norda 001レビュー:カナダ発のトレイルランニングシューズは常識に挑戦したプレミアムなランニングシューズだった

カナダ発のブランド「norda」(ノルダ)から、2025年3月にレース仕様のスーパートレイルランニングシューズである「norda 005」が発売されました。2021年に創業したnordaにとって4つ目のモデルとなるこのシューズは、52,800円という価格に加えて、先端的な素材を惜しげもなく投入することで、軽さ、強さ、速さを追求したシューズとして話題を集めています。

「norda 005」について紹介する記事を掲載したところ、2021年のnordaの創業とともに発売された同社の原点といえるシューズ、「norda 001」を試してみないかとお誘いいただきました。

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トレイルランニングのパフォーマンスとサステナビリティを妥協なく両立させる、そのために新しい設計思想と最先端の素材を採用するという norda の原点ともいえるこのシューズを実際に試して、検証してみました。

世界最強の繊維・DyneemaとVibram MEGAGRIPを搭載しつつも、シンプルで控えめなデザイン

「norda 001」の最大の特徴は、世界最強の繊維と称されるDyneema(ダイニーマ)を採用したアッパーです。多くのランニングシューズのアッパーに用いられるナイロンやポリエステル素材と比較して15倍以上の強度を持つ素材ですが、シューズのように立体的な形状に編み上げて整形するのが難しいといわれます。norda は独自の研究開発によりこの困難を乗り越え、軽量かつシームレスな構造のアッパーを実現したといいます。これによりアッパーの擦れや摩耗のリスクが大幅に軽減されています。

アウトソールには優れたトラクションと耐久性を持つVibram Megagripを採用。加えてミッドソールもVibramとの共同開発によるもので、Vibram SLEというEVA素材ながら元の形に戻ろうとする反発力にも優れた素材を採用しています。クッション性・グリップ力・耐久性について高いレベルでバランスをとっています。アウトソールのラグは4mmとなっており、ぬかるみや岩場まで様々な地形で確実なトラクションを提供します。

norda 001

  • 重量:約260g(メンズUS9)
  • ドロップ:5mm(ヒール26mm、フォアフット21mm)
  • アッパー:バイオベースDyneemaファブリック
  • ミッドソール:Vibram SLE(Supercritical Light EVA)
  • アウトソール:Vibram Megagrip、Vibram Lightbase
  • 価格:42,900円(税込)

norda はシューズ業界に精通する夫妻が妥協のない最高のトレイルランニングを作るために生まれた

norda はカナダ・モントリオールに住むニック・マルティレ Nick Martire とウィラ・マルティレ Willa Martire の夫妻が2021年に立ち上げたスタートアップ企業です。ニックさんは大学卒業後にNIKEに入社し、いくつかの会社に転じながらも一貫してフットウェア業界でキャリアを積んできました。同じ業界で経験を重ねるウィラさんと、世界を旅して家族を育てるうちに「自分たちが本当に欲しいと思えるランニングシューズを作りたい」という思いが芽生えます。

フットウェア業界に精通する二人はシューズに使われる素材の特性に詳しい一方で、実際に売られているシューズに理想を反映することは難しいことも知っていました。2020年の新型コロナウィルスのパンデミックを機に、夫妻は自分たちの思いを実現するために norda を立ち上げました。

日本ではコンセプトショップ「downbeat RUNNING」が norda を展開し、同ショップ各店および全国取扱店で販売されています。

試してみた・クッション性と安定性で長時間のランニングに最適、優れた耐久性で使い込むほどに愛着が増す予感

1週間あまりと短い時間ながら、norda 001 を身近なトレイルや家の周りのロードのランニングで使ってみました。

足型は狭すぎないが、程よいフィット感がある

足を入れてみて感じるフィット感は、まさに「包み込むような」感じでした。ダイニーマ素材というと丈夫だけどゴワゴワしているイメージがありますが、このシューズのアッパーはしなやかです。トゥボックスの内側には、260gという軽量シューズでありながらもクッションとなる薄い生地が張られているので、足指も当たるような感覚がなく快適です。細身ではなく適度なゆとりのある足型が使われていることも、この快適な感覚につながっているようです。

メーカーの説明では、「サイズ感はやや小さめで、通常より0.5cm大きいサイズを選ぶことをお勧めします」とのアドバイスがあります。今回、私も指示通りに0.5cm大きいサイズを選んで履いています。フィット感については計算を重ねられていることがうかがえます。

安定性重視のミッドソールは長時間のアクティビティに最適

走り始めると、舗装路上でのソールはやや固めに感じましたが、トレイルに入ると岩や木の根っこを踏んだ時の衝撃を吸収してくれる感じがします。最近のスーパーシューズといわれる反発力を高めたミッドソールに比べると、クッション性を重視した大人しいライド感です。

スタックは前足部が21mmでかかとが26mmとなっているので、足裏が地面に近いロープロファイル設計、5mmドロップは着地時の安定性を高める仕様です。ハイペースのレース仕様というよりは、長時間のランニングやハイキングに適したシューズだといえそうです。

軽量ながら妥協のない高いグリップ力

アウトソールは 強力なグリップを発揮するVibram Megagripがつま先からかかとまで足裏の全面を覆っています。かかとはミッドソールを覆うところまでアウトソールが巻き上がっており、濡れたトレイルでのトラクションを高めるための工夫が丁寧に施されていることがわかります。

Vibram Lightbase により軽量化されているとはいえ、アウトソールのラバーパーツの面積を減らすことで軽量化しているシューズが多い中では、足裏前面をラバー素材で覆いながらシューズ全体では260gの軽さとしているのは驚きです。

十分な通気性を備える、履くたびにしっかりシューレースを締め直すのがおすすめ

ダイニーマのアッパーは緻密に織られており、内側のインナーとの2層構造なので、汗抜けや渡渉した後や大雨の時の水抜けが機になるところです。ただ試した限りでは、足の蒸れが気になることはなく、排水性も良好でした。ダイニーマ素材自体は水分を保持しないことからも、見た目の印象とは裏腹にアッパーは優れた通気性を持っているようです。

一方で多少慣れが必要かな、と感じたのはかかとのフィット感です。足入れ部はレーシングシューズによるある薄い作りでクッションも最低限です。このため、足首周りをクッションで包むシューズと同じ感覚で履いていると、かかとのホールド感がなくて緩い履き心地になってしまいます。このnorda 001についてはシューズを履くたびにしっかりシューレースを締め直して履く、靴ひもは一番上のアイレットまで通す、といった一手間が理想の着用感を得るには欠かせないと感じました。

まとめ・大人しい見た目だがこだわりに満ちたシューズ、高価だが耐久性を考えれば理解できる

norda 001は、引っ張りに対する高い強度を持つダイニーマ製のアッパー、ロープロファイルでクッション製と安定性を重視したミッドソールを備え、軽量化の工夫を重ねながらもアウトソールには惜しむことなくVibramu MegaGripを使うことで、トレイルランニングシューズには欠かせない強力なグリップ力を備えたシューズです。使用シーンとしてはトレイルランニングはもちろん、長時間のハイキングや街歩きの疲れを軽減してくれるような、バランスのよいシューズだといえます。

ただ、4万円を超える価格に見合うシューズなのか、は気になるところです。私は十分その価値はあると考えます。今回のレビューでは耐久性を試すまで長い時間を費やすことはできませんでしたが、海外のレビューをみるとトレイルで800kmを走ってもアウトソールには目立った摩耗がなかったといいます。一般的なトレイルランニングシューズは概ね400kmから500kmを走ると、当初の性能は損なわれてしまうといわれます。実際には気に入ったシューズだからとアウトソールが擦り切れて、アッパーに穴が開くまで履いてしまうことがありますが、当初そのシューズが持ってきた快適さや性能は失われています。一方、norda 001は倍以上の距離を走っても、最初の性能はキープされるとしています。

半年もしない間に元の性能を失って捨てられてしまうシューズを次々に買い替えるのではなく、少なくとも2倍の寿命を持つnorda 001を履くことは経済的に合理的です。そして、地球環境の保護にも貢献することでしょう。nordaの問題提起と最高のものづくりを目指すポリシーに引かれる人は一度手に取って試していただきたい製品です。

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