[race] 冒険と人情にふれる旅、OSJ奥久慈トレイル50K 2011

週末の6月5日(日)はOSJ奥久慈トレイル50Kに参戦。苦しみながらも実測54.52キロ、累積獲得高度2,642m(いずれも当方のGPSによる計測)を8時間5分で完走することができた。

当初4月初旬に予定されていたレースは東日本大震災の影響から延期。レースが行われる大子町、常陸太田市は茨城県北部に位置し、地震の被害も小さくなかった上に、原発事故の風評被害も重なり、人出も減っているという。そうした中で、延期しても開催にこぎ着けてくださったパワースポーツの皆様、地元の皆様に心から感謝したい。

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レース中も昨年同様に地元の皆さんから沿道で声援をいただき、私設エイドでも心温まる食事と手作りのカードを頂戴した。厳しいコースが有名なこのレースだが、こうした地元の皆さんからもてなしていただけるのが大きな魅力だ。

当方のレースの結果としては、途中の厳しい登りの連続で加速できなかったものの、補給など含めて大きな失敗はなく力を出し切れたと思う。それでもなんとなく結果に満足がいかない気がするのは、いつもセミナー等でご一緒する力のある皆様においていかれたり、終盤に追い上げられて最後のロードで抜かれたりしたからだろう。

以下はレースの振り返りメモ。

http://connect.garmin.com:80/activity/embed/90291967

(前日)

グリーンふるさと振興機構さんのオフィシャルツアーに参加して、バスで袋田に到着。汗ばむほどの陽気で、受付を済ませた後、集まってきた皆様と歓談。

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思い出浪漫館にて説明会と懇親会。レース説明はパワースポーツ中村さん。

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(レース・東金砂山神社まで)

今回は震災の影響などなどからコースが10キロほど短縮され、スタート時刻も午前5時半に繰り上げ。朝日が上がる中、スタート地点の竜神大橋にぞくぞくランナーが集合。

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スタートしてから、混雑緩和のためと思われるロードの周回をしてから赤岩に向けたトレイルに入る。このあたりいきなり本格的なトレイルで登りも下りもなかなか厳しい。登りで岩や木の根をつかみ、何度か下りで尻餅をつきながら天下野宿へ向かう。午前6時前という早朝にもかかわらず、沿道には応援してくださる地元の皆様も。

東金砂神社への登りの舗装路でも、沿道から応援してくださる方が。軒先の井戸水を頂戴したりして登る。まだグイグイ登れる感じがするが、心拍数をみながらあまり加速しすぎないように注意する。時々、鎌倉での上級セミナーでご一緒するDMJのisoさんの後ろにちょっとついてお話したが、すぐに離されてしまう。
東金砂神社の階段を登ると11キロのダブルトラックの林道がスタート。既にこのあたりで人は前後まばら。さらに心拍を確認して上げ過ぎないように注意してマイペースで進む。釜の平の第一関門の手前で再びisoさんに追いつくが、お目にかかれたのはここまで。isoさんはこの後も快走され11位でフィニッシュ。当方は40位前後で第一関門に到着した模様。Yさんの応援をいただき、軽くコップの水を頂戴してすぐにスタート。
  
(第1関門、釜の平から)
  
昨年もそうだったが長い林道のあとの安寺までの登りが辛い。とても走れず。安寺からは緩やかな里山の風景となり、少し立て直しながら持方のエイド。ハイドレーションバッグのドリンクは2Lを入れていたが、半分以上減っていたので、1.5L強まで補給。こちらでもYさんの応援。いよいよ後半のハイライト、男体山-大円地越-鷹取岩-釜沢越-湯沢峡の第2関門の約4.3キロのトレイルへ。
  
コース最高地点の男体山頂でも標高は653mに過ぎないが、果てしない小さなアップダウンの繰り返し、上りも下りも比較的急、岩場、鎖場も何度も登場。下りはシューズを滑らせながら降りるようなところも多数。好天の今日は西側に広がる山々の緑が美しいが足元はすっぱりと切れ落ちた崖だったりしてスリルも満点。当方はやはり登りでスピードが出ない。いつもなら軽く駆け上がれるところも歩いてリズムを保つのがやっと。このあたりでスタッフの方から37位、と教えてもらった気がする。
  
湯沢峡の第二関門の手前の下りの舗装路を駆け下りていたら、男塾の王子ことJOZYを発見。下りなのに動きに軽さがなく、かなりペースが落としている様子。前後して第二関門に到着したところで、そこにいらっしゃったOSJ滝川さんと一緒にJOZY氏を激励。滝川さんからは今回同宿のナイスガイ、oharinさんが3分前にここを通過したと聞く。確か釜の平あたりで背中を見たのだが、着実に離されている。シューズの中の小石を取り除いてから再スタート。
  

(第2関門、湯沢峡から)
 
すぐに現れる不動滝は水量も多く、空気がすがすがしい。ここでOSJ中村さんがいらっしゃったので挨拶。しかし、コースとしては濡れた岩、コケがついた岩、鎖場、木道、渡渉と要注意箇所が連続する沢登り。十分注意しながら進む。

 

 

  
篭岩を臨むポイントを通過してからも名もないピークやコルが次々に現れて苦しい。「楽しむ勇気を」と唱えてみるが、登りの脚は重い。竜神川とその支流の小さな沢を渡って上り返しているあたりで、後ろから声を掛けられる。DMJのスーパーさわやかナイスガイ、新米パパさんのtomoさん。何でもレース前の昨日に70キロのロングランをこなしてきたとか。がっちり握手した後に広い背中を見送ってからいくつかのアップダウンを経ると、スタッフの方から「もう少しでエイド」との声。
  

(武生の私設エイド)
 
武生(たきゅう)の舗装路に出るところ、40キロの少し手前で地元の皆さんによる私設エイド。充実したエイドで、0.5L位まで減っていたハイドレーションバッグを1.5Lまで再び補給。食べやすく小さめに握られたおにぎりを二つほどいただき、トマト、きゅうりに塩をつけていただく。パイナップルも。ここまでジェルは3つほど摂っているがこういう「real food」は長いレースでは補給にもモチベーションアップにも非常に有効。意識してしっかり食べ、飲む。氷の入ったコップ水も最高。

 

 

 
さらにここで昨年もいただいた、天下野天和会の皆さんによる手作りの押し花の添えられた手書きのカードをいただく。後で見返して、レースのことや、地元の皆さんのことを思い出す最高のお土産だ。今年はコース変更で天下野宿は早朝に通過してしまうので、今年はないかなと思っていたが、わざわざこちらまで持ってきて用意してくださったようだ。
 
つい長居しそうになるが、ほどほどにしてスタート。ここからは安寺まで5キロほどの長い舗装路。こういうところは気合で走って時間のロスを防ぎたいところ。ランナーはまばらだが、2、3人は抜いたか。安寺から先ほど通過したコースに合流。ここはアップダウンも穏やかなのでそれなりに走れた。

 

 

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(第3関門、持方から)
 

第三関門の持方の駐車場に到着。再びYさん。30番台の半ばくらいと教えていただく。こちらにも地元の皆さんによる漬物やお惣菜のおもてなし。全部いただきたいが少々ばて気味で漬物を少しいただくだけにし、頭と首に水を掛けていただく。トイレを済ませる。さらにその先にはなんとパワースポーツのテントがあり、滝川さんの姿。新製品のジェルブラストとパワーバーの大盤振る舞い。oharinさんは15分前に通過しているとのこと。確実に差が広がっている。結局oharinさんはこの日7時間40分という好タイムでフィニッシュ。あと7キロを袋田のフィニッシュに向けてスタート。トレイルに入るまでの舗装路には道端に腰掛けたご婦人方から声援をいただく。
 
牧草地の斜面を登って再びトレイルに。脚は重いが、多少力が戻った気がしたので、登りもゆっくりだができるだけ走る。最後のピークである月居山はトレイルの最後1キロを切るあたりでやっと現れるので、それまでに現れる小ピークにだまされないよう注意して進む。昨年のレースではこの区間を果てしなく長く険しく感じたが、コースを知っているせいか、今年はさほどでもない。
 
月居山では山頂の標識まで登ってみたが、コースが見当たらず。少し戻ってようやく標識のテープを発見。少々のロス。ここからはひたすらつづら折を下るだけでスピードを上げるが、途中で追いついてきたランナーにぴったりと付かれる。つい意地でスピードを上げるが、ロードに出たところで根負け。前を譲り、背中を追いかけながら500mほどの舗装路を走りきる。袋田第1駐車場のフィニッシュゲートをくぐる。8時間5分10秒、総合32位でのフィニッシュ。
 

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(昨年より10キロ短いが、コース前後半が入れ替わって新鮮な印象)

 
今年は亀が淵-竜神大橋の往復が省略される形になり、コース全長は10キロ近く短い54キロほど。しかし、昨年とは前後半が入れ替わり、新鮮な印象を受けた。前半にしっかり走った後に現れる険しいトレイルの連続はランナーの根性を試すには絶好のコース設定。私も含め多くのランナーが力不足に嘆いたのではないだろうか。さらにその後現れる長いロード。エイドで滝川さんからは「去年も出たでしょ」といわれたが、前後半が入れ替わるだけでもぜんぜん違う展開と感じた。
 
天候は好転ではあったが、暑さに苦しむということはなかった。しかし、先月の道志村トレイルレースの反省で水とジェルの補給はかなり念入りに行ったおかげなのかもしれない。
 
厳しいレースでありながら、地元の皆さんのもてなしに心温まるレース。そして今回は震災の被害による観光客の減少という悩み。これからもOSJ奥久慈トレイル50kが地元の皆さんとトレイルランナーを結びつけ、奥久慈の賑わいを呼び戻し、盛り立てていくイベントとして続いてほしいと思った。
 
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