UTMB 2025、土砂災害によりコース変更と開始時刻の前倒しを発表

世界最高峰のトレイルランニング・イベントとして今年も8月25日から31日に開催される UTMB Mont-Blanc は、UTMBワールドシリーズファイナルとなる100マイルの「UTMB」についてコース変更と開始時刻の変更を発表しました。8月29日金曜日のスタートまで3週間余りという異例のタイミングでの変更発表となります。

変更の主な理由は、コースの序盤となるシャモニー Chamonix とレズウーシュ Les Houches 間で発生した土砂災害です。主催者は「シャモニーとレズウーシュ間で発生した最近の土砂災害により、チームはこのセクションのルートを再検討する必要が生じました」との声明を発表しています。

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(写真 2024年UTMBのチャンピオン、ヴァンサン・ブイヤール Vincent Bouillard。 Photo © UTMB)

距離と獲得標高差がわずかに変更

現地調査を経て選択された新ルートにより、UTMB 2025の総距離は従来の176kmから174kmに短縮され、獲得標高差も9,915mから9,900mに変更となります。

スタート時刻についても変更が発表されました。従来の18:00から15分早められ、8月29日金曜日の17:45に前倒しとなります。スタート地点はこれまでと同じく、プラス・デュ・トリアングル・ド・ラミティエ Place du Triangle de l’Amitié です。

環境保護への配慮も反映

安全面の配慮によるコース変更のほか、環境保護への取り組みにより、エイドステーションについても変更が発表されました。コンタミン・モンジョワ自然保護区への大会の影響を最小限に抑えるため、オート・サボワ自然保護団体(ASTERS)との合意により、40km地点にあったラ・バルム La Balme のエイドステーションは今年からは設けられません。

その代わりに、その前後にある約30km地点のレ・コンタミン Les Contamines と約50km地点のレ・シャピュー Les Chapieux のエイドステーションが強化され、ランナーへのサポート体制は維持されるとしています。

これらの変更に伴う、制限時間の変更は一切ありません。ランナーは従来通り46時間30分以内での完走を目指すことになります。

エリート選手の動向

UTMBについては、世界各地から有力選手が集結して繰り広げられるハイレベルなレース展開も注目されます。大会ウェブサイトでも今年のエントリーリストの中から有力選手の一覧が掲載されています。

エリート選手については直前まで出場の可否を見極める選手が多いと思われます。そうした中でこれまでUTMBを3度制しているコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter (USA) が4度目のタイトルを目指してシャモニーに戻ってくることを発表しています。一方で、昨年の女子チャンピオンであり、ドウォルターと並ぶトップアスリートであるケイティ・シャイド Katie Schide (USA) は今年のUTMBを見送ることを明らかにしています。

日本からはUTMBに宮﨑喜美乃 Kimino Miyazaki黒河輝信 Terunobu Kurokawa、CCCに吉住友里 Yuri Yoshizumi、OCCに上田瑠偉がエントリーしています。

8月25日から31日にかけて開催される UTMB Mont-Blanc ではUTMBワールドシリーズファイナル UTMB World Series Finals となるUTMB、CCC、OCCを含む8つの異なるレースに1万人以上のランナーが参加予定で、シャモニーは再び世界のトレイルランニングの中心地となります。

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