(いよいよ本格的な「山」へ)
午前4時半頃にNortre Dame de la Gorgeにゆるいジョギングと早歩きを組み合わせて到着するといよいよ本格的な山道が始まる。登りは急になり、ピークまで標高差1700mの登り。
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まだ暗いので文字通り夢中で登る。まだ体力もあるので長い割には割とあっさり登れた気がする。登りのちょうど中間ぐらいのLa Balmeのエイドには午前5時半頃到着。
この手前から補給は概ねしっかりとれていた。すなわち、ジェルを45分くらいで1個ずつ摂る、2時間から3時間おきにVespa Hyperを一袋摂る。ただだんだん時間をはっきり覚えておくのが難しくなるので、エイドについたらエイドの食料を食べるほかに、出発前にジェルとVespa Hyperを一つずつ摂り、エイドの間のトレイル上でもジェルを1回か2回摂るというリズムができてきた。これで概ね最後まで胃腸のトラブルはなく補給は回転させることができたと思う。
(夜が明け、周囲のペースに驚く)
La Balmeを超えて標高2000mが近づくと植物は見当たらなくなり、昨夜のうちに降ったのか、薄く雪に覆われた山肌が現れる。6時半を過ぎるとすっかり明るくなる。
明るくなって改めて周りを見渡すと、周囲のランナーのペースが速いことに愕然とした。トレイルは相応に急ではあるが特にテクニカルなところはなく、皆トレッキングポールを使って早歩きで登っていくのだが、そのペースが速い。後ろからどんどん抜かれていく。自分がようやく追いつくことができたランナーは少し年配のランナー。
「こんなペースにはとてもついて行けない」と少し不安になった。そして、UTMBが決して「走る」レースではないことを実感した。コースの大半を占めるのはこうした登り下りのトレイルであり、これらをいかに速く進むかと考えたとき、そのスタイルはランニングではなくウォーキングになる。もちろん上位選手はそうした部分も走っているのだろうが、自分のレベルではいかに長時間、効率的に歩くかが重要になってくる。そんなことに気づき、今まで自分はUTMBのことを理解していなかったことを痛感させられた。
そんな具合に少しショックを受けながら朝のトレイルを進む。相当寒いが、ここまで上下とのスタートのときと同じのまま進んできており、概ねうまく機能して寒さはあまり感じない。しかし、夜の雨でシューズの中は濡れており、これがしばらく不安材料となる。
最初の大きなピーク、Col du Bonhomme、ボンノム峠に到着。写真は下のTNFのビデオより。
The North Face® Ultra-Trail du Mont-Blanc® – Running through nature – YouTube
当方は見なかったが、こんなアイベックスの群れもいたようだ。
コルからもしばらく登りは続き、Refuge(山小屋)のあるCroix du Bonhommeが一番高いピーク。ここからは最初の大きなエイドであるLes Chapieuxまで標高差1000mの長い下りに入る。
下が下りのトレイルの様子。この下りトレイルでは朝日に輝く周囲の山々が美しく、視界も開けているため、最高に気持ちがいい。これ以上はないという幸せに感激しながら下っていく。少し冷たい風もむしろ気持ちよく感じるほどだ。40分ほどでこの長いダウンヒルを駆け抜けた。
ただ、相当慎重に下りたつもりだが、左脚の腸