フィンランドのスポーツウォッチブランド、SUUNTO(スント)は2025年8月27日、都内で新製品発表会を開催し、次世代のGPSランニングウォッチ「Suunto RACE 2」と、骨伝導ヘッドホン「Suunto WING 2」を発表しました。 発表会では、スントのカントリーマネージャー、西山和弘氏が製品の詳細を解説し、スントアンバサダーでマルチランニングクリエイターの反中祐介氏が実機を使用したレビューを披露しました。
前モデルの強みを基盤に、パフォーマンス、堅牢性、革新性を新たなレベルへと引き上げた両製品は、トレーニングからレース本番まで、ランナーのあらゆる体験を向上させます。
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「Suunto RACE 2」は9月16日(火)発売で販売予約受付中、「Suunto WING 2」は9月26日(金)に発売されます。
Suunto RACE 2:高精細AMOLEDディスプレイと強化されたバッテリー性能で、もっと遠くへ
2023年10月に発売され、美しいAMOLEDディスプレイとブランド初のクラウン式竜頭の採用で人気を博した「SUUNTO RACE」の後継機となるのが「Suunto RACE 2」です。 ハードウェアとソフトウェアの両面で、トレイルランナーの要求に応える大幅な進化を遂げています。
進化したハードウェア:より大きく、明るく、そして強く
最も目を引くのは、SUUNTO史上最大・最高輝度となる1.5インチの大型AMOLEDスクリーンです。 前モデルの1.43インチからさらに拡大し、輝度は2,000nitを誇ります。 これにより、トレイルの木漏れ日の中や、強い日差しの下でも、ランナーは必要な情報を瞬時に、そして鮮明に確認することができます。
大型化したにもかかわらず、前モデル比で薄さは0.8mm、重量は約8gの軽量化を実現。 風防には傷に強いサファイアガラスを採用し、ベゼルには高級時計にも用いられるステンレス(316L)や、高品質なグレード5のチタンを使用することで、過酷な環境下での高い耐久性を確保しています。

心臓部である光学式心拍センサーは、従来の2つから4つのセンサーに増設された新設計となり、計測精度が大幅に向上しました。

また、充電端子も改良され、マグネットの吸着力が強化されたことで、より確実な充電が可能になるなど、細かなユーザビリティも改善されています。
長時間バッテリーの信頼性と、トレーニングを科学するソフトウェア
バッテリー性能は、100マイルのようなウルトラディスタンスを走るトレイルランナーにとって最も重要な要素の一つです。
測位にデュアルバンドGNSSを使用する最高精度のパフォーマンスモードで、前モデルの50時間から5時間延長され、最大55時間の駆動時間を実現しました。 これは同価格帯の他社フラグシップモデルと比較しても非常に優れた数値です。 さらに、バッテリーモードを変更すれば最長200時間のトラッキングが可能で、数日にわたる山行にも対応します。 GPSを使用しないスマートウォッチモードでは、無充電で16日間持続します。

ソフトウェア面では、2025年8月11日にローンチされた新機能「SUUNTO AIコーチ」が注目されます。 いくつかの質問に答えるだけで、AIがユーザーに合ったトレーニングプランを自動で作成するというもの。 こうした付加価値の高い機能や、グローバル対応のオフラインマップが購入後はすべて無料で利用できる点は、SUUNTOの大きな魅力です。

また、HRV(心拍変動)の計測に基づいた回復状況の分析や、GPXデータを読み込むことで高低差を自動分析し、次の登りや下りを知らせてくれる「クライムガイダンス」機能など、トレーニングの質を高め、レースを戦略的に進めるための機能が満載です。
Suunto WING 2:安全性と高音質を両立する、ランナーのための骨伝導ヘッドホン
SUUNTOは2023年からヘッドホン市場に参入し、完全自社開発にこだわってきました。 その最新モデルである「Suunto WING 2」は、耳を塞がないオープンイヤー設計により、トレイルでの安全性を確保しながら、音楽を楽しむことができます。
ランナーの安全とパフォーマンスを支えるユニークな機能
安全性を高める機能として、前モデルと同じく側部にスマートLEDライトを搭載。 ランニングのピッチに合わせた点滅や、常時点灯などアプリで切り替えることができるモードが増えています。夜間の視認性を向上させる頼りになる機能です。

また、内蔵センサーを活用したユニークな機能も搭載されています。首を縦や横に振ることで電話の応答や曲送りが可能な「ヘッドジェスチャー操作」は、グローブをしたままでも直感的に操作できます。

さらに、首の6方向の動きから頸椎の可動域を測定したり、垂直跳びを計測したりすることで、体のパフォーマンスをモニタリングするという、スポーツメーカーならではの新しい試みも導入されています。
向上した音質とあらゆるシーンに対応するタフネス
音質面では、旧モデルより大型化したドライバーと、低遅延・高品質な「aptX Adaptive」コーデックへの対応により、大幅なアップグレードを遂げました。

バッテリーは本体のみで12時間、付属の専用モバイルバッテリーを併用すれば合計36時間の再生が可能です。 充電ポートは専用ケーブルを必要としないUSB-Cダイレクト接続となり、利便性が向上しました。 防水防塵性能はIP66を確保し、ゲリラ豪雨のような強い雨の中でも安心して使用できます。
発表会ではアンバサダーの反中祐介さんが使用感をレビュー
発表会に登壇したマルチアスリートであり、クリエイターでもあるという反中祐介氏は、RACE 2とWING 2を事前に使用した感想を語りました。

「RACE 2は、バッテリーを重視するなら選択肢になるが少し重さがあった『RACE』と、着用感は良いがバッテリーが少し物足りなかった『RACE S』の、両方の良さを兼ね備えたモデルです。バッテリー持ちはすごく良いのに、着用感はRACE Sに近く、手首が細い方や女性でもストレスなく使いやすいと思います」と、その絶妙なバランスを評価しました。
WING 2については、「ながらで使う時と、しっかり音楽に集中したい時で使い分けがしやすいのも骨伝導のメリットです。耳栓を併用すると、かなり良い音質で楽しめます。」と、ユニークな活用法を紹介しました。 さらにLEDライトについては、「グループランの際にブレーキやコーナリングを点滅で後続に知らせるなど、注意喚起としても活用できる」と、コミュニケーションツールとしての可能性にも触れました。
価格と発売日
Suunto RACE 2
- 予約開始日:2025年8月27日
- 発売日:2025年9月16日(火)
- 価格(税込):
- ステンレススチールモデル: 85,800円
- チタンモデル: 99,000円
Suunto WING 2
- 予約開始日:2025年8月27日
- 発売日:2025年9月26日(金)
- 価格(税込):27,880円
どちらの先代モデルも、高いクオリティーながら国内では紹介されることが少なかった製品です。着実なアップデートを果たした新モデルは話題になりそうです。なお、先代モデルは新モデル登場とともに値下げされ、お買い得になっています。














