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トレイルランニングの世界において、いま北米で最もダイナミックな進化を遂げているエリアの一つが、ユタ州です。広大なソルトレイクシティ周辺の山々は、スピードと高度が交差する新たな聖地へと変貌しつつあります。広大な自然とドラマチックな山岳地形を誇るこの地に、また一つ、UTMBワールドシリーズの新たな扉が開かれることになりました。2026年9月、ワサッチ山脈の懐に抱かれた歴史的なリゾート, スノーベイスン Snowbasin を舞台に「Snowbasin by UTMB」が産声を上げます。
ワサッチ山脈の懐に、新たなUTMBワールドシリーズ大会が登場
UTMBワールドシリーズは、ユタ州オグデン Ogden に位置するスノーベイスン・リゾートにおいて、新大会を開催することを発表しました。記念すべき第1回大会は2026年9月10日から12日にかけて開催されます。なお、初年度のみこの日程で行われ、2027年以降は9月16日から18日の開催へと移行する予定です。
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この新大会の誕生は、北米のトレイルランニングシーンに新たな衝撃を与えるでしょう。西アメリカを象徴する山岳地帯に、UTMBのプレミアムな体験が持ち込まれることになります。
オリンピックのレガシーが息づく、アメリカ最古級のスキーリゾート
舞台となるスノーベイスンは、アメリカで最も古く、かつ名高いスキーリゾートの一つです。2002年ソルトレイクシティ冬季五輪の会場となっただけでなく、2034年の冬季五輪でも再びアルペンスキーの会場に選ばれています。世界最高峰のアスリートを迎え入れてきたインフラとホスピタリティは、トレイルランナーにとっても理想的な環境と言えるでしょう。
UTMBインターナショナル・エグゼクティブ・ディレクターのフロリアン・ランブラン Florian Lamblin (FRA) は、この地での開催意義を次のように語っています。
「スノーベイスンのコミュニティに温かく迎え入れられ、この特別な場所の伝統と遺産を引き継げることを深く光栄に思います。オリンピックのレガシー、ワールドクラスのトレイル、そして息を呑むようなアルプスの景観を持つスノーベイスンは、私たちのサーキットの価値を体現しており、ランナーに真にプレミアムで忘れられない体験を提供することでしょう」
58kmと28kmの2カテゴリー、大塩湖を望む絶景コース
今大会では、58km(50Kカテゴリー)と28km(20Kカテゴリー)の2つのレースが用意されています。どちらのコースも、ワサッチ山脈の多様な表情を楽しむことができる構成です。
58kmのメインレースは、累積標高差約1,768m(5,800フィート)という設定。テクニカルなセクションと高速シングルドラックが融合した、文字通り『走力とスピード』が試されるタフなコースです。セージブラッシュの原野、アスペンやモミの林を抜け、オグデン市街やグレートソルト湖(大塩湖)の絶景を見渡すことができます。一方の28kmコースは、累積標高差約732m(2,400フィート)で、スノーベイスンの極上のシングルラックを網羅し、切り立ったピークを背景にリゾートを一周するルートとなります。
レースディレクターを務めるアレックス・ドクタ Alex Docta (USA) は、このエリアの魅力を強調します。
「アスペンの森、そびえ立つモミの木、高山植物の草原から大塩湖の素晴らしい眺めまで、ランナーはこのオグデン周辺がなぜトレイルランニングのハブになりつつあるのかを実感するはずです。私自身、ランナーとしてUTMBワールドシリーズのコース選択や細部へのこだわり、安全性への配慮には常に感銘を受けてきました。スノーベイスンで皆さんに素晴らしい体験を提供できることを楽しみにしています」
「Cares Bibs」を通じて地域社会への還元も
本大会では、単なるスポーツイベントに留まらない、地域貢献の取り組みも行われます。「Cares Bibs」イニシアチブを通じて集められた資金は、コミュニティ助成金としてオグデン周辺の地元プロジェクトや組織に直接再投資されます。この大会を支える地域社会への感謝を形にする、持続可能なイベント運営の姿勢が伺えます。
オグデンの観光局長兼CEOであるセラ・トリバー Sara Toliver (USA) も、世界中から集まるアスリートたちが、秋の美しい色彩や地元の活気ある食文化、そして屋外アクティビティの文化を楽しんでくれることを心待ちにしていると述べています。
エントリーは2026年2月10日から順次開始
「Snowbasin by UTMB」への優先エントリーは、米国太平洋時間の2026年2月10日午前8時から、一般エントリーは2月12日午前8時から開始されます。
かつてオリンピアンたちが滑り降りた急斜面を、今度はトレイルランナーたちが駆け上がる。歴史と絶景が交差するこの新たなステージは、あなたのランニングキャリアにどのような一ページを加えるでしょうか。2034年のオリンピックを待たずして、この伝説の地を自らの足で体感してみる。そんな贅沢な挑戦が、いま始まろうとしています。
DogsorCaravan の注目ポイント
「五輪リゾート×UTMB」の安定感と、日本からのアクセスの良さ
今回発表された『Snowbasin by UTMB』は、近年のUTMBグループが提唱する『プレミアムなレース体験とシャモニーへの最短ルート』という拡大戦略を象徴するイベントと言えます。
第一に、会場となるスノーベイスンは、過去に冬季五輪を開催し、2034年の開催も決定している世界最高峰のスキーリゾートです。宿泊施設、駐車場、ゴンドラといった大規模イベントに不可欠なインフラが既に完成されており、初開催の大会ながら安定した運営が期待できます。UTMBが近年、欧米の主要スキーリゾートとの提携を加速させているのは、こうした「失敗しない会場選び」による参加者満足度の確保も狙いなのでしょう。
第二に、そのアクセスの良さです。ソルトレイクシティ国際空港から車でわずか45分という立地は、広大なアメリカ西部のレースの中では群を抜いて便利です。日本から参加する場合、直行便のあるロサンゼルスやサンフランシスコ、あるいはシアトルを経由してソルトレイクシティに入れば、そこからはレンタカーで1時間足らず。長い休暇を取りにくい日本のランナーにとって、移動のストレスを最小限に抑えつつ、本場アメリカの「ビッグマウンテン」の雰囲気を味わえる貴重な選択肢となるでしょう。
コーススペック(58kmでD+1,770m)を見る限り、ヨーロッパの急峻なアルプスのようなテクニカルな登り下りというよりは、アメリカ西部らしい走力とスピードが問われるコースなのでしょう。Western Statesのような人気レースの当選を待ちながら、まずはランニングストーンを獲得しつつアメリカのトレイルを走ってみたいというランナーには、ぴったりです。
シャモニーのUTMBファイナルを目指す挑戦の一つとして、あるいは遅めの夏休みのお楽しみとして、人気を集めるのではないでしょうか。
(Source: UTMB World Series)














