Apple Watch SEとだいたい同じ。Apple Watchのバッテリー持続時間はずっと短いですがタッチ決済機能やiPhoneとのスムーズな連携機能を備えていることを考えると、少なくとも日本でGTR 2 / GTS 2についてコスパが高いとは言いづらく感じます。ただ、今後セールなどで内外価格差が縮小したら情勢は変わるかもしれません。

このほか、GTR 2 / GTS 2の目玉機能としてアピールされているのがAmazon Alexaをウォッチから利用できる機能です。しかし本稿公開時点ではまだ利用できず、今後のファームウェアのアップデートを待つ必要があります。 Alexaとの連携が可能なのは今のところFitbitだけでAmazfitが続けば大きなアドバンテージとなるので、早期のアップデートを期待したいところ。

また、Alexaとは別にウォッチ本体の機能としてウォッチを音声でコントロールできる「オフラインオーディオコマンドワード」機能をGTR 2 / GTS 2は備えているのですが、日本語では利用することができません。「Zepp」アプリと時計本体を英語に切り替えると利用できますが、この場合は指示に使える言語は英語。これも日本語対応を期待したい。

以上、少々辛口の締めくくりとなりましたが、筆者としてはメーカーとしてのAmazfitの姿勢には大いに期待しています。一例ですが、GTR 2 / GTS 2ではスマートフォンからの通知が3行くらいしか表示されず、通知が届いても内容がわからないという残念な状態でした。しかし、本稿執筆前日にファームアップのアップデートが可能となり、実際にアップデートしてみると通知はもっと長く表示されるようになっていて問題が解決しました。この調子でGTR 2 / GTS 2はもちろんのこと、今後発売される製品もどんどん改善、改良されていくことに期待しています。

スマホからの通知は開封直後はテキストが3行しか表示できなくてもどかしかったが、最近のファームウェアアップデートで表示されるテキストが増えた。

スマホからの通知は開封直後はテキストが3行しか表示できなくてもどかしかったが、最近のファームウェアアップデートで表示されるテキストが増えた。

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