中国・莫干山で新たな大会「Ultra-Trail Mogan by UTMB」を2026年春に開催、竹林に囲まれた「江南第一山」の伝説が、アジアのトレイルランニングシーンを牽引

世界最高峰のトレイルランニングシリーズであるUTMB World Seriesが、アジアでの展開をさらに加速させます。2026年4月10日から12日にかけて、中国・浙江省湖州市徳清県で「Ultra-Trail Mogan by UTMB」が初開催されることが発表されました。竹林の海と雲のヴェールに包まれた莫干山(モーガンシャン)が大会の舞台となります。

竹の海と雲霧に包まれた、中国文化の心臓部を駆ける

莫干山(モーガンシャン Moganshan)は、中国東部で最も文化的に重要な歴史的山岳地域の一つとして知られています。大会では20K、50K、100K、100Mの4つの距離カテゴリーが設定され、初心者から経験豊富なランナーまで、それぞれのレベルに応じたチャレンジが可能です。参加者は、翠緑の森、伝統的な村落、そして何世紀にもわたって受け継がれてきた古道を走り抜けることになります。

Sponsored link


大会ディレクターのジェンリー・マー Zhenli MA氏は、莫干山の豊かな文化遺産について次のように語っています。「莫干山は『江南第一山』として知られ、伝説の刀工・干将(かんしょう)と莫邪(ばくや)の物語が語り継がれています。コースは竹林、茶畑、古道を巡り、江南地方独特の美しさを体感できます」。石畳の山道や村の小径を走ることで、ランナーは何世紀もの地域の伝統に触れることになります。

Photo © UTMB

Photo © UTMB

地域コミュニティとの協働が生み出す、本物の体験

Ultra-Trail Mogan by UTMBの特徴は、徳清県と莫干山エリアの地域コミュニティとの緊密な協力関係にあります。地元の民宿、村の商店、コミュニティサービスと連携し、エイドステーションでは竹を使ったスナックや伝統的な飲料など、地域産品が提供されます。さらに、地域の物語や文化がランナーの旅路全体に織り込まれるという、単なるレースを超えた体験が約束されています。

環境への配慮も徹底されています。「Leave No Trace(痕跡を残さない)」は単なる理念ではなく、専門機関との協力による定量化・追跡可能な環境実践として実現されます。シャトルバスや公共交通機関の利用促進、専門的な炭素会計、生分解性素材の使用、厳格な廃棄物分別、マイ食器持参イニシアチブなど、具体的な行動を通じて大会全体のカーボンフットプリントを削減する取り組みが行われます。

Photo © UTMB

Photo © UTMB

中国のトレイルランニング市場の急成長が後押しする新展開

中国は現在、世界第3位のトレイルランニング市場として、グローバルなトレイルランニングシーンで主導的な役割を果たしています。8万人以上のランナーが有効なUTMB Indexを保持しており、その勢いは増すばかりです。Ultra-Trail Mogan by UTMBの追加により、UTMB World Seriesはアジアで14番目、中国本土では5番目のイベントとなり、アジアにおけるプレゼンスをさらに強化します。

大会のエントリー受付は2025年12月11日に開始され、詳細はhttps://mogan.utmb.world/で確認できます。

竹林の中を駆け抜け、雲霧に包まれた山頂を目指すこの新しい大会は、トレイルランニングと文化遺産が融合した、まさにアジアならではの体験となるでしょう。中国のトレイルランニングシーンの成長とともに、莫干山の伝説がどのように世界のランナーたちを魅了するのか、2026年の春の注目のイベントとなります。

(Source: UTMB World Series)

Sponsored link