アディダス、トレイルランニングにADIZEROの勝てる遺伝子を完全移植、adidas TERREXのAgravic新フランチャイズ4モデルが完成

2026年2月17日、アディダス テレックス(adidas TERREX)はトレイルランニングシューズ「Agravic(アグラヴィック)」シリーズを一新し、全4モデルからなる新たなフランチャイズを展開することを発表しました。

これまでの単発的なモデル展開ではなく、ロードランニングで世界を席巻した「ADIZERO(アディゼロ)」シリーズと同様に、距離や路面状況、レースプランに応じて最適な一足を選べる「システム」として再構築されたのが最大の特徴です。

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また、製品の展開と同時に発表された国内アスリート向けの新たな「パフォーマンス支援プログラム」についても、これまでのスポンサーシップの常識を覆す取り組みとして大きな注目を集めそうです。

本記事では、発表された4モデルのスペック比較と、画期的な支援プログラムの詳細、そしてこの展開が示唆するアディダスの戦略について分析します。

4モデル徹底比較:あなたのレースプランに合うのはどれ?

今回発表されたラインナップは、ウルトラディスタンスからショートスピード、そして日々のトレーニングまでを網羅しています。

Agravic Speed Ultra 2(アグラヴィック スピード ウルトラ 2)

100km超のウルトラレース向け

一定ペースで走り続けたいランナーのための、効率性と安定性を重視した最上位モデル。

  • 価格: ¥29,700(税込)
  • 発売日: 2/17
  • 重量: 265g (27cm片足)
  • スタックハイト: 38mm / 30mm
  • ドロップ: 8mm

Agravic TT(アグラヴィック ティーティー)

テクニカルな難所・急勾配向け

日本の山に多い岩場や木の根が露出したコースに対応。接地時の安定感とコントロール性を高めたモデル。

  • 価格: ¥24,200(税込)
  • 発売日: 2/17
  • 重量: 270g (27cm片足)
  • スタックハイト: 39mm / 31mm
  • ドロップ: 8mm

Agravic Speed 2(アグラヴィック スピード 2)

ショート〜ミドル・スピードレース向け

軽快な足捌きを求めるランナーへ。軽量性とダイレクトな接地感を重視した設計。

  • 価格: ¥22,000(税込)
  • 発売日: 2/17
  • 重量: 215g (27cm片足)
  • スタックハイト: 30mm / 22mm
  • ドロップ: 8mm

Agravic 4(アグラヴィック 4)

日常のトレーニング・エントリー向け

耐久性と快適性のバランスを重視。これからトレイルを始める人や日々の練習に最適。

  • 価格: ¥18,700(税込)
  • 発売日: 4/10
  • 重量: 260g (27cm片足)
  • スタックハイト: 32.4mm / 24.5mm
  • ドロップ: 8mm

実績不問。挑戦するすべてのランナーに開かれた「パフォーマンス支援プログラム」

今回の発表で製品と同様に注目すべきなのが、国内のトレイルランニングアスリートを対象とした新たな支援プログラムです。

アディダス ジャパンは「過去の実績や所属に関わらず、挑戦するランナーを広く対象とする」という方針を掲げ、レースでのパフォーマンスを評価軸として支援を行う仕組みを構築する、としています。

プログラムの概要(予定):

  • 対象: 日本国内の主要トレイルレース(対象カテゴリーあり)
  • 条件: adidas TERREX製品を着用して出場すること
  • 内容: 競技成績に応じてポイントを付与し、年間を通じて選手支援を行う
  • 開始時期: 2026年秋冬シーズンに詳細発表予定
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これまでの「すでに有名な選手をサポートする」という形式ではなく、「これから結果を出す選手」や「挑戦し続ける市民アスリート」にもチャンスが開かれた、非常にオープンでフェアな取り組みと言えます。詳細は後日発表とのことですが、日本のトレイルランニングシーンを活性化させる起爆剤となる可能性があります。

DogsorCaravan Analyst Note

今回の発表は、単なる「新製品の発売」以上の意味を持っています。DogsorCaravan編集人・岩佐幸一が、3つの視点からこのニュースを読み解きます。

1. 「点」から「面」へ:フランチャイズ化の衝撃

これまでadidas TERREXのトレイルランニングシューズは、名作はあれど「点」での存在感が強かった印象です。しかし今回、ロードの「ADIZERO」で成功したフランチャイズ(体系化)の手法をトレイルに持ち込みました。 「今日はスピード練習だからSpeed 2」「次のレースは100マイルだからSpeed Ultra 2」といった具合に、adidas TERREX の中だけで全てのニーズが完結するエコシステムを作り上げたこと。これはブランドとしての「トレイルランニングへの本気度」の何よりの証明です。

2. 日本の山にフィットする「Agravic TT」の存在

個人的に注目しているのは、フラッグシップの「Speed Ultra 2」と対をなす形で登場した「Agravic TT」です。

「TT」はおそらくTechnical Terrain(テクニカル・テレイン)を意味すると思われますが、整備された林道が多い欧米の高速レースとは異なり、日本のトレイルは急峻で、岩や木の根が複雑に絡み合うテクニカルなコースが主戦場です。スタックハイトを高めつつも安定性を重視したこのモデルは、まさに日本のトレイルランナーが求めていた「安心感のある勝負靴」になるポテンシャルを秘めています。

3. トレイルランニング界の未来を拓く、裾野への投資

新設された支援プログラムは、トップアスリートだけでなく、これから頭角を現そうとする中堅や若手、そして情熱を持って挑戦を続ける市民ランナーにも光を当てる画期的なものです。 過去の実績のみにとらわれず、現在のパフォーマンスや挑戦する姿勢を後押しすることで、コミュニティ全体のレベルを底上げし、活性化させようという adidas TERREX の強い意志を感じます。この取り組みが呼び水となり、2026年のレースシーンでは、adidas TERREX のシューズを履いた新たなヒーローが無数に誕生する。そんなエキサイティングな未来を予感させます。

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