8月26日月曜日に21回目となるHOKA UTMB MOnt-Blancが開幕しました。初日は午前8時にPTL、午前10時にMCC、午後11時50分にTDSの各レースがスタートしました。
(写真 PTLのスタート All Photo © UTMB)
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PTLは120チームがスタート
午前8時にシャモニーをスタートするPTLは2人または3人のチームでマーキングがなく毎年変更される距離300km、累積標高差25,000mD+のコースを踏破するというチャレンジです。PTLのスタートを前に、大会ディレクターのイザベル・ヴィズー・ポレッティ Isabelle Viseux-Poletti さんは「自然を敬い、自分自身とランナー仲間の安全に気をつけてください」とメッセージを送りました。スイス・ヴァレー州、イタリア・アオスタ州、フランス・オートサボワ県とモンブランを囲む各地域を通るマーキングのないラギッドなルートを、自らのナビゲーションと山岳経験を頼りに進むことになります。
スタートから18時間が経過しようとしている本稿執筆時点ではこのPTLで最初のフィニッシャーとなった経験を持つジュレアンリ・ガビオド Jules-Henri GABIOUD (SUI) とキャンディド・ガビオドCandide GABIOUD (SUI) の兄弟がまもなく78km地点に到達します。続くフロリアン・グラーゼル Florian GRASEL (AUT) とトマス・ワグナー Thomas WAGNER (AUT)のペア、クレマン・エリエ Clement HELIER (FRA)とフレデリック・プラドン Frederic PRADON (FRA) のペアも67km付近に進んでいます。
最初のフィニッシャーのシャモニーへの到着は8月31日金曜日の午後の見込みです。ライブトラッキングはこちら。
https://youtu.be/1M758QpJzfA?si=TiiACa1Cp_F_O-2t
MCCは一体感に満ちたイベント、レースは白熱の展開に
午前10時には主に地元のモンブラン地域に住む人やボランティアから1,000人が参加して、スイスのマルティニー・コンブ Martigny-Combe を出発しました。MCCのランナーが進む40km、累積標高差2,350mのルートは、シャモニーの山々が見渡せる絶景のコル・ド・バルムを経由してシャモニーを目指します。
今年のMCCには、チーム・アダプティブ Team Adaptiveから6人のアスリートが参加しました。チーム・アダプティブは、障がいや難病を抱える12人のアスリートで構成され、自身も肢体切断の障がいを持つトレイルランナーのボリス・ギラルディ Boris Ghirardi (FRA)が率いています。クレール・ヴェルゾー Claire Verzaux (FRA)、ジュリアン・ヴェイセール Julien Veysseyre (FRA)、ソフィー・メグロ Sophie Maigrot (FRA)、フランク・デリアン Franck Derrien (FRA)、ポル・マクリ・レドラド・ガルシア Pol Makuri Redolad Garcia (ESP)、ヴァス・ソジトラ Vasu Sojitra (USA)の各選手がこの日のMCCを見事完走。長い登り下りとテクニカルなセクションを含むタフなコースで素晴らしいパフォーマンスを見せました。
女子のレースの表彰台はフランス勢が独占しました。オートサボア県グラン・ボルナン Grand-Bornand 出身のイリス・ペセ Iris Pessey (FRA) がレースをリードして4時間12分41秒で圧勝しました。2位争いはセルヴォ Servoz 在住のエロディ・アレクサンドル Elodie Alexandre (FRA)が制し、2分後にサボア出身のステファニー・マニヴォ Stéphanie Manivoz (FRA)が続きました。
男子レースはスピーディで白熱した展開となりました。結果はケヴィン・ヴェルムーレン Kevin Vermeulen (FRA)が3時間34分39秒で勝利。ヴェルムーレンと抜きつ抜かれつの展開だったトマ・ビュテ Thomas Butez (FRA)が2位、スイスのセザール・コスタ Cesar Costa (SUI)が3位で続きました。トップ3人のフィニッシュの間隔は2分以内という接戦でした。
今回のMCCにはパリ五輪日本代表としてマラソンに出場したばかりの大迫傑 Suguru Osakoが出場。序盤の7.6kmを3位で通過しますが、その後の山岳区間で順位を落とすこととなります。しかし、男子50位となる4時間30分41秒で無事、初のトレイルランニングのレースを完走しています。
リザルトはこちら。
MCC 女子トップ10
- イリス・ペッセイ Iris PESSEY (FRA) – 04:12:41 (Athlé Saint-Julien 74)
- エロディ・アレクサンドル Elodie ALEXANDRE (FRA) – 04:30:35 (Freerun)
- ステファニー・マニヴォ Stéphanie MANIVOZ (FRA) – 04:33:21 (Dynafit)
- ラケル・リバス Raquel RIVAS (ESP) – 04:36:48
- アンリーズ・ダゴルヌ Annelyse DAGORNE (FRA) – 04:41:46 (USON Athlé)
- ユアン・ジン Yuan JIN (CHN) – 04:42:54 (KOLON SPORT)
- エミリーン・ユスタッシュ Emeline EUSTACHE (FRA) – 04:55:44
- アガット・ブクリエ Agathe BOUCLIER (FRA) – 05:04:21
- マリオン・フラマン Marion FLAMENT (FRA) – 05:07:34
- エマ・ラトゥラズ Emma LATHURAZ (FRA) – 05:09:03
MCC 男子トップ10
- ケヴィン・ヴェルムーラン Kevin VERMEULEN (FRA) – 03:34:39 (Wise Ultra Running)
- トマ・ビュテ Thomas BUTEZ (FRA) – 03:36:33 (CAA)
- セザール・コスタ Cesar COSTA (CHE) – 03:38:22 (CCRunning Saxon Compressport)
- レオ・チュアズ Léo TUAZ (FRA) – 03:42:43 (Académie Sidas-Matryx)
- アレクシス・ガル Alexis GAL (FRA) – 03:44:49
- ジサブ・キム Jisub KIM (KOR) – 03:44:55 (The North Face)
- ヨアン・スタック Yoann STUCK (FRA) – 03:47:12 (Buff x Icebreaker)
- ロミュアルド・ブラン Romuald BRUN (FRA) – 03:47:20
- フルーリー・ルー Fleury ROUX (FRA) – 03:51:32
- ケヴィン・デュナン Kevin DUNAND (FRA) – 03:55:47
TDSは深夜にスタート
UTMBのイベントの中でも知る人ぞ知る魅力を持つTDSは距離146km、累積標高差9,300mD+のトレイルランニングレースです。26日月曜日の午後11時50分にモンブランのイタリア側、クールマイユール Courmayeur をスタートしました。そのレース名は「サヴォワ公の足跡 (Trace des Ducs de Savoie)」を意味します。1,600人のランナーは、クールマイユールで温かい歓迎を受けた後、ボーフォール Beaufort 地方の手付かずの自然と、ボーフォール、オートリュス Hauteluce、レ・コンタミンヌ・モンジョワ Les Contamines-Montjoie などの絵のように美しい村々を巡ります。
スタートからまもなく3時間となる本稿執筆時点では、男子上位選手は19.4kmのコル・シャヴァンヌ Col Chavannes を通過。ティボー・マルケ Thibaut Marquet (FRA)を先頭に17秒差でアレイシュ・トダ Aleix Toda Mas (ESP) とアレクセイ・ベレスネフ Aleksei Beresnev (ANA) がほぼ並んで通過。日本の吉村健佑 Kensuke Yoshimura は男子12位でこの19.4kmを通過しました。女子上位選手もあと30分弱でコル・シャヴァンヌに到着見込みです。14.9kmのラク・コンバル Lac Combal ではエミリー・コロン Emilie Collomb (ITA) が首位で3分差でエスター・フェルホーファー Esther Fellhofer (AUT) が続き、さらに1分半ほど後をパウリーナ・クラヴチャク Paulina Krawczak (POL) が追っています。
TDSの経過はこちらのライブトラッキングから。