フランス・パリでオリンピックが開催中の8月5日、国際トレイルランニング協会(ITRA)は「トレイルランニングのオリンピックとパラリンピックのレガシー」(Trail Running’s Olympic and Paralympic Legacy)と題したプレスリリースを発表しました。この中で、ITRAとしてトレイルランニングをオリンピック、パラリンピックの競技種目とするための取り組みを進めており、2032年のオーストラリア・ブリスベンで開催されるオリンピック、パラリンピックでの採用を目標としていることを明らかにしました。
以下はITRAのプレスリリースの当サイトによる全文訳です。
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トレイルランニングのオリンピックとパラリンピックのレガシー
国際トレイルランニング協会(ITRA)は、トレイルランニングをオリンピック・パラリンピック競技大会に不可欠な一部として位置づけることを目指しています。ITRAのビジョンは、メダルや記録を超えたものです。それは、私たちのスポーツの本質である、荒々しく美しい自然の景観、仲間意識、そしてアスリートたちの不屈の精神を包含しているのです。
トレイルランニングは、レース数、大会規模、参加者数、ステークホルダーの関心などにおいて急速に成長している競技です。マウンテン・トレイルランニング世界選手権大会は、世界中のアスリート、サポーター、フォロワーから高い関心を集めていることを証明しました。50カ国以上のメンバーを擁するITRAは、文化、言語、風景の架け橋となっています。私たちのトレイルは、私たち全てをつないでいるのです。トレイルランニングは、自然、仲間のランナー、そして自分自身に対するリスペクトを体現しています。それは単に山頂を征服することではなく、旅そのものを称えることなのです。
ITRAは、トレイルランニングの人気の高まり、そのユニークな挑戦と美しさが、世界の舞台で認められるべきだと考えています。
私たちの誓い:
- アドボカシー(主張):ITRAは、オリンピック・パラリンピック競技の一つとしてトレイルランニングの地位向上を提唱します。2032年のブリスベン・オリンピック・パラリンピックは、私たちのスポーツの真正性、多様性、人気を世界の舞台で披露する絶好の機会だと考えています。
- コラボレーション(協働):ランナー、アスリート、レース主催者、スポーツ関係者・連盟、政府との対話を呼びかけます。共に、トレイルランニングの原点に忠実なフォーマットを形作っていきましょう。
- インテグリティ(高潔性):最高水準を維持することが何より重要です。フェアプレー、透明性、環境スチュワードシップが私たちの道を導きます。オリンピックの地位は、スポーツの純粋性とフェアプレーの維持に等しく配慮しながら、スポーツの発展を確実にするでしょう。
- 美しさと挑戦:さざめく森、岩だらけの急斜面、曲がりくねったシングルトラックの魅力は、世界的な認知に値します。標高差が敵にも味方にもなる私たちの自然の舞台は、現地の観客とテレビ画面の前の観客の両方に、畏敬の念とインスピレーションを呼び起こします。
トレイルランニングのオリンピックとパラリンピックのレガシーは、世界中のアスリートたちの山々、森林、平原、そして心に刻まれることでしょう。私たちは協力して、オリンピック・パラリンピックにおけるトレイルランニングが、競争心とアスリート精神だけでなく、私たちのスポーツのレガシーの中心である自然、他者、そして自分自身への尊重を体現するものになるよう、努めていきます。
「2032年のブリスベン・オリンピックは、これを実現するのに良いタイミングだと考えています…トレイルランニングの人気の高まり、そのユニークな挑戦と美しさは、世界の舞台で認知されるべきです。ITRAは、オリンピックにおけるスポーツの高潔性を維持しつつ、オリンピック・ムーブメントの原則と目的に沿うよう、関係者と協力して取り組んでいく所存です。」
– ITRA会長 ジャネット・ウン Janet Ng
「トレイルランニングがオリンピック・パラリンピックに含まれるべきかどうかについて、どちら側の意見であれ、誰もが同意するのは、スポーツの成長、価値観と歴史の維持、新しい人々のスポーツへの導入、エリートレベルとレクリエーションレベルの両方で、すでにスポーツに定着している人々のサポートを管理すべきだということです。トレイルランニングを世界最大のスポーツの舞台に引き上げることは、これらの重要な目標を支援することになるでしょう。」
– ITRAオリンピック・トレイルランニング・ワーキンググループ・コーディネーター マイケル・ダガン Michael Duggan、