UTMBワールドシリーズは、2026年の北米カレンダーに新たなイベントを追加することを発表しました。米国ペンシルベニア州ステート カレッジ State College 近郊に広がるロスロック州有林 Rothrock State Forest を舞台にした「Rothrock by UTMB」です。開催は2026年5月16日・17日の2日間が予定されています。
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これは、バージニア州で開催されている「Grindstone Running Festival by UTMB」に続き、アメリカ東部で開催される2つ目のUTMBワールドシリーズイベントとなります。広大な北米大陸において、東海岸のランナーたちがより身近な場所でUTMBの熱気を感じ、シャモニーで開催されるファイナルへの抽選チケット(ランニングストーン)を獲得できるチャンスが広がったことは、非常に大きな意義を持ちます。
「Rothrock Trail Challenge」の伝統と野生を受け継ぐ
このイベントは2009年に始まり、地元のランナーたちに愛され、育てられてきた「Rothrock Trail Challenge」の歴史と伝統を色濃く受け継ぐ形で、UTMBワールドシリーズに加わることになります。「For those about to Rothrock, we salute you!(ロスロックに挑む者たちに敬礼!)」というタグラインで知られるこのレースは、そのコミュニティ主導の温かさと、過酷なコース設定で知られています。
特筆すべきは、UTMBワールドシリーズがこれまでのレース運営チームとパートナーシップを組み、彼らの知見を尊重している点です。UTMBインターナショナルのエグゼクティブ・ディレクター、フロリアン ランブラン Florian Lamblin 氏は次のように述べています。
「Rothrock by UTMBのレガシーを継承し、この旅を前進させ、現地のチームと緊密に協力できることを大変嬉しく思います。この新たなコラボレーションにより、ロスロック特有の景観、トレイル、コミュニティを称えつつ、最高のUTMBワールドシリーズ体験を提供することが可能になります。」
「ロードシューズは家に置いてこい」、荒々しくも美しいコース
「ハッピーバレー」という愛称で親しまれる地域に位置しながら、そのコースは決して甘くはありません。距離は50kmと25kmの2つのカテゴリーが用意されていますが、どちらもペンシルベニア特有の荒々しい自然が待ち受けています。
砂岩の尾根、シダに覆われた谷、そしてシャクナゲのトンネル。50kmコースでは、周囲の山々を一望できる象徴的なタッシーマウンテン Tussey Mountain の尾根を越え、切り株にビールの注ぎ口が飾られたユニークな名所「ビールタップ(Beer Tap)」を通過し、国の天然記念物であるベア・メドウス自然地域 Bear Meadows Natural Area を駆け抜けます。
地元ステートカレッジのトレイルランナー、ブロック ライダー Brock Rider 氏は、このコースの魅力を端的に表現しています。
「美しい尾根のトレイルから、強烈な登り、そして荒々しい下りまで、このレースにはすべての要素が詰まっています。ロードシューズは家に置いてきてください。」
地域コミュニティへの還元とサステナビリティ
UTMBワールドシリーズが単なるレースの開催にとどまらず、地域社会への貢献を掲げている点も注目に値します。主催者は今後3年間で4万ドル以上を「Rothrock Trail Alliance」などの地元の非営利団体に寄付することを約束しています。
これは、私たちが走らせてもらうトレイルを維持管理し、アウトドアレクリエーションを育む人々への直接的な支援となります。共同レースディレクターのスコット シーダー Scott Sheeder (USA) が語るように、「挑戦的な地形、素晴らしい景色、そしてフレンドリーなコミュニティ」こそがこのレースの核であり、それを守り育てることがイベントの持続可能性につながるのです。
既存のローカルレースをリブランドしてシリーズに組み込む手法は、昨今のUTMBの拡大戦略の典型ですが、地元の運営チームやコミュニティへの還元(金銭的な寄付を含む)を強調している点は、地域との摩擦を避け、持続可能な関係を築こうとする姿勢の表れと言えるでしょう。
新たな挑戦への招待状
「Rothrock by UTMB」は、北米で12番目のUTMBワールドシリーズイベントとして、地元の情熱と国際的な野心を結びつける架け橋となります。優先登録は2025年12月9日から、一般登録は12月11日から開始されます。詳細は大会ウェブサイトから確認できます。
(Source: UTMBワールドシリーズ)













