Amazfit Balance は昨年10月に発売されたスマートウォッチで、「ライフスタイル特化型のフラッグシップモデル」と位置付けられています。AmazfitのスマートウォッチのフラッグシップモデルだったGTR / GTS シリーズを継承して登場しました。
Amazfitの製品の中では、アウトドアアクティビティに適したT-Rexシリーズ、ランニングをはじめとするスポーツに適したCheetahシリーズに並ぶ形となります。ラウンド型のAmazfit Balanceに続いて、昨年12月にはスクェア型で機能を絞ったスタンダードモデルとなるAmazfit Activeも登場しています。
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今回はレビューのために Amazfit Balance をメーカーから提供していただき、2週間試用しました。ランニングウォッチとしての機能を持ちながらも、スポーツをしていない時や睡眠中の健康データをわかりやすく伝えてくれる新機能を備えたことで、いつでも身につけていたくなる、ライフスタイルによりそったスマートウォッチとなっています。
最新のZepp OS 3.0 を備え新機能を搭載したプレミアムモデル
Amazfit Balanceを腕につけてみてまず感じるのはラウンド型のディスプレイの広さと表示の美しさです。ウォッチとしてのサイズは46mmでGTR 4と同じなのですが、ディスプレイサイズは1.5インチ、解像度は480×480といずれもスペックは向上しています。今回試用した「ミッドナイト」カラーとリキッドシリコンバンドのモデルは落ち着いたミニマルな色味です。このほかに「サンセット」カラーとナイロンバンドのモデルを選ぶこともできます。デザインについてはシンプルで、ウォッチ本体とシリコンバンドの一体感があって高い質感を感じます。
オペレーティングシステムは最新世代の「Zepp OS 3.0」を初めて搭載したAmazfitのスマートウォッチで、機能面では以下で紹介するヘルスケア、フィットネス関係で新機能が導入されました。
メンタルとフィジカルを数値化して、健康的な生活を意識させてくれる「レディネススコア」
Amazfitのスマートウォッチでは心拍数や血中酸素レベルの自動測定、睡眠の時間や質のモニタリングといった機能に加えて、こうした指標を分析してわかりやすく解釈した指標もトラッキングできます。これまでだと、日々ある程度の運動量を積み重ねることを促す「PAI」という指標がありました。
Amazfit Balanceではこれに加えて「レディネススコア」が表示されます。これは人間の元気のレベルをバッテリーに見立てて、昼間の活動でスコアを消費して、夜間の睡眠でスコアを充電するといった、バランスをとることを促す仕組みと言えます。
ウォッチの中の「レディネススコア」アプリではこのバランスをバッテリーのメーターのように0から100で表示します。心拍数や心拍変動(HRV)、ストレスレベル、睡眠中の呼吸の質、体温、日常活動などのデータに基づいて、疲労と回復を測定します。睡眠不足だと朝からレディネススコアが低く、満員電車に乗ってストレスを感じたり、ランニングをしたりするとレディネススコアが減っていきます。「疲れたな」とか「睡眠不足だな」という状況を数字で確認することで生活習慣を見直すきっかけになります。アプリの中ではこのレディネススコアが運動量と心拍数に基づく「身体の回復」レベルと睡眠時間に基づく「メンタル」レベルを確認することができます。
実際に試してみると睡眠時間が短かった夜の後はレディネススコアが低い状態になり、翌日、翌々日までその影響を引きずっていることが数字で確認できました。日々のスコアの水準を確認するのはもちろん、データを蓄積することで、月単位でスコアを比較したり、前年同月と比較することで、自分の疲労と回復のレベル感を確認できそうです。健康に過ごすための生活習慣や周囲の環境の見直しにも示唆を与えてくれそうです。
ウォッチだけで体脂肪や骨格筋量が計れる体組成測定機能
Amazfit Balanceには生体電気インピーダンスセンサーが搭載されており、これによりウォッチ本体で体組成を測定できる機能が利用できます。ウォッチから体組成測定機能のアプリを呼び出し、クラウンとボタンの両方に指を接触させると自動的に計測が始まり、10秒ほどで計測は終了。体脂肪率や筋骨格筋などのデータが表示され、これらのデータはスマホのZeppアプリでも確認できます。
計測には手指の乾燥などのせいか「信号が弱すぎます」と表示されて計測できないこともありました。多少、計測の仕方にはコツがあるようです。
デュアルバンド対応のGPSやAIを活用したコーチング機能も充実
ランニングなどのスポーツ関係のアクティビティに関する機能も充実しています。GPS機能についてはAmazfitのランニング向けのウォッチであるCheetah/Cheetah Proと同じデュアルバンド円偏波GPS アンテナ技術である「MaxTrack GPS Technology」を採用していて、二つの衛星信号を受信すること正確な位置の計測が可能になります。この点については、競合のAppleの製品でもデュアルバンド対応はApple Watch Ultraシリーズのみであることを考えるとアドバンテージがあります。
AIを活用してトレーニングを提案し、進捗を管理する「Zepp Coach 2.0」もCheetah/Cheetah Proと同様に搭載します。AIとのチャットを通じて目標を設定すると、目標に向けたトレーニングプランを設計してくれるというものです。目標はハーフマラソンでサブ2というような本気モードのものでも、もう少しゆるく健康を維持したいというものでも設定できます。一度ブランを設定すると日々の課題をZeppアプリとAmazfitのウォッチが提案してくれます。このZepp Coach 2.0については昨年当サイトがCheetahのレビュー記事の中で詳しく紹介しています。
Cheetah/Cheetah Proの備える機能のうち、ナビゲーション機能はAmazfit Balanceも備えており、GPSファイルを読み込んでそのコースに重ねて現在位置をウォッチ上で表示することもできるので、トレイルランニングやハイキングでの道迷いを防ぐことができます。オフラインマップ機能についてはBalanceは備えていませんが、それを除けばウォッチのスポーツ関係の機能はCheetahシリーズに並ぶといえます。
バッテリーは常時画面表示モードで最大5日間、ハードな使用では最大7日間。実際に常時表示モードで1回1時間程度のランニングを週3-4日というペースで使うと、6日間ほどでバッテリーが10%以下になりました。アクティビティ中は高精度GPSモードで最大26時間稼働となります。
価格は公式オンラインストアでが41,900円(税込)で販売されています。
競合を上回る機能も備え、スポーツ、ライフスタイルの両用途で満足度の高いモデル
ランニングを楽しむ人にとっては、ランニングのタイムに加えて心拍やGPSによるコースの記録を取れるGPSスポーツウォッチは、今日のスマートウォッチが普及する前からおなじみでした。しかし、そうしたGPSスポーツウォッチは大きかったりデザインがゴツゴツしていたりして、生活やビジネスシーンにはなじみにくいものでした。
この Amazfit Balance はかつてのGPSスポーツウォッチと同等の機能を備えつつも、AI活用のコーチングや健康管理機能までカバーしているのに、生活シーンになじみやすいデザインとサイズ感を実現しています。1.5インチの大型のAMOLEDディスプレイもスマートフォンに慣れた目には満足できる精細さと明るさです。
このほか、スマートフォン上でウォッチと連動するZeppアプリもワークアウトや睡眠が独立したタブに整理されてアクセスしやすくなるなど、着実に改善されている様子です。こうしたアプリやファームウェアのアップデートがあるのはうれしいポイントです。
スポーツに特化したGPSスポーツウォッチを使っているけれど、仕事や普段の生活ではもう少し薄手でシンプル、だけど画面が見やすいウォッチを探したい方には乗り換えの有力候補となりそうです。
それから、メンタルやフィジカルのレベルをバッテリーに見立てて数値化する、という機能を備えたAmazfit Balanceなら乗り換えを検討したいという人もきっといるのではないでしょうか。
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