ゼガマアイズコリ Zegama-Aizkorri は5月25日日曜日開催、GTWS第4戦はシリーズ前半のクライマックス・イベント

2025年のGTWS(ゴールデントレイル・ワールドシリーズ)はスペイン・バスク地方で開催される「ゼガマ-アイスコリ Zegama-Aizkorri」で第4戦を迎えます。5月25日日曜日は、世界のトップトレイルランナーが、アイズコリ-アラツ Aizkorri-Aratz 自然公園の中心部を駆け抜ける、過酷な42.195km、累積標高2,736m+のテクニカルなコースに挑みます。

(Photo ©MathisDecroux / Zegama Aizkorri / GTWS)

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GTWSにおける最難関レース、そしてトレイルランニングの伝説の舞台

「ゼガマはゼガマ (Zegama is Zegama)」という言葉に象徴されるように、このレースは唯一無二の存在として世界のトレイルランニングファンの注目を集めるイベントです。泥、霧、岩、木の根、そして沿道を埋め尽くす熱狂的な観衆が生み出す大歓声は、トレイルランニングの真価と可能性を感じさせます。人口1,500人余りの小さな町ゼガマ Zegamaが、毎年5月には世界のトレイルランニングの中心地へと変貌し、11,000人以上がビブを求めて応募するほどの人気を誇ります。

コースは、オツァウルテ Otzaurte (7km地点)、ウルツァマ-アタバレタ Ultzama–Atabarreta (13km地点)、そしてアラツ Aratz 山への登り (16km地点)といったポイントを経て、サンクティ・スピリトゥ Sancti Spiritu (20km地点)へと到達します。そこでは、観衆の大歓声が難所として高い急登へとランナーを送り出します。その後、アケテギ Aketegi (1,551m)へ向かう稜線と、危険なアイチュリ Aitxuri の下り (23-25km地点)は選手の集中力を試します。コース終盤となる、オルツェ Oltze とウルビア Urbia の比較的走りやすい区間を抜け、再びアンドライツ Andraitzへ登り、フィニッシュ地点へと下ります。

女子はサラ・アロンソが地元でGTWS首位奪還を狙う

女子のレースでは、サラ・アロンソ Sara Alonso (ESP)が注目を集めます。2022年にこのレースを初挑戦で3位となって以来、怪我や体調不良で再挑戦を見送ってきました。今シーズンは神戸トレイルで優勝、中国の万里の長城トレイルレースで4位と好調なアロンソが、地元バスクのファンの前でどんなパフォーマンスを見せるか。ゼガマでの成功はGTWSシリーズランキングで首位を取り戻すことになるでしょう。コースを熟知し、テクニカルなコースを得意とするアロンソは今年の優勝候補の筆頭に挙げられています。

女子のコースレコードは、2022年にニエンケ・ブリンクマン Nienke Brinkman (NED)が樹立した4時間16分43秒です。今年も世界トップクラスの選手が集結し、女子の戦いは歴史に残るものとなることが期待されます。

主な女子注目選手

  • サラ・アロンソ Sara Alonso (スペイン ESP – Asics): 神戸での優勝と万里の長城トレイルレース4位という勢いに乗り、ホームでシリーズ首位奪還を狙う。コースを知り尽くし、テクニカルな走りが強み。
  • シルヴィア・ノルドスカー Sylvia Nordskar (ノルウェー NOR – Hoka): 2024年大会のディフェンディングチャンピオン。登り下りともに強く、特に悪条件下での走りに定評がある。
  • ジュディス・ワイダー Judith Wyder (スイス SUI – Hoka): オリエンテーリング出身で、テクニカルなスキルと戦術眼、険しい地形での強さが持ち味。
  • ヤオ・ミャオ Miao Yao (中国 CHN – Salomon): 山岳レースで輝かしい実績を持つ中国のスター選手。長い登りを得意とし、タフなコースでも安定したリズムを刻む。
  • マレン・オサ Malen Osa (スペイン ESP – Salomon): 2024年大会2位。地元バスク出身の若手アスリートで、経験を積み、ホームの応援を力に変える。ゼガマ Zegamaの厳しい地形に適応している。
  • マルタ・マルティネス Marta Martínez (スペイン ESP – La Sportiva): 昨年マレン選手と激しい競り合いを繰り広げ3位に入賞。タフで安定感があり、テクニカルな走りに強い。
ジュディス・ワイダー Judith Wyder (SUI) Photo ©MathisDecroux / Zegama Aizkorri / GTWS

ジュディス・ワイダー Judith Wyder (SUI) Photo ©MathisDecroux / Zegama Aizkorri / GTWS

その他、スペイン勢ではロサ・マリア・ララ Rosa María Lara (スペイン ESP – Compressport)、フリア・フォント Julia Font (スペイン ESP – Brooks)、イネス・アストライン Inés Astrain (スペイン ESP – Joma)、イクラム・ラーサラ Ikram Rharsalla (スペイン ESP – Joma)が注目されます1。外国勢では、テレサ・ルブフ Thérèse LeBoeuf (スイス SUI – Compressport)、アンナ・ギブソン Anna Gibson (アメリカ USA – Brooks)、ファビオラ・コンティ Fabiola Conti (イタリア ITA – Otso)らが参戦します。

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男子はエルアザウイがGTWS最難関レースの頂点を狙う

男子のコースレコードは、2022年にキリアン・ジョルネ Kilian Jornet (ESP)が記録した3時間36分40秒となります。今年の優勝候補として注目されるのは昨年2位のエルハウジン・エルアザウイ Elhousine Elazzaoui (MAR)です。昨シーズンのGTWSチャンピオンのタイトルを手にしたエルアザウイは、そのアグレッシブな登坂力とレースコントロールで、このレースを制することを目標にしています。

エルハウシン・エルアザウイ Elhousine Elazzaoui (MAR) Photo ©MathisDecroux / Zegama Aizkorri / GTWS

エルハウシン・エルアザウイ Elhousine Elazzaoui (MAR) Photo ©MathisDecroux / Zegama Aizkorri / GTWS

主な男子注目選手

  • エルハウシン・エルアザウイ Elhousine Elazzaoui (モロッコ MAR – NNormal): 2024年ゼガマ Zegama2位、現GTWSチャンピオン。アグレッシブな登りと戦術的なレース運びで優勝を狙う。
  • ルカ・デル・ペロ Luca Del Pero (イタリア ITA – Scarpa): 昨年4位。スピード、テクニック、コントロールを兼ね備え、今年の表彰台の有力候補。
  • マヌエル・メリージャス Manuel Merillas (スペイン ESP – Scarpa): 2024年5位。コースを知り尽くしたスペインのベテラン。タフで終盤の爆発力には定評があり、ゼガマ Zegamaを得意とする。
  • ナディル・マゲ Nadir Maguet (イタリア ITA – La Sportiva): テクニカルで爆発力のあるマウンテンランナー。急峻な地形での経験が豊富で、下りでの追い上げに期待。
  • ロベルト・デロレンツィ Roberto Delorenzi (スイス SUI – Brooks): ヨーロッパのトレイルランニング界で頭角を現す新星。。
  • スティアン・アンゲルムンド Stian Angermund (ノルウェー NOR): ゼガマ-アイスコリ Zegama-Aizkorriでは2017年に大会記録を更新して優勝した経験を持つ。2023年のOCCでのドーピング違反による出場停止処分が明けて以来、初のレースとなります。

その他、シリーズ序盤で安定した成績を残しているダニエル・パティス Daniel Pattis (イタリア ITA – Brooks)や、スペイン勢のアントニオ・マルティネス Antonio Martínez (スペイン ESP – Asics)、アンドレウ・ブラネス Andreu Blanes (スペイン ESP – Hoka)、アラン・サンタマリア Alain Santamaría (スペイン ESP)選手、そして総合力の高いマルチン・クビカ Marcin Kubica (ポーランド POL – Salomon)らもレース展開に深く絡むこととなるでしょう。

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日本でもライブ中継を視聴できそう

レースは5月25日日曜日、現地時間午前9時(日本時間同日午後4時)に男女一斉にスタートします。

レースの模様はワーナー・ブラザース・ディスカバリーのグローバルストリーミングプラットフォームのほか、GTWSの公式YouTubeチャンネル(英語)、およびゼガマ-アイスコリ Zegama-Aizkorriの大会公式YouTubeチャンネル(スペイン語、バスク語)で視聴可能です。ライブ配信は現地時間午前8時30分(日本時間午後3時30分)からとなります。

レースハイライトは日本のJSportsでも視聴可能となる予定です。

(Source: GTWS)

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