2024年の HOKA UTMB Mont-Blanc レースのうち、日程後半に開催されるOCC(50Kカテゴリ)、CCC(100Kカテゴリ)、UTMB(100Mカテゴリ)の三つのレースは2度目のシーズンとなる今年のUTMBワールドシリーズのファイナルとなっており、上位入賞選手には賞金も贈られます。
それぞれのレースのライブトラッキングはUTMB Liveでチェックできるほか、8月29日木曜日から9月1日日曜日にかけてライブ配信で視聴できます。
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(Photo © UTMB)
驚きの選手層の厚さ、今年のOCCの見どころ
UTMBウィーク後半に入る29日木曜日の朝、スイスのオルシエール Orsieres をスタートし、シャンペ Champex を経由して、シャモニー Chamonix に至る57km、3,498mD+のコースでOCCが行われます。今回のレースではUTMBワールドシリーズの各レースだけでなく、WMTRC世界選手権やGTWSなどの20kmから40km程度の距離で鎬を削っている選手たちが多数、このOCCのスタートラインに立ちます。そのコースは100マイルのUTMBのコース後半の大きな登り下りを繰り返すセクションの多くと重なり、アルプスの美しい景色を楽しめる素晴らしいレースですが、エリートランナーにとっては真剣勝負の舞台となります。
女子の有力選手
優勝に最も近い選手を挙げるなら、やはり今年6月のモンブランマラソンでの鮮やかな勝利の記憶が新しいジュディス・ワイダー Judith Wyder (SUI) でしょう。UTMB Mont-Blancのレースには初登場で、同じ年にモンブランマラソンとOCCを制することができれば快挙となります。今シーズンは6月のスペインでのオフロード欧州選手権の16kmでも準優勝という記録を残しています。
クレモンティーヌ・ジョフレイ Clémentine Geoffray (FRA) は2023年のインスブルックでのWMTRC世界選手権のショートの金メダリストで、今年6月のオフロード欧州選手権の58kで優勝しています。昨年はMCCで優勝していて、ワイダーとともに優勝候補の最右翼となります。
これまでのOCCで表彰台に立った経験を持つアスリートも今年のレースに戻ってきます。ダニ・モレノ Dani Moreno (USA)は一昨年の2022年に3位でした。最近では昨年秋のKodiak by UTMB 50k、今年4月のCanyons by UTMB 50kで優勝しています。ヤオ・ミャオ Miao Yao (CHN)は昨年のOCCで3位で、モンブランマラソンでは昨年2位、今年3位とシャモニーのトレイルランニングファンにはよく知られた存在です。2018年にはCCCで優勝しており、OCCでの二冠となるかに注目です。アリー・マクラフリン Allie Mclaughlin (USA)はOCCには2022年に6位、2023年に14位という結果を残しています。今年のカリフォルニアでのBroken Arrow Skyrace 23kでは4位でした。
加えて、昨年のETCで優勝してケガからの復帰を印象付けたサラ・アロンソ Sara Alonso (ESP)、昨年のOCCで4位のケイトリン・フィールダー Caitlin Fielder (NZL)、2022年CCCで準優勝のスンマヤ・ブッダ Sunmaya Budha (NEP)、2023年Val d’Aran by UTMB PACE 55kmで優勝のオイアナ・コルタザ Oihana Kortazar (ESP)、2021年OCCで5位、今年6月のLavaredo by UTMB 50Kで優勝のエリサ・デスコ Elisa Desco (ITA) と注目選手のリストは長く続きます。
日本からは昨年のTransJeju by UTMB 100kで3位、Doi Inthanon by UTMB 100kで7位の枝元香菜子 Kanako Edamotoがエントリーしています。
男子の有力選手
2021年のOCCで優勝しているジョナサン・アルボン Jonathan Albon (GBR)は2022年はCCCで2位、昨年のCCCで優勝しており、この大会については熟知している事でしょう。最近では昨年10月にTempliers 80kで優勝、今年5月のTransvulcaniaで優勝。今年6月のウェスタンステイツで6位となっています。3年ぶり2度目のOCC優勝を勝ち取る可能性は高そうです。
レミ・ボネ Rémi Bonnet (SUI)はGTWSで2年連続で年間チャンピオンとなっており、昨年はモンブランマラソン優勝、Pikes Peak Ascentで大会新記録と充実したシーズンでした。今年はモンブランマラソンで2位のあと、コルシカ島でのRestonica Trail by UTMB 33kで優勝。その実力から考えればアルボンと激しいレースになる予感です。UTMBでは2021年のOCCを走っていますがDNFとなっています。
昨年のOCCで2位のフランチェスコ・プッピ Francesco Puppi (ITA)も今年のOCCに参戦します。昨年10月のTempliersではアルボンに続く2位でした。マウンテンランニングやスカイランニングで活躍するシルバン・カシャール Sylvain Cachard (FRA) はSierre-Zinalで昨年4位、今年は7位。昨年のETCで9位でした。アメリカのイーライ・ヘミング Eli Hemming (USA)は今年4月のCanyons by UTMB 50Kのチャンピオンです。シャモニーでは昨年のモンブランマラソンで2位になっています。
日本からは先月、富士登山競走を連覇した近江竜之介 Ryunosuke OmiがOCCにエントリーしており、今回がUTMB Mont-Blancに初挑戦となります。
さらに次の選手も上位争いに加わる展開となるでしょう。
- アントニオ・マルチネス Antonio Martinez Perez (ESP):2023年OCCで3位、2024年Lavaredo by UTMB 50kで優勝。
- ロビー・シンプソン Robbie Simpson (GBR):2024年Eiger Ultra Trail by UTMB 50k優勝、Chanti by UTMB 50Kで優勝。2023年OCCで6位。
- バンジャマン・ルビオル Benjamin Roubiol (FRA):2023年WMTRC世界選手権ロングで金メダル。2024年オフロード欧州選手権58Kで2位。UTMBでは2022年CCCで14位。
- ロイク・ロベール Loic Robert (FRA):2022年Gorbeia Suzien 33kで2位、2023年Restonica by UTMB 33kで2位。2023年OCCではDNF。
- ジョシュラン・スモール Jeshurun Small (USA):2023年OCCで5位。2024年Transvulcaniaで4位。