アジア唯一のUTMBメジャー、6年目の節目。HOKA Chiang Mai Thailand by UTMB 2025 プレスカンファレンスレポート

HOKA Chiang Mai Thailand by UTMBの前日に行われたプレスカンファレンスでは、今大会がUTMBワールドシリーズのアジア・メジャーとして6年目の節目を迎え、タイ北部・チェンマイが世界のトレイルランニングのハブとして位置づけられていることが強調されました。

アジア唯一のUTMBメジャー、6年目の節目

会見の冒頭では、主催者とMCが各国から集まったメディアとランナーを歓迎し、「HOKA Chiang Mai Thailand by UTMB」がアジア・パシフィック地域で唯一のUTMBワールドシリーズ・メジャーであること、そして6年かけて現在の規模に成長してきた歩みを紹介しました。

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初年度は約800人規模だった大会が、現在では延べ1万人規模の参加者を迎えるイベントへと成長したことが語られ、チェンマイのトレイルランニング文化と地域経済にとって重要な役割を担う存在になっていると強調されました。

タイ当局が語る「スポーツがつくる富」と安全体制

会見にはタイのスポーツ関連当局や軍関係者も登壇し、スポーツイベントが地域と国家にもたらす「富」として、観光振興、地域コミュニティとの連携、国際的なイメージ向上を挙げました。

かつて入山規制も厳しく大会開催が難しかったドイ・インタノン国立公園エリアについては、空軍特別顧問が公式に大会継続を支援すると表明し、翌年以降も山頂近くの標高約2,500m超のエリアを舞台にレースが行われることがアナウンスされました。

2週間・11レース、4つの山を舞台にした2025年大会

2025年大会は、ドイ・インタノンとチェンマイ市内PAOパークを舞台にした2週間・11種目のフォーマットで実施され、完走者にはランニング・ストーンが通常の2倍付与されるUTMBメジャーとして開催されます。

ドイ・インタノンを舞台とする週末に続き、翌週のチェンマイでは「CHIANG DAO 160」「ELEPHANT 100」「HMONG 50・DAY/NIGHT」「SUTHEP 20・DAY/NIGHT」「CHEDI 20」など、北部タイを象徴する4つの山を巡るコースがラインナップされます。

UTMBグループ サブリナ・デ・ナダイが語る評価と期待

UTMBグループのアジア担当ディレクターであるサブリナ・デ・ナダイ Sabina De Nadai 氏は、いわゆる“ゼロエディション”から6年にわたる大会の成長に言及し、オペレーション、ボランティアの献身、安全管理、そして世界各国からランナーを惹きつける力の面で「卓越した水準に到達した」と評価しました。

今大会には約90の国・地域からランナーが集まっていることが紹介され、チェンマイがトレイルランニングにおける“ハブ”として、自然だけでなく文化・ホスピタリティを体験する場になっていると語りました。

外国人比率7割超、中国からの参加が突出

大会組織委員会の代表は、今年の出走者の約74%が外国人で、そのうち約3分の1が中国本土からのランナーであると明かし、「タイ国内の大会としては極めて珍しく、ローカルよりも外国人ランナーの方が多いレースになっている」と述べました。

大会には1,000人を超えるボランティアが関わっており、その支えなしにはUTMBメジャーとしての運営は成り立たないと感謝の言葉を送るとともに、翌年以降も距離やカテゴリーのバリエーションを増やしながら進化を続けていきたいと意欲を示しました。

精鋭ランナー紹介とチェンマイの魅力アピール

会見後半では、翌日に「CHIANG DAO 160」や「ELEPHANT 100」などを走る各国のエリートランナーがステージに登場し、中国、ネパール、日本、スペイン、韓国、アメリカなどから集まった選手たちが紹介されました。

MCは、ランナーたちに大会やチェンマイの印象を一言で表現してもらうなど、リラックスした雰囲気でトークを進行し、「暑い」「エキサイティング」「カルチャー」といったコメントから、気候の厳しさと同時に文化体験としての魅力が伝わる場になっていました。

チェンマイを走る意義

会見全体を通じて印象的だったのは、主催者・UTMBグループ・タイ当局が口をそろえて語った「トレイルランニングを通じて、チェンマイという土地と出会い、地域と共に成長していく」というメッセージでした。

アジア唯一のUTMBメジャーとして、2週間・11レース・4つの山というスケールに加え、外国人比率7割超という国際性、そして国立公園や軍とも連携しながらコースを開くという体制は、日本のトレイルランナーにとっても“旅とレースが一体となったフィールド”として大きな魅力になりそうです。

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