パタゴニアのウィンド・シールド・ジャケットとパンツで冬のランニングを快適に楽しむ【レビュー】

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パタゴニアは今年、新しくなった「ウィンド・シールド・ジャケット」と「ウィンド・シールド・パンツ」を発売しました。防風性と撥水性を備えたソフトシェル素材のジャケットとパンツは、冬の間のランニング、特に自然の中で走るトレイルランニングのファンには定番のアイテムです。

長くパタゴニアのウィンド・シールド・ジャケットを愛用してきた筆者に、パタゴニアから新しくなったジャケットとパンツを提供していただきました。試してみると、より薄くて軽く、スマートなデザインになったのに、暖かくて汗抜けが良くなっていて、定番アイテムの進化を実感することになりました。

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このレビューの動画版はこちらからご覧ください。

人気アイテムがアップデートされたウィンド・シールド・ジャケット

筆者にとって、パタゴニアのウィンド・シールド・ジャケットは深い思い入れのある一品です。トレイルランニングを始めた15年前の冬、見よう見まねでトレイルランニングのシューズやウェアを買い集めていた時に仲間の間で評判になっていたのがパタゴニアのウィンド・シールド・ジャケットでした。キャプリーン2のロングTシャツの上に薄手でしなやかなのに身体の熱を逃さないソフトシェルのジャケットを着て、冬の間に近くの里山のトレイルを走っていました。昨年、生地が擦り切れてポケットのジッパーが壊れてついに引退となりましたが、それまで冬になると取り出して近所のランニングで毎日のように着ていました。

私が知る初代からアップデートを繰り返して、今年秋に発売されたウィンド・シールド・ジャケットを手に取るとソフトシェルの生地が薄くて軽く、全体にスッキリ、シンプルなデザインとなっていることに気づきます。

全体としてはフードのない立襟のジャケット。左右にジッパー付きポケットがあるのですが、入り口に生地が被さっているので目立ちません。実際には生地の切り替えがあるのですが、ほぼ同じ色でまとめられています。アウトドアのジャケットによくある着丈の裾を裾を絞るドローコードもないので、すっきりとしたデザインです。フィット感は「スリムフィット」となっています。

ディティールに目を向けると、本体の防風性を備えたソフトシェル素材は内側が細かいグリッド状になっています。これはキャプリーン・クール・ライトウェイト素材を貼り合わせたもの。PFC(有機フッ素化合物)不使用のDWR(耐久性撥水)加工済みなので、多少の雨は弾きます。

同系色なので目立ちませんが、よくみると脇の下から袖口にかけてはより伸縮性が高いニット素材が使われています。これは「起毛テリー素材」であり、汗を吸収して熱を発散する機能に優れています。シンプルなジャケットでありながらトレイルランニングのような激しいスポーツを想定した高機能なウェアとして作られていることがわかります。この起毛テリー素材にはハイキュ・ピュアの防臭加工が施されています。

ジャケットの内側からみると、ソフトシェルの内側にキャプリーン・クール・ライトウェイト素材(下)、脇から袖には伸縮性の高い起毛テリー素材(上)が使われているのがわかる。

ジャケットの内側からみると、ソフトシェルの内側にキャプリーン・クール・ライトウェイト素材(下)、脇から袖には伸縮性の高い起毛テリー素材(上)が使われているのがわかる。

袖口はリブなどがないシンプルな見た目ですが、手首の内側の部分だけ伸び縮みするテープが使われています。外側はよくみると少し長めになっていて風が吹き込みにくくなっています。

背中は上半分はソフトシェル素材の下にメッシュ素材が配される二重構造になっています。ソフトシェルの下辺は中央の一点で縫い付けられているだけなので、背中から熱気を排出することができます。左右のジッパー付きポケットは大きめで、容量としては薄手のレインジャケットが収まりそうなほどです。ジャケットの内側からはこのポケットのメッシュ生地とソフトシェル生地の間もポケットとして利用可能となっています。ランニング用のグローブやネックウォーマーのような小物を一時的にしまうのに便利に使えそうです。

機能的なウィンド・シールド・パンツ

同じソフトシェル素材を使った「ウィンド・シールド・パンツ」はジャケットと同じ「スリム・フィット」のフィット感とされています。腰回りは伸縮性のあるウェストバンドに加えてドローコードが配置されていて、外側で結ぶことができます。

ポケットは左右の太ももの外側に斜めにジッパーが設けられ、内側はメッシュ素材となっています。スマートフォンがちょうと収まる幅と深さになっています。膝の裏は太ももの下からふくらはぎの上まで、ジャケットの脇の下と同じ起毛テリー素材が大きく配置されています。

裾はアウトドアウェアらしく、左右の外側に膝下から開くことができるまち付きのジッパーがついています。ランニングシューズを履いたままパンツを脱ぎ着したり、ハイカットのハイキングシューズを履く時に便利です。反射材のテープもこのジッパーに沿って付いています。

実際に来てみた・薄手なのに温かい、汗抜けのよいソフトシェル

実際に「ウィンド・シールド・ジャケット」と「ウィンド・シールド・パンツ」を着て近くの里山や、いつもの公園を走ってみました。

ジャケットはぴたぴたすぎない絶妙なフィット感。見た目はアウトドアウェアには見えないくらいシンプルなのですが、着てみると腕周りも裾もバタつくことはありません。首周りは立襟の内側の肌触りがよくて快適です。

走り始めるとすぐに温かくなり、じんわりと汗ばんできます。ソフトシェルの内側のキャプリーン素材や脇の下のテリー素材が汗で濡れ始めますが、そのまま走っていても汗でびしょびしょになることはなく、快適に走り続けることができました。これは生地自体の通気性や背中のベンチレーションがうまく機能しているからでしょう。

「ウィンド・シールド・パンツ」は着用感としては腰回りと太ももの辺りがぴったりした感じで膝から下はゆとりがあるというもの。腰で履くパンツや足首までピッタリフィットするコンプレッションタイツのいずれとも異なるフィット感です。慣れるとランニングやハイキングのように足を動かし続けるスポーツには、ピッタリ感と通気性のバランスがよい、と思いました。太ももの外側のポケットにスマホを入れていてもさほどバタつく感じがないのも、このフィット感のおかげでしょう。

シンプルでスタイリッシュなデイリーウェアとしても魅力

15年前の初代ウィンド・シールド・ジャケットを愛用していた筆者にとっては、アウトドアウェアとして優れた機能を備えながらも、すっきりシンプルなデザインとなっているのが最大の驚きです。素材の切り替えで色が切り替わったり、フィット感を高めるためにリブ素材で絞ったり、といったいわゆるアウトドアらしさがないので、日常のカジュアルウェアとしても幅広いシーンにフィットしそうです。

冬のランニングを楽しくするジャケットとパンツ

澄んだ空気に包まれて、霜柱を踏みながら走るのは冬のトレイルランニングの魅力です。山に行かなくても、寒い冬の人影もまばらな早朝に街を走るのは新鮮な経験です。そんな時にウィンド・シールド・ジャケットやウィンド・シールド・パンツがあれば、快適に一歩を踏み出せるに違いありません。

年末年始のホリデーシーズンに向けて、大切な人へのプレゼントにも、今年一年頑張った自分へのごほうびにも、うれしいアイテムです。

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