参加する選手だけでなく、関係者も今年の大会開催のルールを詳しくチェックする必要がありそう。
ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)は3月3日午後8時からライブ配信で今年2022年大会の開催要項について説明会を開催します(Facebook、YouTube)。新型コロナウィルスのパンデミックを受けて2度の中止を経て、3年ぶりに開催される今年のウルトラトレイル・マウントフジは4月22日から24日の三日間の日程で開催予定。この記事では、説明会に先立って発表された今年の大会の開催概要から新たに明らかにされたポイントを中心に紹介します。
Sponsored link
100マイルのレースは富士山こどもの国(静岡県富士市)から富士山に対して時計回りに進み、富士急ハイランド(山梨県富士河口湖町・富士吉田市)、忍野、山中湖を経て富士急ハイランドでフィニッシュする「UTMF165k」として開催。距離は165.6km、累積標高は7,573mD+、7,613mD-となります。加えて今年から新たにUTMF165kのコース後半にあたる、富士急ハイランドをスタート・フィニッシュとする「KAI69k」が開催されます。こちらは距離69.6km、累積標高は3,675mD+、3,668mD+となります。
スタートまでの新型コロナ対策として、選手、私的サポーター、プレス関係者には大会受付日に抗原検査が必須に
UTMF165kに参加する2,400人、KAI69kに参加する480人については、すでに「大会14日前までに新型コロナウイルスのワクチン接種(2回)を完了または大会開催日直前(スタート72時間以内)のPCR検査陰性を証明できること」が参加条件の一つとされていました。今回の発表ではこれを「大会受付日に主催者が実施する抗原検査(費用別途1,500円)を受け陰性であること」と改められました。この抗原検査は選手に加えて、私的サポーター、救護スタッフ、プレス関係者も必須とされました。
昨年11月に大会概要が発表された時点では、ワクチン接種が進んでワクチン・検査パッケージによりイベントを開催する仕組みが設けられましたが、その後のオミクロン株の感染拡大によりこの仕組みは停止に。「3回目」のワクチン接種の促進が課題となる中で大会開催を可能とするために、抗原検査が導入されることとなりました。
このほか、今回の大会では「エントリー時及び大会受付日原則8日前に日本に在住している人」が参加資格とされており、海外からの参加は事実上不可となっています。さらに新型コロナウィルスに感染して症状があった場合、なかった場合、濃厚接触者となった場合については、経過期間やPCR検査などによる参加条件が細かく設けられています。
大会開催中の新型コロナ対策として:マスク着用のルール、仮眠スペースは屋外テントで毛布の用意はなし
レースに参加する選手に対する競技ルールの中にも新型コロナ対策として追加、変更されたルールがあります。
マスクについては2枚が必携品となっており、コース上では着用する必要はないものの、スタートエリアとエイドステーションでは必ず着用することとされています。
UTMF165kでは精進湖(U4、73.1km)、富士急ハイランド(U5、95.8km)、山中湖きらら(U7、124.3km)、富士吉田(U9、150.1km)に仮眠所が設けられますが、いずれも防寒のための毛布が用意されないほか、精進湖を除いては屋外のテント内に設けられます。
仮眠や休息をとるには厳しい条件となるため、事前の準備が必要な場合もあるでしょう。これら仮眠所が設けられる4つのエイドのうち、私的サポートは精進湖、富士急ハイランド、山中湖きららで受けられるほか、富士急ハイランドではドロップバッグを置くことができます。
踏切があることからフィニッシュの2km手前で順位を確定する特別ルール
このほか、新コースとなる今年の特別ルールとして、フィニッシュの2.1km手前に順位確定ポイントを設けるとされています。これは富士急ハイランド内のフィニッシュ地点の約1.7km地点に富士急の線路を横断する踏切があるためで、UTMF165k、KAI69kの男女それぞれの10位までの順位はこの踏切の手前に設けるポイントで確定し、これ以降は順位の変動があっても結果は変わりません。一方タイムはフィニッシュ地点で計測されることから、場合によっては順位とタイムが整合しない場合もありうることになります。
ちょっと不思議な感じもしますが、安全な大会の運営には必要な措置とのこと。踏切では遮断機の警告音や大会スタッフの指示で立ち止まることとされており、踏切での待ち時間はレースのタイムに含まれることとされます。