そんな激戦区において今、独自の哲学で存在感を高めているブランドが「RingConn(リングコン)」です。
Sponsored link
DogsorCaravanではレビューのために今年発売の「RingConn Gen 2」をお借りし、一週間余り試用することができました。

RingConn Gen 2 はリング本体が薄く、細くなったことで隣の指の指輪とも干渉しにくくなった。
ヘルステック企業「RingConn」とは
RingConnは、2021年に設立された香港を拠点とするヘルステック企業です。その創業者は、生体医療回路やシステムの専門家であり、大学教授も務める王国興 Guoxing Wang 博士。 王博士は長年にわたり低消費電力の医療用集積回路の研究に従事してきた権威であり、その学術的な知見が製品のコア技術に活かされています。つまり彼らは、流行に乗ったガジェットメーカーというよりも、アカデミアの研究成果を社会実装するために生まれた「研究者集団」なのです。
日本市場への参入の経緯からも、その注目度が高いことがわかります。2025年2月からクラウドファンディングサービス「Makuake」にて先行予約販売を開始した「RingConn Gen 2」は、多くのサポーターからの熱狂的な支持を集め、スマートリングジャンルにおける歴代記録を塗り替える成功を収めました。その後、2025年4月より一般販売が開始され、現在はAmazonや家電量販店などで広く購入可能となっています。
特に、競合他社がサブスクリプションモデル(月額課金)による収益化を図る中で、あえて「買い切り型」を貫く姿勢は、多くのユーザーから支持を集めています。
今回紹介する「RingConn Gen 2」は、その名の通り第2世代のモデルです。初代で評価された基本性能をベースに、医療機器に迫る「睡眠時無呼吸症候群(SAS)モニタリング」機能を搭載し、さらに圧倒的な小型化とより長いバッテリー寿命を実現しています。スペック競争だけでなく、「実際に毎日使い続けられるか」という実用性を追求しています。機能向上が著しいスマートリング製品の中でも、市場のゲームチェンジャーとも言える存在だといえます。
GPSウォッチを腕から外したい時もある
ランニングやアウトドアのフィールドでアクティブに過ごす私たちにとって、自身のコンディションを把握し、記録して振り返ることは、日々のトレーニングと同じくらい重要なことです。その役割は高機能なGPSウォッチが一手に引き受けてきました。
しかし正直にいえば、高機能なGPSスマートウォッチを朝から夜まで、そして寝ている間も腕につけ続けるのは、時として煩わしく感じるものです。とりわけ、長時間のトレイルランニングに対応した、バッテリー容量や大画面を備えたウォッチであればなおさらです。

RingConn Gen 2のパッケージは左からリング本体、充電ケース、USB-Cケーブルとシンプル。
日中の山行やランニング中はその堅牢さが頼もしい相棒でも、疲れ果てて帰宅し、ベッドに潜り込む瞬間には、その厚みや締め付けがストレスへと変わります。睡眠のトラッキングのためにウォッチをつけて寝床についても、ふとした瞬間に時計のベゼルがシーツやブランケットに引っかかったり、手首の圧迫感が気になったりするものです。それを避けようと時計を外してしまえば、重要な睡眠データや回復の指標(HRVなど)が欠損してしまいます。
このジレンマに対する一つの解決策として、「RingConn Gen 2」を試しました。
結論からいえば、第2世代に進化したこのリングは、わずか2mmの薄さと、充電器なしで10日以上動き続ける驚異的なスタミナによって、「睡眠と回復のモニタリング」をGPSウォッチから解放する、理想的な分業ツールへと進化していました。
1. 存在を消すデザイン:2mmの薄さと「真円ではない」意味
パッケージを開けてまず驚かされるのは、その質感と薄さです。私が試用している「フューチャーシルバー」モデルは、金属の光沢感が美しく、一見するとガジェットには見えません。
しかし、指に通した瞬間に決定的な違いに気づきます。それは「薄さ」と「形状」、そして「完璧なフィット感」です。
サイジングキットが実現する「完璧なフィット感」
RingConn Gen 2を購入すると、まずサイジングキットが送られてきます。サイズ6からサイズ14までの9サイズのプラスチック製のサンプルリングがキットの中には入っています。ユーザーはそのサンプルリングを指につけ、むくみによる変動なども含めてサイズを確認します(メーカーは24時間以上の試用を推奨)。自分にぴったり合うサイズを確定させてから、本製品を受け取ることができるのです。このプロセスは長時間着用してもストレスのない装着感の基礎となっています。
なお、サイジングキットには4種類のカラー展開の色味や質感を確認できるサンプルも入っており、カラーも納得して選ぶことができます。

サイジングキットには6号から14号まで9つのサイズのサンプルが入っていた。

写真と実物では差があることも多いカラーのサンプルも添えられていた。
圧倒的な「異物感」のなさとタフネス
スペック上の厚みは約2mm、幅は6.8mm、重量は約2〜3g(サイズにより差がある)です。これは現時点では競合する製品と比べて明確に薄く、軽いです。指から外してそれぞれのスマートリング製品を別々に見ただけでは、このわずか0.数ミリ、1gにも満たない差は気付かないかもしれません。しかし、指の間という敏感な部位においてこの差は決定的です。

RingConn Gen 2と筆者が昨年レビューしたAmazfit Helio Ring(左)を比べると、厚みや形状に差があることがわかる。微妙な差に見えるが装着感には大きな差があった。なお、RingConn Gen 2は11号であるのに対してHelio Ringは12号でサイズには差がある。
実際に私は中指に装着して8日間過ごしましたが、厚さ2.7mm、幅8mm、重量は4g弱というAmazfit Helio Ringと比べると異物感が大幅に軽減されることに気づきました。私は最初は右手中指に装着したのですが、これであれば隣の薬指の普通の指輪とも干渉しなさそうなので、左手の中指に付け替えました。二つの指輪がぶつかることもありますが、気にならない頻度です。今のところチタン合金製の表面に傷もついていないようです。この左手中指に付けられることのメリットは右利きの筆者には意外と大きく、洗面やキッチンでの炊事や洗い物で水を使う作業をするときにリングを外す面倒が減りました。

RingConn Gen 2を中指に装着。センサーが配置されている側を手のひら側に向けることでより正確な計測ができる。なお正確な計測のためには人差し指に装着するのがベストとされている。ただ、実際に人差し指に装着すると日常生活でリングに物が当たることが多い。状況に応じて付け替えるのも良いかもしれない。
もっとも、サイズが小さくなってもIP68 / ATM10(10気圧防水、最大100m)という高い耐環境性能はキープされています。日常生活で水に触れる場合はもちろん、アウトドアでの豪雨や泥んこといったトレイルランナーにはおなじみの状況下でも、水没や故障を心配することなく使い続けられる信頼性を備えています。
「真円ではない」ことでもたらされる機能
よく観察すると、RingConn Gen 2は完全な円形ではないことに気づきます。指の腹(掌側)に当たる部分がわずかに平らな「スクワークル(丸みを帯びた四角)」といえる形状をしているのです。

RingConn Gen 2 の形状がわかりやすい画像を同社資料より抜粋。リングの外側は指の側面に当たる部分がやや細くなっており、丸みのある四角になっている。
実際に使ってみると、これが実に機能的です。第一に、隣り合う指へのあたりが柔らかく、装着感が自然になります。完全な円形をしているリングと比べると、RingConnは指の形状に合わせて人間工学的に「逃げ」を作るデザインとなっています。
第二に、指の上でリングがくるくると回転しにくいという点です。スマートリングにおいて、計測用の光学センサーが常に掌側の血管に近い位置にあることは、データの精度を担保する上で極めて重要です。円形のリングでは気づかないうちにセンサーが手の甲側に回ってしまうことがありますが、この形状のおかげで常にセンサーが正しい位置(掌側)に留まってくれます。
もう一つ、リングの側面から見ても金属面でカバーされている範囲が広く、内側の樹脂部分の露出が少なくなっています。細かいところですが、横からの視線にも耐えうる高級感のある作り込みも好印象です。

RingConn Gen 2を手の甲側から見たところ。リングの側面の多くがチタン素材で覆われており、ガジェット感が目立たない。

Amazfit Helio Ringを手の甲側から見たところ。こちらはリングの側面の半分くらいは内側の樹脂素材が見えている。なお、昨年発売のHelio RingはAmazfitのスマートウォッチとデータ連携するという機能を持っている。
2. 遠征や出張のときにうれしい最大12日間バッテリーと充電ケースの運用
トレイルランニングファンは宿泊の伴う旅行をする機会が多く、充電の手間はできるだけ減らしたいところです。RingConn Gen 2はこの点において、現在市場にあるウェアラブルデバイスの中で最強の部類に入るでしょう。
実証:充電器なしでどこまで持つか
公称スペックでは「10〜12日」のバッテリー寿命を謳っています。これは他社製品の多くが4〜5日程度であることと比較すると倍以上のスタミナです。 実際に満充電の状態から使い始め、一度も充電せずに8日と半分が経過した時点で、アプリ上のバッテリー残量は12%。具体的に「何月何日の何時より前に充電してください」と表示されていました。この日時は試用開始からちょうど10日が経過した時点です。
つまり、海外レースへの参加のための遠征や海外出張で一週間くらい外出する場合であっても、出発前にRingCon Gen 2を満充電しておけば、充電器を持っていく必要がありません。これはどんなに長くても数日〜1週間で充電が必要になることが多いハイエンドのGPSウォッチと比較しても長いバッテリー持続時間であり、充電に伴う心理的なストレスから完全に解放されます。
ワイヤレスイヤホンのような充電ケース
さらに秀逸なのが、標準付属のポータブル充電ケースです。ワイヤレスイヤホンのケースのような形状で、リングをポンと入れるだけで充電が始まります。 他社製品によくある「小さな専用台座(ドック)」は、USBケーブルに繋ぐ必要があり、本体が軽すぎてケーブルの弾力で動いてしまったり、遠征先で紛失するリスクがあります。また、充電位置がシビアで、置いたつもりが充電されていなかったというミスも起こりやすいものです。
対してこのケースは、500mAhのバッテリーを内蔵しており、リング本体と合わせれば最大150日以上の稼働時間を実現します。移動中のバックパックの中でも「保管=充電」ができるこのシステムは、旅行者のニーズに沿った使いやすさを感じました。コンセントを探す必要すらなく、ポケットの中でエネルギーを補充できるのです。

RingConn Gen 2を充電ケースに置くと充電が始まる。もちろんケースの蓋を閉じて持ち歩くこともできる。
もちろん充電ケース自体はUSB-C端子で充電可能です。また、自宅とオフィスの両方で充電できるようにしたい場合には、ケース型でない充電ドックも別売りアクセサリーとして販売されています。

充電ケース本体はUSB-Cケーブルで充電する。
3. 睡眠計測の深層:無呼吸(OSA)リスクへの気づき
RingConn Gen 2を導入する最大のメリットは、ここにあると言えます。「睡眠」と「呼吸」の可視化です。
睡眠時無呼吸(OSA)モニタリング
このデバイスは、睡眠中の血中酸素レベル(SpO2)や呼吸パターンを分析し、睡眠時無呼吸症候群(OSA)のリスクを検知する機能を搭載しています。メーカー資料によれば、90.7%という高い精度でモニタリングが可能だといいます。

RingConnの資料より抜粋。睡眠時無呼吸症候群は潜在的に多くの人に症状がみられるが、自覚症状に乏しく、検査の負担も大きいという。
アプリでは「AHI(無呼吸低呼吸指数)」という専門的な指標を用いて、リスクが「低い」「中程度」といった形で表示されます。
このモニタリングは連続する3回の睡眠について、睡眠中の血中酸素と睡眠時呼吸のパターンを高頻度で計測することで行われます。今回はレビューのための試用を始めると同時にモニタリングを開始することを勧められ、それに従ってモニタリングを行いました。
私は幸い「異常なし」の範囲でしたが、疲労が蓄積した日や、アルコールを摂取した夜には数値が変動するようです。睡眠の質は生活の質、アスリートであればパフォーマンスに直結します。単なる「睡眠時間」だけでなく、「呼吸が止まっていないか(=脳と筋肉に十分な酸素が行き渡り、修復が行われているか)」という医療レベルに近い視点でコンディションをチェックできるのは、非常に大きな安心材料です。

RingConn Gen 2では睡眠時無呼吸のモニターができる。
一度モニタリングを完了して異常なしと評価された後は、バッテリーの容量消費が大きくなるためか、モニタリングの頻度について自動で「しばらくモニタリングしない」と設定されました。このモニタリングの頻度については「自動で一回モニタリング」、「毎日自動モニタリング」を選ぶこともでき、後者は中度または重度の症状が疑われるユーザーにのみ推奨とされています。無呼吸の症状が心配な方にとって、リング一つで手軽に毎日モニタリングできる点は大きなメリットです。
データ精度とウォッチとの比較
気になる精度ですが、左手にApple Watch、右手にRingConn Gen 2をつけて数晩比較してみました。
- 入眠・起床時間: ほぼ分単位で一致しており、ベッドに入って本を読んでいた時間と、実際に眠りに落ちた時間を正確に区別していました。
- 睡眠ステージ: 深い睡眠、コア睡眠、レム睡眠の判定の仕方に多少差があり、私の場合はRingConnの方が深い睡眠をより長くとったと判定しました。ただ、睡眠ステージの推移については大きな乖離はありませんでした。
- 装着ストレス: 圧倒的にリングの方が楽です。大きめのアウトドアGPSウォッチに比べれば、Apple Watchは慣れてしまえば違和感は感じませんが、外して寝てみると腕に何も付けないのは気持ちよく感じます。

同じ日の睡眠をRingConn Gen 2(左)とApple Watch Series 9(右)で記録した。深い睡眠とコア睡眠の判定に差があるが、概ね一致している。
「記録のために睡眠を妨げられる」という本末転倒な事態を防ぐ意味でも、就寝時はウォッチを充電台に置き、リング一つで眠るというスタイルが最適解だと感じました。ちなみにiOSの場合はRingConnアプリからAppleのヘルスケアアプリに接続することができます。これにより、AppleのヘルスケアアプリでApple Watchやその他のスマートウォッチのからのデータと統合して状況を確認することができます。
4. 「予兆」を捉えるコンディショニングツール
今回、テスト中に非常に興味深い体験をしました。IZU TRAIL Journeyのライブ配信に出演するために、大会前日に伊豆・修善寺に滞在した時のことです。
「頭痛の前兆」アラート
朝、アプリを開くと「頭痛の前兆があります」というアラートが表示されたのです。 当時、現地は雨で気圧が下がっており、私は早朝に起きて配信の準備を始めたので睡眠時間が不規則になっていました。RingConnのアプリは、これらの「気圧の変化」「睡眠の乱れ」「心拍変動(HRV)」などの要素を統合的に分析し、「あなたは今、精神的に張り詰めており、環境要因も相まって体調を崩すリスクがある」と警告してきたのです。

修善寺の宿泊先で午前4時半に起床すると「頭痛アラート」が表示されていた(左、中)。そのまま、RingConnアプリの側でモニタリングが続いたが、三日後には異常なしとしてモニターが解除された(右)。
メッセージには「ペースを落として休憩を優先してください。症状が出た場合は記録に残しましょう」という具体的なアドバイスが含まれていました。単なるデータの羅列ではなく、そこから予測されるリスクを言語化してくれる点は非常に心強いです。実際には頭痛の症状が現れることなく済みましたが、「体調を崩してから記録する」のではなく、「崩す前に予兆を捉えて予防する」という、コンディショニングの理想的なサイクルをサポートしてくれる機能には驚かされました。
アクティビティ検知とスマートウォッチとの使い分け
RingConn Gen 2にはGPSチップが内蔵されていないため、ランニングのアクティビティ計測(ペースや距離、ルート)については、やはりGPSウォッチに分があります。しかし、RingConn Gen 2自体も優れたアクティビティ検知機能を持っています。
通勤や出先での徒歩での移動や、日々のランニングやサイクリングなどを自動的に検知し、記録してくれます。GPSログ(コースの軌跡)こそ単体では残りませんが、アプリを開くと「この間にアクティビティがありました」と提案してくれるのです。開始・終了時間や平均心拍数、運動強度(RPE)がしっかり記録されるため、ウォッチのボタンを押し忘れるような日常的な運動も漏らさずログに残せます。
また、RingConnアプリでは、運動後にウォーキングやランニングの距離を手動で追加することも可能です。これらのデータは、ストレスレベル、睡眠レベル、バイタルサインと組み合わされ、総合的な「回復度(リカバリー)」の判定に用いられます。つまり、単に「どれだけ走ったか」だけでなく、「心身のバランスが取れているか」を4つの要素から可視化してくれるのです。

RingConnアプリのトップ画面では「心身のバランス」として4つの要素からコンディションを判断できる。それぞれの要素をタップするとより詳しく指標を確認できる(左)。日々の睡眠についても、その内容や改善点を指摘してくれる(右)。
私としては次のような使い分けが良さそうという結論に至りました。
- トレーニング中: アウトドア仕様のGPSウォッチで詳細なログとペースや負荷をチェックする。RingConn Gen 2はつけたまま。
- 日中の日常生活: Apple Watchでスマホとの機能の連携を活用。外出先ではApple PayのSuicaやクレジット決済を活用。短時間のランニングはそのままApple Watchで記録。RingConn Gen 2はつけたまま。
- 就寝: RingConn Gen 2で回復・ストレス・睡眠・安静時心拍数をモニタリング。Apple Watchは外して充電(起床時間厳守のプレッシャーがある時は起床のアラームのために腕につけて寝る)。
シリアスなランナーであればあるほど、この機能分担は現実的で、ちょうどいいバランスになる気がします。データはApple HealthやGoogle Health Connect経由で連携できるため、統合的な健康管理に支障はありません。むしろ、それぞれの得意分野に特化させることで、トータルの体験は向上します。
もし、フィジカルなアクティビティやトレーニングの記録をすることにさほどこだわりがないのであれば、RingConn Gen 2だけを身につけて、RingConnアプリでコンディションを把握することももちろんできます。
5. アプリの使い勝手と「サブスク不要」という正義
視認性の高い日本語対応と洗練されたUI
使い勝手を左右するアプリの出来栄えも優秀です。以前の中華系デバイスに見られたような不自然な翻訳やフォントの違和感もなく、視認性の高い日本語UIで快適に操作できます。
アプリのホーム画面では、「睡眠スコア」「ストレス指数」「アクティビティスコア」「バイタルサイン」といった主要な指標が一目で確認でき、現在の心身のバランスを直感的に把握できます。さらに、それぞれの項目をタップすれば詳細なデータへスムーズにアクセス可能です。
例えば睡眠データなら、レム睡眠や深い睡眠といった睡眠ステージの内訳、合計睡眠時間、そして睡眠の質に関する洞察が表示され、それに基づいたパーソナライズされたアドバイス(レコメンデーション)も受けられます。また、24時間のストレスレベルも継続的にグラフ化されるため、「いつストレスが高まったか」を振り返り、積極的な休息やリラックスを促す機能も備わっています。
全体像の把握から、個々のデータの深掘りまで、ストレスなくナビゲートできる設計は、毎日の健康管理を継続する上で大きな助けとなるはずです。
RingConnはサブスク料金なし(今のところ)
最後に、長期的な運用において無視できないのがコストの話です。今日では多くのサービスはハードウェアとスマホアプリを組み合わせて提供されていて、利用するにはサブスクリプション料金が必要です。スマートリングでも、競合のOura Ringは、ハードウェア代金とは月額999円が必要です。これを払わないと詳細な睡眠スコアや過去のデータ履歴が見られない仕様になっています。
対してRingConn Gen 2は「サブスクリプション不要(買い切り)」を貫いています。 デバイスを購入すれば、高度なOSAモニタリングを含む全ての機能、将来のアップデート、データの閲覧が追加費用なしで利用できます。ランニングシューズやザック、遠征費と、何かと出費の多いトレイルランナーにとって、サブスク料金が発生しないというのは魅力的です。2年も使えば、サブスク型の競合製品とのコスト差は数万円にも及ぶでしょう。
とはいえ、こうした料金構成のポリシーは運営する企業の戦略により大きく変わります。現時点では上記の通りですが、RingConnが今後発売する新モデルについて、いつかサブスク料金を導入することも考えられることは頭に留めておいて良いかもしれません。
もう一つの選択肢:3万円台で買える「Gen 2 Air」
さらに2025年11月には、基本機能を継承しつつ価格を抑えた新モデル「RingConn Gen 2 Air」も登場しました。 フラッグシップのGen 2と比較して、主な違いは以下の3点です。
- 素材: チタン(Gen 2)からステンレススチール(Gen 2 Air)へ変更。
- 機能: 睡眠時無呼吸(SAS)モニタリング機能を省略。
- 充電: ポータブル充電ケースの代わりに、据え置き型の充電ドックが付属。
素材変更により重量はわずかに増しましたが(それでも2.5〜4g程度と軽量)、バッテリー寿命は最大10日以上と依然として長く、防水性能も同等です。何より34,800円(税込)という価格は、Gen 2(52,800円)と比較して非常に魅力的です。
「無呼吸リスクの懸念はない」「遠征が少ないので充電ケースは不要」「まずは手軽に始めたい」という方にとっては、この「Air」こそが、コストパフォーマンスに優れたベストバイになるかもしれません。
まとめ:誰が買うべきか
RingConn Gen 2は、以下のような人に強く推奨できます。
- 24時間365日、重いGPSウォッチをつけることに疲れてしまった人。
- 睡眠の質を「スコア」だけでなく「呼吸(OSA)」レベルで深く知りたい人。
- 海外遠征や長期縦走が多く、充電ケーブルを少しでも減らしたい人。
- サブスクリプションという「固定費」を嫌う堅実な人。
結び:「記録のために生活を乱さない」という理想形
RingConn Gen 2の本質は「医療レベルのインサイト(睡眠時無呼吸検知)」と「生活に溶け込む物理設計(軽さ・薄さ・超長寿命バッテリー)」の高度な融合にあります。
8日間使い続けて実感したのは、「着けていることを忘れる」という体験が、24時間365日のバイタルモニタリングを実現するには必要な条件だということです。指輪の厚みが薄いこと、形状が真円ではなく指に最適化されていること、そして充電が10日に一度で済むこと。これらの細部へのこだわりが積み重なることで、結果として「記録のために生活を乱さない」という、ウェアラブルデバイスの理想形に近い製品になっています。
スマートリングの進化は、ここ1〜2年で大きく加速しています。年末年始をきっかけに、健康管理やガジェットの役割分担を見直し、もっと快適に過ごしたい方にとって、RingConn Gen 2は間違いなく有力な候補になるでしょう。
これは単に指につけるガジェットではありません。24時間365日、あなたの健康とパフォーマンスを見守り続ける、極めて頼りになるパートナーなのです。次の大会取材では、私は充電ケースを家に置いて、このリング一つを指にはめて出かけるつもりです。
製品情報
- 製品名: RingConn Gen 2
- サイズ: 6 – 14 (9サイズ展開・サイジングキットあり)
- カラー: Future Silver, Matte Black, Royal Gold
- 防水: IP68 / 10ATM (100m防水)
- バッテリー: リング単体 10-12日 / ケース込み 150日以上
- 通常販売価格: 52,800円(税込)
|
|
|
|













