甲斐大貴がロング80km男子で銀メダル、吉住友里が銅メダル、団体タイトルは日本が独占/アジアパシフィック・トレイルランニング選手権二日目 #APTRC

韓国・蔚山の蔚州(ウルジュ)郡の嶺南(ヨンナム)アルプスで行われたアジアパシフィック・トレイルランニング選手権(Asia Pacific Trail Running Championships, APTRC)は26日土曜日に最後のイベントとなるロングトレイル(76km、標高差4,870mD+)が行われました。ショートトレイルとU23のレースが行われた前日と同じく、薄曇りの穏やかな天候の中での緊迫したレースの結果、初代アジアパシフィック・チャンピオンのタイトルは、シャン・フージャオ Fuzhao Xiang (CHN) 、チー・ミン Min Qi (CHN) が女子、男子それぞれで獲得しました。

日本の甲斐大貴 Hiroki Kaiが男子2位でフィニッシュして銀メダル、吉住友里 Yuri Yoshizumi が女子3位で銅メダルを獲得。上位3選手のタイムの合計で競う団体では男子、女子ともに日本が金メダルを獲得。前日のショートトレイル種目と合わせて、順位のポイント換算で競う総合団体でも日本が金メダルと決まり、団体では日本チームが金メダルと独占する快挙となりました。

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(写真 ロング男子で銀メダルを獲得した甲斐大貴 Hiroki Kai。All Photo © APTRC)

髙村貴子がショート40km女子で金、秋山穂乃果が銅、男子は小笠原光研が銀、U23女子で渡部春雅が銀/アジアパシフィック・トレイルランニング選手権初日 #APTRC

2024.10.25

ロング女子はシャンが堂々の勝利、吉住が手堅くメダルを獲得

女子のレースは昨年、今年のCCCでいずれも4位となって注目を集めているベトナムのハウ・ハーティ Hau Ha Thi (VNM) が序盤からアグレッシブなレース展開で先頭を走ります。2番手はシャン・フージャオ Xiang Fuzhao (CHN)でしたが、50kmを過ぎたあたりで一気にハウ・ハーティを抜き去ると、その後は後続選手を置き去りにしてリードを広げます。8時間27分でヨンナムアルプスウェルカムセンターに設けられたフィニッシュラインにシャン・フージャオが到着し、金メダルを獲得しました。その9分後となる8時間36分でハウ・ハーティがフィニッシュ。日本の吉住友里 Yuri Yoshizumi (JPN) は先行する二人の選手を着実におう一方、後続の選手は寄せ付けず、8時間57分で銅メダルを手にしました。

シャン・フージャオ Xiang Fuzhao

シャン・フージャオ Xiang Fuzhao

フィニッシュ後にコメントを残したシャン・フージャオは「後半はとてもハードで、特に最後の登りは失神しそうでした。ハウの下りの強さは知っていたので心配でした。最後はとても嬉しかったですし、このような重要な選手権で優勝できたのは嬉しい驚きでした。」と話しました。

ハウ・ハーティ Hau Ha Thi

ハウ・ハーティ Hau Ha Thi

吉住友里 Yuri Yoshizumi

吉住友里 Yuri Yoshizumi

4位にはセシリア・マッタス Cecilia Mattas (AUS) が9時間22分でフィニッシュ。日本の枝元香菜子 Kanako EDAMOTO (JPN) が9時間28分で5位となりました。日本勢は8位に岩井絵美 Emi Iwai、11位に清宮由香里 Yukari Seimiya、12位に伊東ありか Arika Itoが続きました。

2024 APTRC LONG TRAIL (80K) 女子リザルト

  1. シャン・フージャオ Fuzhao XIANG (CHN) 08:27:00
  2. ハウ・ハー・ティ Hau HA Thi (VNM) 08:36:19
  3. 吉住友里 Yuri YOSHIZUMI (JPN) 08:57:36
  4. セシリア・マッタス Cecilia MATTAS (AUS) 09:22:26
  5. 枝元香菜子 Kanako EDAMOTO (JPN) 09:28:03
  6. エリザベス・ダンガダン Elizabeth DANGADANG (PHL) 09:35:51
  7. チュン・マンイー Man Yee CHEUNG (HKG) 09:38:04
  8. 岩井絵美 Emi IWAI (JPN) 09:47:05
  9. ケリー・エンジェル Kellie ANGEL (AUS) 09:48:15
  10. アンジー・ヤン Chi Yee Angie YAN (HKG) 10:17:10
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11 清宮由香里 Yukari SEIMIYA (JPN) 10:17:56
12 伊東ありか Arika ITO (JPN) 10:22:30

ロング男子はチー・ミンが勝利、日本勢の中から甲斐大貴が銀メダルを獲得

男子のレースはマイキー・ディムアンテス Michael Dimuantes (AUS)、マン・クマール・ロカ・マガル Man Kumar ROKA MAGAR (NEP)、チー・ミン Min Qi (CHN)、長田豪史 Goshi Osada (JPN)、川崎雄哉 Yuya Kawasaki (JPN)、甲斐大貴 Hiroki Kai (JPN) が先頭集団を形成してスタート。25kmを過ぎてからは集団からチー・ミンとディムアンテスが抜け出します。二人は50km過ぎまで先頭を走り続けますが、エイドを先に出たチー・ミンにディアムンテスが追いつけなくなります。60km過ぎに位置する最後のエイドの後に控える、標高差1200mの登りを経てからの下りという難所で甲斐がディアムンテスに追いついて2位に浮上。チー・ミン Min Qi (CHN) は足の攣りのために時折足を止めるシーンもあり、苦戦しますが7時間37分でフィニッシュゲートに到着して金メダルを獲得しました。甲斐大貴 Hiroki Kai (JPN) が3分差で続いてフィニッシュして銀メダル、マイキー・ディムアンテス Michael Dimuantes (AUS) が銅メダルを獲得しました。

チー・ミン Min Qi

チー・ミン Min Qi

フィニッシュ後のインタビューでチー・ミンは「レースはとてもエキサイティングで接戦でした。序盤は先頭集団に追いつきたかったので、2つのチェックポイントを止まらずに走り抜けました。その結果、最後の方は本当にきつかったですが、ただ走り続けました。こんな大きな大会にここまで来たのだから、ベストを尽くしてやり遂げたかったんです」と話しました。

マイキー・ディムアンテス Michael Dimuantes

マイキー・ディムアンテス Michael Dimuantes

川崎雄哉 Yuya Kawasaki (JPN) は4位でフィニッシュ。マン・クマール・ロカ・マガル Man Kumar ROKA MAGAR (NEP) が5位となりました。日本代表選手は14位に板垣渚 Nagisa ITAGAKI、17位に田村健人 Kento TAMURA、24位に長田豪史 Goshi OSADA (JPN) という結果でした。

2024 APTRC LONG TRAIL (80K) 男子

  1. チー・ミン Min QI (CHN) 07:37:03
  2. 甲斐大貴 Hiroki KAI (JPN) 07:40:09
  3. マイケル・ディムアンテス Michael DIMUANTES (AUS) 07:44:50
  4. 川崎雄哉 Yuya KAWASAKI (JPN) 07:49:04
  5. マン・クマール・ロカ・マガル Man Kumar ROKA MAGAR (NEP) 08:08:58
  6. ラリー・アポリナリオ Larry APOLINARIO (PHL) 08:26:09
  7. デイヴィッド・シンパット Daved SIMPAT (MYS) 08:28:05
  8. ジャンタラブーン・”ジェイ”・キアンチャイパイパナ Jantaraboon “Jay” KIANGCHAIPAIPHANA (THA) 08:31:45
  9. アーニー・マカネラス Arnie MACANERAS (PHL) 08:31:50
  10. ミルトン・アマット Milton AMAT (MYS) 08:42:08
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14 板垣渚 Nagisa ITAGAKI (JPN) 08:49:41
17 田村健人 Kento TAMURA (JPN) 08:59:51
24 長田豪史 Goshi OSADA (JPN) 09:27:49

団体は日本代表が男女ともに金メダル

代表メンバーの上位3選手のタイムの合計で競う団体の部では日本が男女ともに金メダルを獲得し、前日のショートでの男女両方での金メダルに続く快挙となりました。女子の2位は香港、3位はベトナム。男子の2位はフィリピン、3位はネパールでした。

今回はショートとロングのレースでの順位に基づく総合団体の表彰も行われ、これも日本が金メダルを獲得し、団体戦のタイトルを日本が独占することになりました。

団体表彰で金メダルを日本が独占 Photo by DogsorCaravan

団体表彰で金メダルを日本が独占 Photo by DogsorCaravan

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