TDSはフランス勢が上位を席巻、木曜日はシリーズファイナルのOCCがスタート・UTMB3日目【 #UTMB 2024 】

2024年のHOKA UTMB MOnt-Blancは8月28日水曜日に3日目となり、この日は厳しいレースとなったTDSのフィニッシャーが続々とシャモニーに到着しました。ユース世代のためのレース、YCCは前日のクールマイユールでのレースに続いて、シャモニーで2日目のレースが行われました。4日目となる本日29日木曜日は午前8時15分(日本時間同日午後3時15分)にOCCがスタートします。

(写真は今年のTDS女子チャピオン、マリー・ドアン Marie DOHIN。 All Photo © UTMB)

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TDSではフランス勢が活躍

8月26日月曜日深夜の23時50分、1,874人のランナーがモンブランのイタリア側、クールマイユールを出発し、距離148km、累積獲得高度 9,306mD+というアップダウンの大きさと、岩稜帯のテクニカルな場所を多数含むコースを走るTDSに挑みました。今年は猛暑がランナーにとってこのレースをさらに過酷なものにしました。約40%の選手がDNFとなっています。こうした中、レースの結果に目を向けると女子、男子ともにTDSではフランス人のアスリートの活躍が光りました。

TDSのコースの一部であるボーフォルタン地方を拠点とするティボー・マルケ Thibault MARQUET (FRA) は、難コースと暑さをものともせず、18時間59分36秒でシャモニーに到着。2位のアルバン・ベルソン Alban BERSON (FRA) の19時間26分40秒)、3位のゴーティエ・エリオー Gautier AIRIAU (FRA) の20時間07分22秒を1時間近く引き離しました。

フィニッシュ後、優勝したティボー・マルケは次のようにコメント。「すばらしい1日でした!このレースでこうして優勝できたことを誇りに思います。心の底では表彰台を狙っていました。コルメ・ド・ロズラン Cormet de Roselend で先頭に立ち、私が住んでいるボーフォルタン Beaufortain を通過する際には大勢の人々に後押しされました。レース終盤は厳しかったですが、幸いにも気づいていなかったので、そうでなければおそらくこれほど強く終われなかったでしょう。」

TDS®︎男子優勝のティボー・マルケ Thibault MARQUET(中)、2位のアルバン・ベルソン Alban BERSON(左)、3位のゴーティエ・エリオー Gautier AIRIAU(右)

TDS®︎男子優勝のティボー・マルケ Thibault MARQUET(中)、2位のアルバン・ベルソン Alban BERSON(左)、3位のゴーティエ・エリオー Gautier AIRIAU(右)

女子のレースではサヴォワ出身の2021年のTDSで5位のマリー・ドアン Marie DOHIN (FRA)が24時間06分01秒で2度目のTDSのチャンピオンとなりました。1位。2位にはアリアンヌ・ヴィルヘルム Ariane WILHEM (SUI) が36分差の24:42で続きました。3位はセリーヌ・フィナス Céline FINAS (FRA) で25:41でトップ3に入りました。

フィニッシュ後しばらくして、マリー・ドアンは次のように語りました。「今日の優勝は嬉しいですね、予想外でした。完璧な1日で、私自身は全てが順調でした。2021年は夜しか見られなかったボーフォルタンの景色を堪能することができました。」

TDS女子優勝のマリー・ドアン Marie DOHIN(右)と準優勝のアリアンヌ・ヴィルヘルム Ariane WILHEM(左)

TDS女子優勝のマリー・ドアン Marie DOHIN(右)と準優勝のアリアンヌ・ヴィルヘルム Ariane WILHEM(左)

男子のレースは先頭集団が長く一緒にコースを進みましたが、最後に単独リードしたのはで、18:59でシャモニーにフィニッシュしてTDS®︎のチャンピオンとなりました。2021年のL’Echappee Bell 148Kで優勝したいる他、今年の90km du Mont-Blancで9位となっています。2位には昨年のVal d’Aran by UTMB 110Kで2位のが約1時間差の19:56でシャモニーに到着。3位は で20:07でした。

TDSのリザルトはこちら

TDS 女子トップ10

  1. マリー・ドアン Marie DOHIN (FRA) – 24:06:01 (KIPRUN WOMEN TEAM)
  2. アリアンヌ・ヴィルヘルム Ariane WILHEM (CHE) – 24:42:03 (COMPRESSPORT)
  3. セリーヌ・フィナス Céline FINAS (FRA) – 25:41:41 (Kiprun Women team)
  4. アレクサンドラ・ナルコヴィッチ Aleksandra NARKOWICZ (POL) – 25:56:30
  5. シエ・ウェンフェイ Wenfei XIE (CHN) – 27:35:30 (SALOMON CHINA)
  6. ジュリア・アルニー Julia HARNIE (FRA) – 28:38:54 (SATUC)
  7. エリザベッタ・ネグラ Elisabetta NEGRA (ITA) – 29:27:06 (ASD Inrun Techons Medica)
  8. シャルロット・アラン Charlotte ALLAIN (FRA) – 29:37:30
  9. レア・シモン Léa SIMOND (FRA) – 29:55:58
  10. ローラ・メイニエル Laura MAYNIEL (FRA) – 30:00:31 (Inov8)
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TDS 男子トップ10

  1. ティボー・マルケ Thibault MARQUET (FRA) – 18:59:36 (dynafit 226ers)
  2. アルバン・ベルソン Alban BERSON (FRA) – 19:56:40 (Altra)
  3. ゴーティエ・エリオー Gautier AIRIAU (FRA) – 20:07:22 (SCOTT RUNNING / MERIBEL)
  4. ニコラ・グルドン Nicolas GOURDON (FRA) – 20:30:53 (NEW BALANCE)
  5. ケヴィン・ルー Kevin ROUX (FRA) – 20:44:53 (La montagn’hard/St gervais)
  6. アレシュ・セドラク Ales SEDLAK (CZE) – 21:03:56 (TJ Magla/ROCK POINT)
  7. ザイラン・リー Zairan LI (CHN) – 21:13:57 (Outopia & P.D.F.)
  8. マリン・シンケルダム Marijn SINKELDAM (NLD) – 21:14:40 (KLUB.RUN)
  9. ジェイソン・シュラーブ Jason SCHLARB (USA) – 21:21:06 (Norda/Ultimate Direction)
  10. クレマン・ミュニエ Clément MUGNIER (FRA) – 21:26:36 (TDR Albertville / CDS Méribel)

YCC The RevengeとMini UTMBではユース世代や子どもたちがトレイルランニングを楽しむ

YCCは未来のトレイルランニングのチャンピオンたちのためのレースで、2005年から2010年生まれ307人が年齢別に Junior 、Cadet、Minime のカテゴリーに分かれて競います。前日の火曜日にクールマイユールで行われた、年齢別にそれぞれ14km、8km、4km のレースに続いて、2日目の水曜日はシャモニーに設けられたコースを前日の順位とは逆の順番でスタートして競うというユニークなフォーマットの「YCC The Revenge」が開催されました。

年齢別の各カテゴリーの全ての結果はlive.utmb.worldで見ることができます。

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午後にはシャモニーで「Mini UTMB」も開催されました。これは市内の広場、シャン・ド・サヴォワ Champs de Savoy で3歳から13歳までのアスリートのために用意された7つのレースを子どもたちが走るというイベントで、子どもたちの歓声で会場は沸き立ちました。

Mini UTMB

Mini UTMB

29日木曜日は、OCCでUTMBワールドシリーズファイナルが開幕

OCCは2014年に初めて開催されました。以来、スイス・ヴァレー州西部のヴァル・ダントルモン Val d’Entremont の地元住民やボランティアの皆さんが、距離57km・累積高度3,500mD+のコースを走るランナーたちを温かく迎えています。コースはオルシエール Orsières をスタートし、多くの集落、シャンペ・ラック Champex-Lac とトリアン Trient といった山間地の村々を通ります。コース後半は、息をのむような針峰群の景色が広がるコル・ド・バルム Col de Balme や、ラ・フレジェール La Flégère への厳しい登りなど、モンブラン山塊東側の素晴らしい景色を楽しめます。フィニッシュはシャモニーの中心部となります。

OCCのコースから

OCCのコースから

今回もOCCは世界中のトレイルランニングファンの関心が集まるUTMBワールドシリーズファイナルの三つのレースの一つとして開催されます。今年から増額された賞金もかかるファイナルのチャンピオンのタイトルを賭けたレースに挑むエリートアスリートの顔ぶれからは、今回のOCCが激しいレースとなることが見込まれます。

女子では、2023年のMCCで優勝し、2023年WMTRC世界選手権チャンピオン、2024年オフロード欧州選手権チャンピオンのクレモンティーヌ・ジョフレイ Clémentine Geoffray (FRA)が、初めてOCCに挑みます。ダニ・モレノ Dani Moreno (USA) は、今年4月のCanyons by UTMBと昨年10月のKodiak Ultra Marathons by UTMB の50Kカテゴリーで優勝しています。

さらに、2024年モンブランマラソン優勝、昨年11月のKullamannen by UTMB 50Kで2位のジュディス・ワイダー Judith Wyder 選手 (SUI)、2024年欧州選手権3位のアデリーヌ・マーティン Adeline Martin (FRA)、昨年のOCC3位で2024年モンブランマラソンで3位のヤオ・ミャオ Miao Yao (CHN) も今年のOCCで優勝争いに加わりそうです。

男子では、今年7月のRestonica by UTMB 50K優勝でUTMBインデックスで現在世界ランキング首位のスイスのレミ・ボネ Rémi Bonnet、2019年トレイル世界選手権金メダリストで昨年のCCC優勝のジョナサン・アルボン Jonathan Albon (GBR)、昨年のOCC2位で今年は優勝を狙うフランチェスコ・プッピ Francesco Puppi (ITA)の間で熱いレースが予想されます。加えてフランスのアスリートでは2022年のオフロード欧州選手権チャンピオンのシルヴァン・カシャール Sylvain Cachard 、2023年WMTRC世界選手権ロングの金メダリストで今年の欧州選手権銀メダルのベンジャマン・ルビオル Benjamin Roubiol も要注目です。

OCCのライブトラッキングとライブ中継

UTMBワールドシリーズファイナルとなる29日木曜日のOCCと、30日金曜日からのCCCとUTMBのレースの模様は大会のウェブプラットフォームであるUTMB Liveで追うことができます。live.utmb.worldから全選手の状況をライブトラッキングで追うことができるほか、大会のソーシャルメディアでもリアルタイムで情報が発信されます。

8月29日木曜日の午前7時45分(日本時間午後2時45分)からはOCCのライブ中継も行われ、live.utmb.worldから視聴できます。

(Source: HOKA UTMB MOnt-Blanc)

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