2024 CCC リザルト トニ・マッキャン、ヘイデン・ホークスが激戦を制して優勝、UTMB5日目【 #UTMB 2024 】

2024年のHOKA UTMB Mont-Blancは木曜日のOCCに続いて、8月30日金曜日にUTMBワールドシリーズファイナルの100Kカテゴリー、101kmで累積獲得高度6,062mD+のCCCが行われました。多くのランナーが暑さとの闘いに苦しむ中、女子ではトニ・マッキャン Toni McCann(RSA)が昨年のOCC優勝に続き、今年は初挑戦のCCCで優勝。男子は中盤の接戦を抜け出してリードを固めたヘイデン・ホークス Hayden Hawks(USA)が優勝。UTMB Mont-Blancへのデビュー戦となった2017年のCCCに続いて7年ぶり二度目の優勝を勝ち取りました。日本から参加した吉住友里 Yuri Yoshizumiは女子21位でフィニッシュしました。

金曜日の午後6時(日本時間31日土曜日午前1時)にはUTMBワールドシリーズファイナルの100Mカテゴリーのレースで、今年の大会のクライマックスとなるUTMBがシャモニーをスタートしました。

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(写真はCCC男子トップ3、左から2位のペーター・フラニョ、優勝のヘイデン・ホークス、3位のアダム・ピーターマン。 Photo © UTMB)

スピードとエンデュランスの総合戦となった今年のCCC

午後6時、シャモニーの街にUTMBのテーマ曲「Conquest of Paradise」が響き渡り、約2,300人のランナーが、フランス、イタリア、スイスの結束を象徴するトリアングル・デ・ラミティエ広場 Place du Triangle de l’Amitié から、176.4km・9,915mD+のコースへと旅立ちました。

UTMBの選手たちを見送ったシャモニーは一瞬の静寂ののち、壮絶なレース展開の末に100KカテゴリーのUTMBワールドシリーズファイナルであるCCCの勝者を迎えることになりました。

今年のCCCは暑さの中で自分のペースをコントロールする能力が好成績のカギとなりました。

女子は国際色豊かな表彰台となりました。レースを序盤からリードしたのはトニ・マッキャン Toni McCann(RSA)でしたがシャンペ Champex-Lac (54km) の手前から暑さのためにややペースダウンします。2番手で追うマルティナ・ムリナルチク Martyna Młynarczyk(POL) は着実に差を縮め、トリアン Trient(70.7km)ではマッキャンがエイドを出るのと入れ替わりにムリナルチクがエイドに入ります。しかし、ここからの残り30kmで立て直したマッキャンは力強い走りを取り戻し、11時間57分59秒でフィニッシュ。昨年のOCCでの優勝に続いてCCCでの優勝でこの大会で2回目の大きなタイトルを手にしました。

フィニッシュ直後、トニ・マッキャンは「CCCは私にとって初めての100kmレースでした。短い距離に慣れていて、この新しい距離にどう対応できるかわかりませんでした。シャンペで苦しんだ時は、家族のことを考えるようにして、それが前に進む力になりました。彼らの揺るぎないサポートに感謝したいです」と語りました。

2位には12分差の12時間11分12秒でムリナルチクが続きました。プロのバレリーナであるムリナルチクがトレイルランニングに本格的に取り組み始めたのは昨年のことで、今年はTenerife Bluetrail by UTMB 73Kで優勝しています。今回は国際的なレースでの準優勝という快挙となりました。

レース後半に順位を上げたロザンナ・ブカウアー Rosanna Buchauer(GER)が12時間16分55秒で3位に続きました。ブカウアーは今年のLavaredo by UTMB 120Kでの勝利に続いて、シリーズファイナルでのトップ3入りを果たしました。

CCC女子トップ3 Photo © UTMB

CCC女子トップ3 Photo © UTMB

ベトナムのハウ・ハ・ティ Hau HA THI (VNM) は昨年のCCCで積極的なレース展開で注目されましたが、今年も前半は3番手を走り、観衆の声援を集めました。トリアンを出てからトップ3のポジションを譲ることになりましたが、力強い走りで12時間36分16秒でフィニッシュ。昨年と同じく4位となり、タイムは昨年の自身を2分上回りました。5位にはアメリカのプロトライアスリート、ヘザー・ジャクソン Heather JACKSON (USA) が12時間50分55秒、6位はタン・ジンヤン Jingyan TANG (CHN) が13時間10分44秒で続きました。

昨年に続くCCCへの挑戦となった吉住友里は14時間36分36秒で完走して21位。14位となった昨年の結果には及ばなかったものの日本のアスリートとして存在感を示しました。

2023年のOCCを制し、今回2024年のCCCを制したマッキャン。来年はUTMBに挑戦する予定かと尋ねられると、「いいえ…でもそう言えば、なぜだめなんでしょうか?」と答えました1

男子のレースは上位集団がしのぎを削る熾烈な展開となりました。レースが進むにつれ、序盤は上位の順位はくるくると入れ替わり、中盤のラ・フーリー La Fouly(41km)にはヘイデン・ホークス Hayden Hawksアダム・ピーターマン Adam Petermanセス・ルーリング Seth Ruhlingの米国の3人が集団で到着、そのすぐ後ろをジャン・ホウファ Huohua Zhang (CHN) が続いていました。ラ・フーリーのエイドをホークスが最初に出ますが、次のエイドであるシャンペまでは先頭を含め選手の順位は次々に入れ替わり、後ろからはダニエル・ジョーンズ Daniel Jones (NZL)、アンドレウ・シモン Andreu Simon (ESP)、ピーター・フラニョ Peter Fraño (SVK) が追いついて先頭グループに加わります。

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しかし、シャンペ Champex-Lac (54km) からギアが上がったのがヘイデン・ホークス Hayden Hawksでした。登った先のラ・ジエット La Giète (65.5km) はホークスはトップで到着し、2番手のピーターマンとの差は5分。その後も着実に続く選手との差を広げ、10時間20分11秒でシャモニーにフィニッシュしました。2017年に続く二度目のCCCのチャンピオンのタイトルを得ました。タイムは自らの2017年の記録を4分20秒更新しました。

2位争いはその後も続き、トリアン Trient(70.7km)にはダニエル・ジョーンズが2番手、ピーターマンが45秒差で3番手。ヴァルローシン Vallorcine(81.5km)にはトップのホークスに8分遅れでジョーンズとピーター・フラニョが並んで2番手でやってきます。激しい2番手争いは結局ピーター・フラニョ Peter Fraño (SVK)が制し、ホークスに7分差の10時間27分17秒で準優勝となりました。2023年WMTRC世界選手権ロングで3位となって国際的な大会でその名を知られ、昨年のCCCでは7位となっていましたが、今回は準優勝という快挙になりました。3位には2022年のウェスタンステイツ優勝、同年のWMTRC世界選手権ロングで金メダルのアダム・ピーターマン Adam PETERMAN (USA) が10時間28分50秒で続きました。

CCC男子トップ3 Photo © UTMB

CCC男子トップ3 Photo © UTMB

シャモニーでレースを終えて感極まったヘイデン・ホークスは「ここ数年、素晴らしいバトルを繰り広げてきたペーターと表彰台を分かち合えてとても嬉しいです。アダムとも共有できて良かったです。特に昨年は2人ともケガをしていて、この挑戦の中で互いにたくさん支え合ってきました。」と話しました。

4位にはウェスタンステイツで2023年に5位、今年は4位、昨年はUTMBのダニエル・ジョーンズ Daniel JONES (NZL)。、5位には中国のTsaigu Trail 115kmで2023年に優勝するなど中国国内で活躍するジャン・フオフア Huohua ZHANG (CHN)が続きました。昨年のCCCでのDNFから今年は見事なレースを見せました。6位には今年春にマウントフジ100のKAI70Kで優勝したアンドレウ・シモン・アイメリッチ Andreu SIMON AYMERICH (ESP)が入りました。

CCCは来年のウェスタンステイツのHOKA Golden Ticket Raceの最初のレースとなっていて、男女トップ3選手がウェスタンステイツの出場権を獲得します。今年のトップ10に入っている場合などは6位まで順に送られます。

100マイルカテゴリーのUTMBの進行中、ライブ中継やライブトラッキングでフォローできる。

金曜日の18時にスタートしたUTMBワールドシリーズのファイナル、UTMBは現在レースが進行中です。公式プラットフォームのlive.utmb.worldで全ての選手の進行状況をライブトラッキングでフォローできるほか、ライブ中継を視聴することもできます。さらに大会公式のソーシャルメディアチャンネルでも情報が発信されています。今年は土曜日の午前2時(日本時間同日午前9時)から午前7時(日本時間同日午後2時)まで、クールマイユールとアルヌヴァのエイドステーションにライブ中継クルーが配置され、夜間のUTMBもライブ中継されます。

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2024.08.25

2024年 CCC リザルト

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女子トップ20

  1. トニ・マッカン Toni MCCANN (ZAF) – 11:57:59 (adidas TERREX)
  2. マルティナ・ムリナルチク Martyna MLYNARCZYK (POL) – 12:11:12 (HOKA GARMIN TEAM)
  3. ロザンナ・ブハウアー Rosanna BUCHAUER (DEU) – 12:16:55 (DYNAFIT)
  4. ハウ・ハ・ティ Hau HA THI (VNM) – 12:36:16 (Mude Trail Team)
  5. ヘザー・ジャクソン Heather JACKSON (USA) – 12:50:55 (HOKA/Wahoo/Dirt Brigade/Rudy Project)
  6. ジンヤン・タン Jingyan TANG (CHN) – 13:10:44 (SALOMON CHINA)
  7. アンヌ・セシル・テヴノ Anne Cécile THÉVENOT (FRA) – 13:19:22 (TEAM MAC SPORT)
  8. カタジーナ・ウィルク Katarzyna WILK (POL) – 13:24:12 (Salomon Poland)
  9. ロッティ・ブリンクス Lotti BRINKS (USA) – 13:25:13 (Salomon)
  10. エミリーズ・フォン・アヴィス Emmiliese VON AVIS (USA) – 13:33:35 (SWAP)
  11. ヴェロニカ・レング Veronika LENG (SVK) – 13:40:29 (Nnormal Team)
  12. アーデン・ヤング Arden YOUNG (CAN) – 13:41:45 (Norda 665)
  13. マリン・バルルフ Malin BARRULF (SWE) – 13:44:31 (Team Salomon Sweden)
  14. ジュリアーネ・ロスラー Juliane RÖSSLER (DEU) – 13:49:50 (TG Viktoria Augsburg)
  15. ロール・パラダン Laure PARADAN (FRA) – 14:12:26 (Team Sidas Matryx)
  16. レア・デュエ Léa DUHET (FRA) – 14:14:34 (Annecy Athlétisme)
  17. シモーネ・シュワルツ Simone SCHWARZ (DEU) – 14:15:13 (Salomon Running Team – PCA CCA Rouffach)
  18. マヤ・フォン・ウォトケ Maya VON WODTKE (USA) – 14:29:30
  19. サラ・キーズ Sarah KEYES (USA) – 14:30:05 (The North Face)
  20. メーガン・チハスキー Meghan CIHASKY (USA) – 14:31:08
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21 吉住友里 Yuri Yoshizumi (JPN) 14:36:36 (Mt. Fuji Springs Inc.)

男子トップ20

  1. ヘイデン・ホークス Hayden HAWKS (USA) – 10:20:11 (HOKA)
  2. ピーター・フラニョ Peter FRAŇO (SVK) – 10:27:17 (Scarpa)
  3. アダム・ピーターマン Adam PETERMAN (USA) – 10:28:50 (Hoka)
  4. ダニエル・ジョーンズ Daniel JONES (NZL) – 10:36:20 (Adidas Terrex)
  5. ジャン・フオフア Huohua ZHANG (CHN) – 10:45:34 (SALOMON CHINA)
  6. アンドレウ・シモン・アイメリッチ Andreu SIMON AYMERICH (ESP) – 10:53:36 (ASICS FUJI TRAIL TEAM)
  7. ラモン・マネッチ Ramon MANETSCH (CHE) – 11:01:24 (Salomon Switzerland)
  8. アンドレアス・リーダー Andreas RIEDER (AUT) – 11:05:09 (BROOKS TRAIL RUNNER)
  9. ダコタ・ジョーンズ Dakota JONES (USA) – 11:12:03 (NNormal)
  10. アルノー・ボナン Arnaud BONIN (FRA) – 11:12:39 (Scott)
  11. エリック・リプマ Eric LIPUMA (USA) – 11:12:44 (Adidas Terrex)
  12. カレブ・オルソン Caleb OLSON (USA) – 11:16:18 (Nike // Cat Nation)
  13. アントワーヌ・シャルヴォラン Antoine CHARVOLIN (FRA) – 11:19:16 (ON TRAIL TEAM)
  14. メンカイ・バテ Mengkai BATE (CHN) – 11:21:09 (Sooper Star Sports)
  15. ロッド・ファーバード Rod FARVARD (USA) – 11:22:48 (HOKA)
  16. マチュー・デルプーシュ Mathieu DELPEUCH (FRA) – 11:34:26 (Brooks Trail Runners)
  17. ハリー・ジョーンズ Harry JONES (GBR) – 11:36:31 (Merrell)
  18. ジャン=バティスト・キュルテ Jean-Baptiste CURTET (FRA) – 11:41:38 (COURCHEVEL)
  19. ヴァランタン・ベナール Valentin BENARD (FRA) – 11:46:57 (Asics Fuji Trail)
  20. ダニエル・クラーセン Daniel CLAASSEN (ZAF) – 11:49:57 (Salomon South Africa)
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(Source: HOKA UTMB MOnt-Blanc)

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