4月21日から三日間にわたって開催された今年のウルトラトレイルマウントフジ Ultra-Trail Mt. Fujiに参加したTHE NORTH FACEアスリートの声を4回にわたって紹介します。
今回は69kmのKAIのレースを走り、9位でフィニッシュしたセス・スワンソン Seth Swansonさんにレースの印象を聞きました。100マイルのFUJIのコースの後半の核心部となる、山中湖、石割山、杓子山、霜山をつなぐコースをセスが走るのは、2018年のこの大会で3位となって以来です。
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(表題写真 © Fuji Trail Runners Club)
セスは自らのレースを終えて、Instagramに9位のトロフィーを手に大会会長の鏑木毅さんと表彰台に立つ写真を投稿しました。添えた言葉は「トロフィーの大きさは関係ない、というよね」。
来日に先立ってお話を聞いた際には、地元のモンタナ州ミズーラは今年は雪が多くてまだ土の上を走れるところが少ないと話していました。「こんなに速いスピードで走るのは久しぶりできつかったけど、乾いたトレイルを走れるのは気持ちがいいね」といいます。
「素晴らしい経験ができた一日だった。KAIを走るのはすごくチャレンジングであると同時に、美しいトレイルを楽しめた。サポートをしてくれた仲間はもちろん、大会スタッフの皆さんが信じられないほど親切で、寛大だった。5年ぶりにこの大会を走れたことがうれしかったよ。」
ただ、自身のKAIのレースについては決して簡単ではなかったと振り返ります。「5年前にUTMFを走った時は最後の二つの山の登り下りがかなり難しかったことを、今もよく覚えている。だから今回もレースの途中までは力を残すようにしたよ。」
経験豊富なトレイルランナーらしい慎重さでコースを進んだ後、杓子山、そして霜山という最後の難所にやってくるとセスの気持ちに少し変化があらわれます。
「ついに来たな、この感じがマウントフジだ、と記憶が甦った。いつまでも終わらない登りを一歩一歩進み、急なトレイルを駆け下りているうちに、だんだん楽しくなってきてね。気持ちよく完走することができた。」
今回は家族に迎えられて富士急ハイランドにフィニッシュ。「自分のレースを無事終えることができたから、今度は家族に日本を楽しんでもらう番だ。時間は限られているけど、二人の娘たちに神社や博物館、それに美味しいものを食べて日本の文化に触れてもらいたいね。」世界の頂点を知るウルトラランナーは、優しい父親の眼差しで家族を見つめていました。
(協力・THE NORTH FACE)